13.訪問客
召喚されてほぼ1年が過ぎた。川縁の堤防は予定分が完了し、いくつかの水車小屋も完成している。小麦粉砕の半自動化ができるようになるから、収穫までにはもっと建てておくそうだ。
まだ外側の堤防は手付かずだけれど、要領は掴んでいるからあと半年あればできるわね。本当にライアンたちのおかげだよ。
「そろそろ来るよ。」
何が?と言いそうになったが、さすがに直ぐわかるよ。サイベリアン国からの使者だよね。今まで音沙汰なしの方が不思議だ。
「司教たちを追い出してキリスト教に変えたんだから、太陽教や教皇派の連中が黙っているはずがないよね。」
へー、太陽教って言うんだ。初めて知ったよ。じゃなくて。
国が誰かを向かわせるんじゃあないんだ。呑気な国ね。でもあの王様じゃあ何も決められないか。今までも来なかったし。理由ができたね。
「教皇派って、以前聞いたと思うけど、どこだっけ。」
「ダグラス侯爵、ボーレット侯爵、ダドリー侯爵、シドニー侯爵、マーシャル伯爵、ラウザー伯爵、ハーウッド伯爵、ピンシャー伯爵、テック伯爵。」
すごいね。全然覚えていないや。
「でも、結局教皇派は教会を利用した貿易重視の派閥だから、今タウンゼントと喧嘩したいやつがどれだけいるかがわからないね。」
そうだよね。新たに貿易を増やしたいと思ったらそのネタはタウンゼントにあるんだから、ごきげんは取りたいだろう。
「じゃあ結局誰がきそうなのかな?」
「さあね。ブラントン伯爵からの連絡待ちだけど、多分宰相は来ると思うよ。後は誰が来るかな。」
宰相かー。猫のくせにアクティブだね。アーロンたちは太ってきてるのに。
慎二くんが予想した通り、宰相がやって来た。マンチカンも。どの面下げて来やがったんだ。私の威圧がうなるぜ。
他にはシドニー侯爵、ダドリー侯爵、マーシャル伯爵、ラウザー伯爵。ここから遠い人ばかりだね。教会についてのクレームだから、一応マンチカンが代表らしい。他の人たちは多分現地確認に来たんだろうとは慎二くんの言葉である。
それにしても結構な軍勢で来たね。500人は居るんじゃないかな。泊まるところ無いよ。なんて言っている場合じゃないね。散開されたら威圧で抑えるのが難しいよ。
潰すつもりなら何とかなるだろうけど。
マンチカン :司教
ブラウンロー・ソマリ :宰相(ソマリ猫)




