10.孤児院1
私たちはシンボルの架け替えを見るために教会へ向かった。今までは太陽を模した感じの、丸によくわからない模様が入ったレリーフだったが、これからは十字架が新しいシンボルだ。
改宗に抵抗したのは地位が2番手、3番手で、トップと多くの神官はイエスの物語に涙し、すんなり帰依したので、ちょっと拍子抜けだった。
抵抗者が数人だったので、無理に改宗させずに出て行って貰うこととなり、私の出番がなくなった。隠れ信者は少ない方が良いもんね。良きかな良きかな。
外す作業はライアンがやりたいと言ったので、やって貰うことに。
うーん、あれは外すのではなく破壊するの間違いだな。あのレリーフは出ていく神官に持たせることになっていた。多分王都の教会に戻るだろうから、私たちの怒りが王都に伝わることになるだろう。
架け替えが無事?に済んだので、孤児院の様子を見ることに。実は私にとってはこちらがメインだ。
以前戸籍を作ったとき、親のいない子は集落の子として登記されていたのを見て驚いた記憶がある。両親共にいない子は集落の長が面倒をみるのが普通で、言ってみれば長の家が孤児院のようなものだと思う。慎二くんにそう思ったことを話すと、
「そう。だからここにしか孤児院がないんだよ。ここでの長は今俺たちだけど、俺たちが来る前の長は国王、代行がセバスだった。あの屋敷に孤児を入れると思う?」
「なるほどね。わかったわ。じゃあ見に行こうよ。」
30人ほどの子供たちがいたが、一番大きな子でも10歳位で、みな大人しい。人見知りの可能性を差し置いても、おとなし過ぎて違和感を覚える。
「嫌な感じしない?」
「そうだね。相当抑えつけられた結果、って感じがするよ。」
「要調査ね。教会がキリスト教の教えを守っているかを確認する名目で、誰か通わせたいんだけど。どうかな?」
「良い案だね、誰が良い?」
「フレディはどうかしら。最近一番働いていてがんばり過ぎだから、少し楽をさせてあげたいかなって。」
「フレディなら、バーバラもセットでどうかな。何とかバーバラの気を引こうとしているから。」
「えっ、2人は兄妹じゃないの?」
「忘れているかもしれないけど、バーバラは養女だから。」
そう言えば。だとすると、アンとウオーターも兄妹だけれど養女ね。ここもカップル狙いかな。
「嬉しそうにしているけど、ウオーターとアンは違うよ。あいつはジェーンを好いている熟女好きだよ。相手にされてはいないけどね。」
フレディ・ヴィアーズ :ヴィアーズ伯爵の三男
バーバラ・ヴィアーズ :メイド
ウオーター・ウエルズ :徴税官
アン・ウエルズ :メイド




