3.会合予定
チャールズは4日後に戻って来た。片道100km以上あるのに、こんなに早く戻ってくるとは思っていなかった。
『タウンゼント領内の道が整備済みなので、ブラントン領までは2時間と少しで移動できました。馬車で行ったとしても、4時間程でブラントン領まで行けるでしょう。ブラントン側の整備を急ぐ必要があると痛感致しました。』
チャールズは違いに感動したのだろうか、ブラントン伯爵との打ち合わせ結果を話す前に、道が整備された結果を報告した。私がやったんだから知っているよ。
『それでブラントン伯の意向はどうだったのか。』
慎二くんが問うと、少し慌てて
『3か月後、ブラントンの城で会合はどうか、了解頂ければ晩餐会を開く名目で諸侯を招待したいとのことです。』
と報告し、ブラントン伯爵からの手紙をセバスに渡した。
3か月後か。移動に時間が掛かるし、連絡のやりとりにも時間が掛かる。諸侯を招いた晩餐会の準備にも時間が必要だし、それ位は必要なのかな。電車や車がないのは辛いね。
慎二くんは手紙を読みながら
『委細承知した。ブラントン伯には手間を掛けるが、よろしく頼む。返事を書くので、それを渡してくれ。』
電話もないから、またブラントンまで行かないと駄目なのね。大変だ。
『かしこまりました。ハンフリーに持たせます。』
そうよね、ハンフリーと交代ね。ご苦労様。
「これで2か月以上時間ができたね。君はこの領内の住所と戸籍を作るリーダーを務めて欲しい。」
「えー、何をすればいいの?」
「領内にある集落に名前を付ける。部落名だね。それからそこに住む住民の戸籍を作る。君はニコラスに指示する役目で、実際にはセグレイヴ家にやらせれば良いさ。
恐らく名前がない集落はほとんど無いと思う。それなりの通称はあるはずだからそれを正式名称にするのが仕事のひとつだよ。もしなければ集落の長とニコラスで決めれば良い。」
「慎二くんは何をするの?」
「通信手段として電信を考えているんだけど、今のところ電圧が出ていないから、長距離の電信ができそうにない。そこを解決するための実験かな。」
「電信って、ツートントンとかやるやつ?」
「そう、それ。電磁石を使って、スイッチを押している間は引っ付き、離すと離れるってのを作ろうと考えているんだけど、距離が長いと電圧が下がって…」
「わかった、もういい。」
頭脳労働は任せました。私は仕組みに興味はありません。結果のみ期待しています。
仕組みの説明を頭の中から追い出すために別の事を考えよう。
晩餐会かー。披露宴みたいなものかしら。ドレスは疲れるから今着ている衣装に似たようなのを少し増やそう。下着はメイドたちが私の下着を参考にいくつか作っているけど、ゴムがないから紐なのよね。ゴムなんとかならないかしら。
チャールズ・ブラントン :警護副長 ブラントン家二男、伯爵家
ハンフリー・ブラントン :警護副長 ブラントン家三男、伯爵家
ニコラス・セグレイヴ :執事長 男爵
ジョン・セグレイヴ :執事 セグレイヴ長男、男爵家
スティーブン・セグレイヴ :執事 セグレイヴ次男、男爵家




