4. 人材登用3
慎二くんが依頼した各領主から、それぞれ1~3名の文官がやって来ている。結局全部で21人。これは多いのかな、少ないのかしら。
全員揃ったところで、改めて皆を集めて訓話をした。内容は“いずれは帰って貰うが、派遣元の領主が認めればこの地の男爵として採用する”と言う物だ。これは事前に慎二くんと打ち合わせをしている。慎二くんが言うには、
「男爵なんて村長みたいなものさ。子爵は村をまとめた郡長だよ。」
「世襲の村長に任命するだけだけれど、ここに来た連中はほぼ全員が子爵家や男爵家の跡取りになれない奴らだ。ルイス・テックはもしかすると子爵家や男爵家の養子になって跡取りになれる可能性はあるかもしれないけれど、確率的には相当低いと思う。男爵と言う餌を目の前に吊るせば、一生懸命働いてくれるよ。」
との事。
「一代限りの騎士爵ってのがあるんじゃないの?」
と一応疑問を確認してみた。
「うん、あるよ。でも騎士爵を賜るのは騎士だよ、文官じゃなく。多分来たのは騎士になれない人なんじゃないかな。最低限の武術の力がないと流石になれないさ、各領地に定員もあるだろうし。爵位が無くても文官なら役人にはなれるだろうけど、貴族じゃなくなるから、収入はほとんどの領民よりは多いけど貴族の子供時代より生活が悪くなるのは間違いない。なりたいだろうね、男爵に。」
「男爵になれなかった人はどうするの?」
「本当に使えない奴は帰って貰うけれど、多分返されても困るだろうね。一応考えてはいるけれど。」
どうするつもりかは教えてくれなかったけれど、全員の力量がわかって誰が使えて誰が使えないかが判断できるまでには時間がかかるだろうから、今は気にしないことにした。明日できることは今日しないのが私の主義だ。切羽詰まらないとやらない人とも言う。




