13.幹線道路整備 その2
「4時間で1000枚の石タイルを切り出せることがわかったから、1日2000枚、30日で目標達成だよ。」
慎二くんは笑顔で言った。それだと1日8時間ぶっ続けの計算でしょ。魔法って、よくある魔力切れってないの?見積り甘いんじゃないかな。
と言うことで私は5割増しと脳内修正をして、
「わかった。無理しないでね。」
と微笑む。
不在の間、やることは書斎の物語以外の書籍を手当たり次第に読むことだ。読み終わった物をエドワードにも読ませる。
エドワードがわからないことがあれば私に聞き、私もわからなければセバスに聞く。
わかった気になってわかっていないことはよくあるから、質問に答えられればわかっている、答えられなければわかっていないから、もっと知っている人に確認するという勉強法だ。
エドワードも知識を得られ、一石二鳥の素晴らしい方法だと思う。誰か褒めて。
同室にいるユーリも嬉しそうにしていて、その雰囲気を感じるだけで私も嬉しくなる。我が子が大事にされているのを見て、嬉しくない親はいないだろう。まるで授業参観だね。
1冊の本は分厚いが、薄くて丈夫な紙を作る技術がないのだろう、日本の紙で作れば多分半分以下の厚さになると思う。
エドワードからの質問に答えられるように、斜め読みはできないから1日1~2冊を読む位のペースかな。
2か月はかかりそうだ。全部は無理かも。夜には慎二くんも居るし、相談すればいいや。
なんと、本当に1か月で切り出し終わったんですって。しかも、切り出した石タイルはその日のうちに運び出され、道に敷き詰められたんだとさ。石タイルを並べる前に道路の土をならす作業があるので、まだ全部敷き詰められてはいないけど、あと数日で完成するらしい。
石タイルを並べるのは魔法じゃないよね。人海戦術,恐るべし。
「本当に1か月でできたんだね。」
「うん、最初は計算より遅れていたんだけど、慣れると生産スピードが上がってね。挽回できた。」
ソウデスカ。
「魔力切れは起きなかったの?」
「大気中にある魔素を使っているから切れないよ。」
ソウデスカ。
「瘴気と魔素は違うのかな。もし同じなら、魔法を使えば瘴気は薄くなるんじゃないかな。やってみる価値はありそうだよ。」
今のところ、瘴気が発生して動物が魔物化しているという場所は、王都を挟んでその先の辺境だ。もしかすると岩を切り出した先の川の上流に行けば同じように瘴気の濃いところがあるかもしれないけれど、兵士が巡回している範囲では異常は報告されていない。
少なくとも今この領地で人が住んでいるところでは問題ないんだから、そんな実験はできないよ。
明日からは13時にアップします。




