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天下人チャンネルー1分で読める1分小説ー

作者: 浜口倫太郎

「これでおぬしもぉ、天下人!」

 現代に転生した豊臣秀吉が、カメラの前で決めポーズをとる。秀吉は動画配信で生計を立てていた。



「はい、OKです」

 女性アシスタントが乾いた声で言う。

「じゃあ今から生配信します」



「……生配信ってどれぐらいじゃ?」

「オールナイトで朝方までです」

「かんべんしてくれ。少し休ませてくれ」



「昔は天下人でも、現代ではただの役立たず。路頭に迷ってもいいんだったら、どうぞご自由に」

「……すまぬ、続けさせてくれ」



 女性が退室すると、動画編集のスタッフが二人あらわれた。秀吉は目を丸くした。

「明智殿と徳川殿ではないか」



 二人は、明智光秀と徳川家康だった。二人は秀吉の前の天下人チャンネルの配信者だったが、家康は口下手なのでクビになり、光秀も人気がないので三日で辞めさせられ、スタッフに降格となった。



 秀吉が複雑そうに言う。

「まさに三日天下じゃの……」

 家康が秀吉の肩をつかんだ。

「あの女姿形こそ美しいが、中身は夜叉。豊臣殿、逃げましょう」



 秀吉がうなずくと、「そんなことができると思うのか」と女性アシスタントが姿を見せ、三人が悲鳴を上げた。



「おのれら、俺がまだ誰かわからぬのか?」

 女性が薄く笑うと、秀吉はあっと声を上げた。その冷たい笑みには見覚えがある……。



「そう、織田信長だ。俺だけが女に転生したようだの」

 ハハッと三人が平伏すると、女信長が喝を入れた。





「さあ、今世はネットで天下を取るぞ!」


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