15.交渉結果
「俺が君の手に触れたら王を威圧してくれ。相手の出方を見る。」
舐めたままなら威圧ですね。了解しました。
『話にならんな。』
慎二くんは冷ややかな表情で言い放った。
『まず、与えるとはどういうつもりか。献上であろう。』
『それに賠償金の金額は冗談か?我が国の年間国家予算の1万分の1にも満たない。』
『我が女王をこの国の王とするというのが、どれだけ譲ってやったのかが判らなかったと言うことか。』
威圧していないのにふたりとも怯んだ感じになっている。慎二くんも威圧使えているんじゃない?ちょっと違うか。
『宰相』
慎二くんがソマリ猫さんを呼び寄せる。
『この地図で、王家の直轄領はどこかを示せ。』
ソマリ猫さんが地図に直接印をつけ始めた。結構点々としている。統治する上でこうしているんだろうな。固まってあるのはさっきのタウンゼント領とそこから端までの範囲だね。
「この端の先ってどうなっているんだろうね。」
「未開発の土地なんだろう。隣国との国境は山か川か海だろうけど、この地図ではそうは見えない。森とか林で未入植領域じゃないかな。領地を増やせる可能性がある地域だと思いたいね。」
「威圧は要らなそうだね。」
「うん、多分。でも油断は禁物だよ。これから俺の条件にグズグズ言って来たら頼むかもしれない。」
『賠償金と爵位はこれで良いだろうが、タウンゼントを含む以西を割譲せよ。』
『それに加えて王家への納税は今後100年行わないこととする。』
『最後に、この領地は我らの法で管理する。この国の法に従う必要はないものとする。』
『それならば、今回の件の謝罪として受け取ろう。』
王は何も言わない。宰相は頭を抱えている(抱えてないけどそんな感じに見える)。
10分ほどの沈黙の後、王が頷いた。
あれ?決まっちゃった。納税なしで法も違えばこれは独立国家って言えるんじゃないかしら。
なお、私たちについていた警護長以下19名と、メイド長以下8名は、そのまま配下になっちゃいました。メイドはパピオン以外ね。交渉でみえた王の情けなさと、交渉を圧倒した慎二くんの差を見たら、どっちが良いかは、ねぇ。私に心酔した訳ではないのが少し残念だ。女王なのに。




