6.会合結果
「鑑定していたんでしょ?どうだった?」
「うん。明らかな敵意はなかったよ。好奇心と警戒かな。特に俺が独立国って言った後にはそれぞれの感触が強くなった。」
「それならまだ良かったね。好意を示している人はいなかったの?」
「好意があるのは今のところブラントン伯爵だけだね。ピンシャー伯爵が女王ということに疑念を持っていたけど、召喚されたことに同情的だったから、そういう意味ではブラントン伯爵の最初の頃と同じかもしれない。」
そう、ひとりだけか、それは残念。でも初対面だから仕方ないか。ピンシャー伯爵に期待だね。
「ポンプの代償、あれで良かったの?」
「ああ、ひとつの目的を果たせるからね。」
目的?
「各地の人口が知りたかったんだ。正確な人口は無理でも、国に報告している数が知りたかった。領地の力関係の基礎になるのは結局人の数だから、それを知っているかどうかは大切だよ。」
「そうね、でも、実際の人口は多分倍以上いるんじゃない?戸籍を作っていて分かったんだけど、子供の数が入って無かったもの。」
「そうだね。50万って聞いていたけど、実際は100万以上だと俺も思う。ここの医療水準では、子供はすぐ死んじゃうから数に入れていないと言うのは理解できるけど、把握していないのはまずいよね。」
「それに、まとめて契約できたのも良かった。」
「それはどうして?」
「どうせ今回契約したやつの中には、まだ契約していない領地の領主に転売するのがいるよ。転売禁止条項はどうせ入れても無駄だろうから入れていないし。
ポンプ自体を生産して売るところ、図面を高値で転売するところに分かれるだろうね。ポンプを分解して図面に落とすのもいるだろうから、図面がそれなりの高値で売れるのは1年以内と言うところだ。明日追加で会う貴族とは同じ条件で契約できるとは思えない。話も出ないと思う。今後は図面を売ることができる貴族は俺たち含めて11あるんだよ。」
「そうか、それはそうだね。仮に同じ条件で売れれば、自分たちはただ同然で図面が手に入るから、売るよね。同じ条件は競争相手もいるだろうから無理かな。」
「多分親しい関係のところに売るだろうね。その情報が得られれば、領地間の関係もわかる。今のところ情報を得る手段がないけど。」
「鑑定でわからないの?」
「さすがにそれは無理だよ。それにすぐに契約が成立するとも思えない。今契約していないところは、まだ誰もポンプを知らないんだから。」
ポンと手を打ち、
「確かに。」
「明日に向けて、何か作戦はあるの?」
「タウンゼント領主として任ぜられた、サユリ・タカツカサ・タウンゼント公爵で行くよ。無駄に波風は立てたくない。独立国タウンゼント女王の認識は今日来た連中だけで良い。」
連中扱いですか、そうですか。




