17.地方道路整備
「道路工事、道路工事。」
慎二くんの前に来るまで、呪文のように呟き続けていたら、
「ん?できたの?」
「うん、できちゃった。ロードローラーをイメージしたら、道路工事みたいな感じで。」
「そうだよ。道路工事をするのに使って欲しかったんだ。
これから地方への道を砕石固めて造りたいから、よろしくね。」
「石タイルじゃダメなの?」
「あれは俺しか作れないけど、砕石なら誰でも作れる。俺には他にもやらないといけないことがあるからね。馬車の改良とか。」
そうよ、それは大事。乗り心地が悪すぎるのを何とかして貰わないと。
「とりあえず、直付けの車輪を板バネ使えば今より相当マシになる。これは直ぐにやるよ。
砕石を作って、それを敷いて、威圧する。威圧できたところまで、馬車で進む。道が良くなって、馬車も良くなれば然程揺れないから心配ないよ。
まずは砕石を作る作業があるから、小百合の仕事は1か月先位に開始だよ。」
そんな訳で、私はエドワードとの勉強会の続きである。
慎二くんは馬車の改良やら何やら、
兵士4人と騎士8人は、兵士1人騎士2人4チームで各集落に向かい、砕石を作るように指示する係だ。残った騎士はここで砕石を作り、兵士たちが戻ったらみんなで砕石を敷き詰め、道の基を作ることになった。
ちょうど1か月後、私の威圧の出番が開始した。
正門にあたる南の門前に作業者全員集合である。
ブラントンから来た文官も全員いる。あの人たちは何をするのかな。そんなことを考えていたら、隣に立つ慎二くんが教えてくれた。
「彼らは測量をするんだ。そしてこの領地の正確な地図を作る。南の果てには海があるそうだから、海抜も調べる。兵士1人と文官3人一組、4チームでそれにあたるんだよ。」
慎二くんと警護長のトマス、騎士4人は留守番で、私の警護はブラントン兄弟があたるそうだ。残りの騎士は砕石を運び、敷くのが仕事だ。一番大変そうだね。筋力増強の訓練だと思って頑張って欲しい。領民も自分たちの道だから、働いてくれるだろう。
徴税長と徴税官3人が道案内として一緒に来ている。ジョージ・ダグラス、ブリース・ヘレフォード、レスター・モウヴレイ、ウオーター・ウエルズの4人だ。人が歩ける程度の道は一応あるので、どこに向かっている道かを教える役割らしい。
私の威圧は200m先まで掛けられるので、3m幅で200m位砕石を敷き、威圧後に馬車に乗って移動する。
200m威圧するのに1分、200m砕石を敷くのに10分掛かっている。めちゃ早い。領民も頑張ってくれているから、1日で10㎞できそうだね。
地方道なので、道幅は馬車が通れれば良い。200m毎に馬車がすれ違える場所を作る。多分旅人がいるのであれば、休憩場所にもなるんじゃないかな。
最初の1週間は、それぞれの集落がある方向に向け、放射線状に10㎞道を造った。集落までに距離があるので、10㎞で集落にたどり着いたのは1か所だけで、そこは500人程度の集落だった。想像以上に田舎だね。
次の1週間からは、砕石を敷く仕事を先にやり、最後の1日に私がまとめて威圧する方法を取るようにした。
道が整備されれば、馬車は休憩込みの平均時速15㎞位で移動できるので、領内なら一番遠い集落からでもその日のうちに何とか帰れる目途も立ち、集落での宿泊予定は無くなった。
そんな生活を3か月続けて、領内ほぼすべての集落間の道が完成したとき、あちこちから文官らしき人が手紙を持ってやってきた。




