16. 神殿4
皆さん、顔面蒼白になっちゃった。当初の目的は果たしたね。でも宰相もマンチカンも何も言わない。おかしいな。
「威圧解除。」
へ?何?
「奴らへの威圧解除。」
なるほどそう言うことね。圧迫状態に耐えようとしているから他に何もできなかったのか、慎二くんに言われるまで気付かなかった。失敗失敗。
ふたりの威圧を解除すると、マンチカンはそのままへたり込み、宰相は大きく息を吸った。
『ご報告させて頂きます。』
宰相は、
2年の間で計5回召喚を試み、最初の2回は失敗、以降3回召喚に成功したこと。
召喚できたのは猫の番と獣人の番、そして私たちであること。
獣人の番は王城にいること。
を報告した。
5回もやっていたのか。迷惑な話だ。
召喚には莫大な費用が掛かる筈だ。それはここにいる皆の認識だろう。みな苦い顔をしている。教皇派だろうが国王派だろうが関係ない。国王と教会がやっていた話だ。派閥崩壊の匂いがするね。
『我らと同じ境遇の者が他にもいるのか。その者と話がしたい。至急その場を設けるよう王に伝えよ。』
慎二くんは宰相に申し渡した。この状況で断れないよね。できるとすれば時間稼ぎぐらいだね。
『王に伝えます。今しばらくのご猶予をお与えください。』
『3日以内に王の答えを持って来い。それまでブラントン邸に滞在する。もう用は済んだ。出ていけ。』
宰相とマンチカンを追い出した後、慎二くんはほかの皆に向けて言い放った。
『さて、私たちの領地には残念ながら各地を治める領監がいない。人材を貸しては貰えぬだろうか。』
ほぇー、これが集めた目的ね。人材派遣、よろしくお願いします。




