7.お披露目会
お披露目会は、王から私たちの紹介があり、そのまま立食パーティーになった。
いやにあっさりしてるね。国の式典なんだから、もっと仰々しいと思っていたのに肩透かしを食らった気分だ。でも、この方が良かった。私だけがカジュアルな服装で、心を強く持たないとやってられない。
予定通り、昨日会っている人以外には、
『タウンゼント領主として任ぜられた、サユリ・タカツカサ・タウンゼント』
で通している。ほとんど挨拶だけで済むのは良いんだけれど、場違い感は否めない。私のお付きのメイドであるマティルダが取ってくれているものを合間に食して時間が過ぎるのを待っているだけだ。
そんな時、それぞれ猫を抱いた文官が2名、近くのテーブルにやって来た。抱かれている猫の指示?腕示?に従って料理を皿に盛る。その後少し離れた場所にあった小さなテーブルに行き、そこで猫が料理を食べ始めた。
「なにあれ可愛い。」
「行儀のいい猫だな、相当賢いぞ。」
「近くに行ってもいいかしら。」
「そうだな、行ってみよう。」
私たちは猫の小さなテーブルの傍に行き、食事の様子を見続けた。すると、2匹が同時に顔を上げ、威嚇するようにヴーとないた。思わず、
『ごめんなさいね、余りに可愛いから眺めちゃいました。』
『そうか、ならば良い。邪魔をするなよ。』
えっ、今答えたのは誰?
『あなたたちは召喚されたのか?』
いきなり慎二くんが猫に問いかけた。
えっ、今答えたのは猫?
『そうだ。我らに話し掛けたのはお主らが初めてだ。』
猫の世話係と思われる2人の文官も初めて会話を聞いたようで、呆然としている。少しの時間が過ぎ、文官2人が共にどこかへと立ち去った。
猫と話ができるなんて素敵ね。家に連れて行きたいわ。
私がそう考え、猫たちを見ていると、慎二くんがより近づいて猫に今日までの経緯を聞き込んでいた。その話を概ね聞き終わった頃、文官2人と宰相がやってきた。
慎二くんは宰相に向かって
『我らがタウンゼントに戻る際、このふたりも同行することになった。そのように手配せよ。』
ん?いいの?ふたりって、猫のこと?それともその文官?
『かしこまりました。そのように致します。』
ねぇ、どっちのこと?
ブラウンロー・ソマリ :宰相(ソマリ猫)




