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女王陛下になりました?  作者: 甘木
2.領地の整備を始めました
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2.タウンゼント到着

 領都と言っても私の感覚だとせいぜい田舎町。人口は3千もいないんじゃないかな。ここに着くまでにあった8つの集落も王都からブラントンに向かう時にあったところよりも規模が小さい。都からどんどん田舎に向かっていることを実感するわね。直前の4つの集落はタウンゼント領らしい(警護長、メイド長談)。タウンゼント全体でも1万人いるのかしら。


 王は2~3年に1回視察に来るらしく、その時に泊まる屋敷を領主邸にすることにしている。

 一応屋敷の管理をしている人はいるようだが、私たちの居住区域の掃除は視察前にしかしないそうで、メイドたちを先行させたのは正解だった。


 2人でリビングに休んでいると、ハンフリーがロビーに全員を集めたと呼びに来た。メイド長と向かったが、結構な数の人がいる。馬丁や従僕まで含めるとこの位にはなるのかな。基本空き家の管理にこれだけいるのは無駄な気さえする。掃除しとけよ。


 慎二くんがこれで全員か、漏れはないなとハンフリーに問うと、ハンフリーは隣に立っている人が何か囁き、頷くのを確認して領地巡回中の4名と子供以外に漏れはないと答えた。あの人はここの家令か執事だな。


『ベラム警護長、騎士を我らの背後に。ダグラスメイド長、連れて来たメイドたちと共に下がれ。ああ、ハンフリーはここに。』

 慎二くんがそう指示すると、20人以上の人が正面からいなくなった。減ったと言ってもまだ60人位いる。騎士の鑑定にはひとり1分ほど時間が掛かっていたから、1時間以上はこのままね。後ろの方に並んでいるのは家族かしら。


 そう考えていたら、慎二くんがハンフリーに指示を出して、9人がより分けられた。

『お前たちはこの屋敷に必要ない。支度金を受け取ったら早々に出ていけ。家族もあわせてだ。』

 あらまあ唐突。


「こんなに敵がいたの?」

 私が尋ねると、

「いや、敵ではないよ、怠け者さ。この屋敷は普段使われていないから、たいして仕事がない。それに慣れ切った者たちを切った。この先役に立たないと判断しただけだよ。」

「じゃあ残りは安心な人たちなんだね。」

「まだわからない。それについてはこれからだね。あらためて個別面談することにするよ。」



 わたしが家令か執事だと思ったひとは、家令だった。家令と言えばセバスかな。


 今日の面談者はこの家令だけ。この人が敵認定されちゃうと、他全員が信用できなくなるから重要だ。他の人は明日以降あらためて個別に面接をするとして解散させた。


 慎二くんの鑑定を伴う面談の結果、この人はモウヴレイ公爵家の血筋で、現公爵の弟にあたる人だった。

 さすがに王家の直轄領だった所なので、遠縁ではあるが王家と関係がある血族から選ばれているのだろう。名前はセバスチャン・モウヴレイ。

 後から聞いた話では鑑定による本当の名前は警護長のトマス・ベラムと同じトマスなのだが、彼が家令とわかった時に私が『セバス?』と呟いたことを聞かれていたようで自ら『セバスチャン・モウヴレイ、セバスとお呼び下さい。』と嘘をついたらしい。

 指摘すると鑑定精度の高さがバレるのでそのままにしたそうだ。


 本人にはこれと言った野心は無く、追い出すことにした連中には困っていたので助かったなんて言うぐらいに部下へ強く言えない気弱な人ではあるのだが、王の遠い親戚になるので王からの接触は断れないだろうから注意は必要となりそうだ。


 慎二くんは、セバスに

 『排除した9人の家族が残らぬように手配せよ。』


 後の人たちの面談は、明日から2日間掛けてやるので計画を作るようにと合わせて命じて今日は終了した。


登場人物

 セバスチャン(トマス)・モウヴレイ :家令

 トマス・ベラム           :警護長

 ジェーン・ダグラス         :メイド長

 マティルダ・ヨーク         :メイド

 サラ・ブーン            :メイド

 バーバラ・ヴィアーズ        :メイド

 ローズ・テック           :メイド

 クレア・ハーウッド         :メイド

 アン・ウエルズ           :メイド

 アメリア・ピンシャー        :メイド

 メアリー・バセンジー        :メイド


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