14. 領地案内
子爵以下は野営して貰うことで一応解決。ただ、何人かは来ていた文官の身内だそうなので、その人たちは身内の文官部屋を使うことを認めてあげた。父親や兄を野宿させる訳にはいかないだろうからね。
マンチカンは教会送り。この屋敷には入れません。刷新された教会を目の当たりにするが良い。
宰相と侯爵たちとの面会は、慎二くんが担当です。わたしもいるけどいつものように置物。ライアンたちは今日もダム工事で、アーロンとアミューズは好きにして貰っている。
結局彼らの目的は現地の確認で、教会のことはどうでも良いみたいだった。一応は苦言を申し立てることはあったが、”我々を無理やり召喚するような組織はここには不要”と伝え、潰しても良かったが自分たちの教会に変えて広げていくと言っても文句は無かった。
ただ、太陽教の本山は他国にあって、そこが知ることになればまた来るらしい。面倒だね。来たら教皇どもを威圧してやろう。
そんな訳で領地案内ツアーを決行することになった。と、言っても500人にぞろぞろ回られても困るので、爵位持ち1人につき騎馬騎士2人に制限を付けている。それでも案内係を入れると60人ほどだ。今の時点で必要以上に敵対しない方が良いとの判断(慎二くんの)なのだが、10台以上の馬車と、両脇に騎馬が連なって街道を行く光景は恐らくここでしか見られないだろう。
だってここほど道が整備されているところは無かったからね。
ツアーのコースは領都とダムとの往復だけにしている。海側の河口に近い2重の堤防はツアーに含んでいない。
結果として見どころはダムと道路、ところどころの水車小屋だけの拍子抜けツアーになる予定だが、整然と生育している麦畑の秘密に気付く子爵、男爵がいたら要注意人物リスト入りなので、案内係には質問、感想内容を記録するように慎二くんが指示をした。
ツアーでの一番人気は水車小屋だった。外だけ見れば農業用水の灌漑用だが、中には脱穀用の搗き臼と製粉用の碾き臼が稼働していて、それはこの世界になかったものらしい。搗き臼は構造が単純だからすぐに真似をされるだろう。
ダムについては然程の興味を得られなかった。人口の湖の風景はなかなかの物だが、景観だけを見てその本当の目的である治水には気付かなかったようだ。周りを整備して公園のようにすれば新たな観光地にできるかも知れないね。優先順位は低いけど。
ただ、そこで働いているライアンたちの人間重機ぶりには驚いたようだ。彼らには事前に本来の力を出さずに控えめでお願いしていたのだが、それでも普通では考えられない光景に、“これならば召喚は失敗、無駄とは言えないのでは”と言う声も出てしまった。
これは慎二くんの予想の範囲内だったので、”王家に従わない強大な力を招き入れたことが成功なのか”、”タウンゼント公爵以外に誰が彼らを従わせることができるのか”と言う話をさせることで黙らせている。
え?マンチカンはどうしているかって?知りません。会う気ないし。




