閑話 ソマリ
上げ忘れていました。
ファイルを分けていたための見落としです。と言う言い訳です。
これはまずい。
召喚した相手が、女王陛下とその王配と称する者たちだった。
王配が無礼を叫んだ。だが、その表情は冷静に見える。そして王配が女王と示した者の表情は無と表現ずるのが最もふさわしいと感じる。これは本物だ。
この様な状況で表情を変えずにいられるのは、相当なプレッシャーにも動じない経験がないとできないだろう。王とは様々な理由で命を狙わることを想定しているべきで、小異にいちいち動揺しているようでは本来王など勤まらない。
この国は長い平和に浸っていて、王に危機感が薄いのを危惧している。これは我が国の王より格が上だ。
まずは今の状況を王に報告しないと。私はそう考えてそっとこの場を離れた。
召喚はこれで3回目だった。
1回目は召喚そのものは成功だったのだが、召喚されたものは2匹の猫だった。
普通の餌には見向きもせず、我々が食べているものと同じものしか食べないことを除けば、ただの猫だ。
2回目に召喚できたのは男女の獣の人だった。顔は狼のようで、それ以外は言葉も通じ、人のようだった。
男の獣は力が強く、騎士総出でも抑えるのを苦しんでいたが、メイドの機転で女の獣の人を先に捕まえ、人質のような形にして説得し、今はなんとか王宮の一室に住まわせている。
2回の結果から召喚の効果と危険性は明らかになった筈なのだが、王は説得により危機を回避したと考えて3回目を命じた。そしてその結果がこれである。
王に召喚結果であるこの事実を報告すると、
「状況はわかった。宰相としてこの場を対処せよ。」
と宣う。
ふざけるな!と言えるものであれば言いたいところではあるが、今言えそうなことはこれだけだ。
「裁量をお任せ頂けるのであれば。」
現場に戻ると、そこに居た者は全員平民が貴族にするようにひれ伏していた。何が起こっているのか。自分は礼を取り、女王に向かい話した。
「大変申し訳ありませんでした、女王陛下。お手数ではございますが、王宮においで頂きたく・・・」
王配が、
「誰の許しを得て女王に語り掛けるのだ、無礼者め!お前は何者だ。」
と言うのとほぼ同時に凄まじい圧が私を襲い、動きも取れないまま他の者たちと同じようにひれ伏した。
今の私にできることは、相手の意向に逆らわず、時間を稼ぐことだけだろう。余りにも力が違いすぎる。
王配の言い分を了承し、それを王に認めさせるしかない。自分の体重が2~3倍になったのではないかと感じながら、やっとの思いでその場を去った。




