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zeroシンパシー  作者: ハルト
レゾナンスモジュール編
9/9

エピソード9「激突コンフューズ!前編」

「||」・・・通信での会話


「」・・・肉声での会話


{}・・・モジュールの発言


()・・・登場人物の主観的感情・思考


を頭の片隅に入れてお読みください。

「レイト、着いた」

窓の外見るとMoNi管轄ヒューニスト総合戦災治療病院と書かれた病院の駐車場に車が止まっていた。

降りて手続きを済ませているソウカさんを待つ。待合室にはヒューニストしかいなかった。二の腕から先がない人。車いすに乗った意識があるかどうかわからない俺と同い年くらいの子に話しかける家族。片足両足どちらかが義足の集団。そんな人たちがいた。

「レイト、行くよ」

そういって首から面会証をかけてソウカさんについて行く。

エレベーターに乗り1104号室の前でソウカさんは止まった。

「ここ…ですか?」

そこにはキリガミクウヤと書かれたネームプレートがあった。

「入るよ?」

ノックをしたソウカさんはドアを開けて中に入った。俺もそのあとに続いた。

部屋には一人の男性がいた。胸には何か特殊な機械がつながれていた。

「ソウカさん。この人は?」

俺の声が聞こえていないのか彼女は男性の手に触れる。

{0:まさかこんなところにいるとは}

「ゼロクス?」

睡眠状態(スリープモード)だったゼロクスが突然起動する。

{0:それにこれはなるほどだからファーストナンバーか}

よく分からないことを次々に言うゼロクスがソウカさんに言った。

{0:あんたの血縁か、こいつは}

ソウカさんはゆっくりと頷いた。

「私の兄でICC最強の戦闘員」

{0:そしてナンバーワンの完全適合者か…}

「完全適合者?」

{0:あぁ。レゾナンスモジュール(俺たち)には適合段階がある。お前やR1は共振適合段階、俺たちレゾナンスモジュールの力を扱うことができる。}

「そして完全適合段階だと共振適合者以上の出力をだせるの。それと同時に特殊な能力と呼べる力が使えるようになるみたい」

「はぁ…。というかこの人がファーストナンバーの適合者?だとしたらα-043ってこの人が…」

「違う!」

大きな声で否定される。

「違うの…、ごめんね。急に大きな声を出して、でもクウヤじゃない。あの惨劇を起こしたのは」

(ソウカさんにとっては兄の後継者があんなことを起したら、嫌な気持ちになるだろうな)

「それにクウヤはもうこの状態になってから6年になるの」

{0:それ大丈夫なのか?}

「分からない。今の医療技術でできることはやった。もう目は覚まさない可能性が高いって」

ソウカさんがこっちを向く。

「私はレイトにはこうなってほしくない。それでも戦うの?」

(戦う…理由。ゼロクスと共振?して戦えるようになってここまで来たけど)

ベッドに横たわるクウヤさんを見る。

二度と目を覚まさないかもしれない危険があっても戦った人。それだけの覚悟が必要なことがICCでの戦い。

「…そこまでの覚悟は俺は持てません。」

ソウカさんが口を開こうとする

「でも!」

俺はそれを遮った。

「誰かを助けたい、その気持ちで戦ってきた。その気持ちを裏切りたくない。」

ソウカさんの目が見開かれる。

「それに今ここで戦いから逃げたらあの親子にも顔向けできないですからね」

はじめてゼロクスの力を使って助けた親子を思い出した。

「そう…。ここでやめるって言ってほしかったけど、分かったわ。」

その後は病室で今までのことをクウヤさんに話していたらいつの間にかに、面会時間が過ぎていた。


病院から出てきた私たちは街のデパートに来ていた。病院でのレイト発言を思い出す。

(レイトが言ったこと。その気持ちは分かっちゃうから)

「プラスチックコップとかで良いんじゃないですかね」

デパートで今度の忘年会でやるビンゴの景品を探していたのだがボーッとしていたので悩んでいると思われたらしい。

(いや悩んではいるんだけど。お皿とかの割れ物は無しそこまで運転上手くないし、かといってプラスチックのコップはちょっと)

そうやってフラフラしていると大特価ハンカチたたき売りセールとあった。

なんと普段の3分の1の値段で売っている。

(ちょっといいやつもこの値段なら複数買っても良いかも)

そう思って5枚ほどハンカチを買って店の外に出ようとした。


突然爆発が起こり、照明が割れ店内が暗くなる。

アラートがコーランから鳴る。

「暴走指数が平均を大幅に上回ってる?!」

{0:レイト!}

「分かってる!ソウカさん民間人の避難を」

「レイトまだ治りきってない!」

そう聞こえたけど俺は足を止めなかった。


「こちらに早く!」

インテリストもヒューニストも慌てた様子でシェルターに入る。

(インテリストは特に暴れそうな素振りはない。うん?)

先ほどの爆発でガラスが砕けて外から声が聞こえてくる。

「同志たちよ立ち上がれ!解放の時は来た!」

「志同じくする者よ、我々に続け!」

「不当に我々を扱ってきたものに鉄槌を!」

そんな声が聞こえてきた。

「そんなことをここで言ってもしょうがないのに、きゃっ!」

床が抜け落ちそうになるなんとかひとつ下の階に着地する。

(早くフォロー行かなきゃいけないのに)

その時コーランが鳴った。シオンさんだ。

「|ソウカ!ポイントα-0777で暴走が発生。いま装備をそっちに送ってる、ナンバーゼロだけないけど|」

「ナンバーゼロはレイトが持ってます。」

外での声が変わった。レイトが制圧に動いたみたいだ。

「|こちらR2意識を持って自分の意志で破壊行為を行うインテリストと、交戦中|」

つまりこれは、

「|第1パターンの暴走と判断、レイト無力化を|」

「|分かってるけど、数が!うわっ!|」

爆発音が通信から聞こえてくる。

「|プライベートモードに切り替えた。ソウカあなたはポイントα-0800に向かって|」

「この場の鎮圧を彼一人に?まだ怪我も完治してないのに」

「|時速4000kmでそちらに向かっている飛翔体があるのそっちの対処に向かって”R1”|」

「…了解しました。でも間に合わないのでは?」

「|外にヘリが、もう着く|」

それと同時にヘリのプロペラ音がする

「了解」

垂れてきたタラップを上っていると2つの小さな影がレイト目掛けて飛んでいった。私はファーストナンバーを受け取り席に座る。


40人以上のインテリストに囲まれ、少し焦っていた。

{3:レイト!}

空から2つ何かが飛んできた。

{3:僕を使って}

「マイスリー…?。わかった。」

「{3:デュアルコールナンバーゼロスリー}」

発声と同時にナンバースリーが展開され青いラインがナンバーゼロの各所に入る。

メットパーツの形が少し変わりゴーグルが装備された。

頭の中にイメージされたのはあの日苦しめられた銃。

生成されたのはそれとは違う青と黒がベースの銃「ドライシューター」を掴む。

「ゼロスリーアクティブ」

インテリストたちが気圧されたように後ずさる。

「あっ相手は一人なんだやっちまえ!」

おぉ!っと呼応する。それと同時に旧型ロボット群が現れる。

インテリストたちと旧式ロボットの大群を前に考える。

(俺、銃使ったことなくね…)

{3:ホーミングモードがあるから}

マイスリーがそう返してた。

「…分かった」

突撃してくるインテリストたちとロボット群をジャンプをして躱す。ドライシューターのモードを切り替えるつまみを回す。

ホロウウィンドウにインテリストたちがターゲットされる。トリガーを引くと三叉に付いた銃口から放たれたエネルギーが変則的に動きターゲットしたロボットのコア、インテリストの持つ武装を撃ち抜く。発砲の反動から立て直すのに少し時間が取られたが、インテリストたちもダメージが大きいようで隙が生まれた。

「|レイト君聞こえるかい?|」

「トウミさん?どうしたんです?」

「|インテリストの捕縛用のエネルギー収束パターンをナンバースリーに付与するデバイスができた。そちらに転送する。|」

距離を取りつつ、送られてきたプログラムのダウンロードを待つ。

「|ボイスコマンドはウィールウィップだ。|」

「撃つにしてもロボットをどかさないと」

ロボット群が突撃してくる。それを捌きながらも現状の打開策を探すが、

「今だ、囲め!」

インテリストたちが俺の周りを囲みながら近づいてくる。

{3:上に!}

{0:上だ!}

その声に反射的にロボット群を踏み台にして大ジャンプをする。

「威力抑えて範囲攻撃みたいなのない?」

{3:銃をロボットたちに構えながら並べて}

空中で銃2つを横に並べる。

{0・3:マーシーボム!!}

ロボット群を中心に光と熱が広がる。

インテリストたちの輪の外に着地すると同時に呟く

「ウィールウィップ」

光線による輪っかが彼らを拘束した。

「こちらR1建物の外のインテリストを無力化しました」

「|お疲れ、レイト。身体の方は?|」

通信にでたのはヨウセイだった。

「全然平気、まぁ疲れはしたけど」

「|ふふっ。ほんとに平気そうだね。念の為建物の中の安全を確認してもらえるか?|」

外を覆っていたガラスが割れた建物方を見る

「了解。…ソウカさんどうなった?」

「|さぁ?詳しい情報は分からない。しかし、ひどいな巻き込まれた人にとっちゃ地獄だな|」

「同感。とりあえずデパート見てくる」

「気をつけてね」


「ユウマ。明日、君にレゾナンスモジュールの回収をお願いしたい」

マヤがそんなことを言ってきた。

「話聞くからちょっと待ってくれ」

作った煮込みハンバーグを皿に盛り付け食卓に出す。

洞窟の中とはいえこれくらいのものなら今の技術で簡単に作れる。

「んでレゾナンスモジュールを回収しろって?こないだは回収しなくていいって言ったのに?」

「事情が変わったからね」

そういってコンフューズのトップ”マヤ”はハンバーグに手を出そうとする。俺はその手を叩く。

「先に手を洗ってこい。こんな不衛生な場所なんだから体に気を使ってくれないかな?」

「…はぁ〜い。あっ!そうだ!ナンバーフォーの適応体できたから実戦運用もよろしく!」

トボトボと手を洗いに行ったマヤは急にテンションをあげてそう言ってきた。

「あれでほんとにアラサーかよ…」

そんな自分の恩人を見送る。

「はぁ、明日のコンフューズの過激派の暴動を陽動に使わせてもらうか」

マヤが立てたコンフューズだが、そのすべてを掌握できているわけではない。これだけ大きい存在になると、名前だけ使って暴れたいやつもいるのだ。どうせそういう膿は消えてもらった方がインテリストの社会的地位向上に多少は繋がるだろう。明日の作戦とも言えないプランを考えていると

「よしっ食べよう!」

フォークとナイフを持って席に座ったマヤがいつの間にかにいた。

「いただきます」

「いっただきま~す」

その2つの言葉を最後にしばらく声が洞窟に響くことはなかった。


(というか、ナンバーフォーってもとから意思疎通できるのにわざわざ適応体作ったのか…。というか、結局なんで回収するのか聞くの忘れたな。まぁ、マヤにも考えがあるんだろ)

過激派により破壊された建物を歩きながら相手への対抗策を準備していく。ナンバーツーとナンバースリー。本来の性能どおりならナンバースリーを近接で仕留めればいいのだが、先ほどの過激派との戦いを見る限り近接格闘くらいならこなせるほどには運動性能が上がっている。

「やつの攻略は不可能じゃないか…」

歩いてくるもう一つの音が聞こえてきてそんなことをつぶやいた。


「こちらR1。迎撃目標地点に到達」

ガーディワンを身に着けた私は本部に報告する。

「|こちらでも確認が取れた。迅速な移動に感謝します|」

通信から伝わるシオンさんの声は緊張していた。

「|目標との会敵予想時刻4分44秒後|」

不吉な数字に気味が悪くなるがそれでも異常な速度で迫る飛翔体の被害を最低限にしなければいけない。

「|オプションとしてアンカーを付けておいたわ。高度と進行方向は現在迎撃しながら変更させているわ。作戦でもう聞いているでしょうけど、飛翔体をあなたに真正面に突っ込む形にしてそれをあなたが受け止める。負担をかけるけどお願いね|」

「了解」

兄さんはこんな作戦をきっといくつもやって成功させてきた。なら私が失敗していい理由にならない。絶対に成功させる!

|作戦まで残り3分2秒…|


デパートの中をガラスに気をつけながら歩いていると俺より少し年上の男の人が俺の方に背を向けて立っていた。

「こんなところに立ってたら危ないですよ!早くシェルターに」

駆け寄りながら声をかけるが振り返った彼が俺に向ける目は冷たいものだった。

そんなのお構いなしで近づき彼の左右の安全を確認する。ほっとして彼を見る。

「とりあえず大丈夫みたいですね。でもここは危険です急いでシェルターに向かいましょう」

彼を伴って移動しよう歩き始めると彼に思いっきり引っ張られた。それと同時に俺がいた場所に崩れたコンクリが落ちてきた。

「あ、ありがとうございます。すぐそこのシェルターが空いてるみたいなんでいきましょう。」

「いや、その必要はない」

{0:っ!レイト気をつけろ}

ゼロクスの言葉に彼から急いで距離を取る。

「そう、警戒しないで。ただ渡してほしいものがあるだけなんだ」

「渡してほしいもの?」

「あぁ。君のもつレゾナンスモジュールをね。レゾナンスモジュール(レゾナンス)の適合者(ドライバー)

「あなたは一体何者なんです?」

彼はポケットから何かを取り出す。

「そんなのバカ正直に答えるわけ無いだろ?」 

{0:ごもっともで}

「とりあえず渡してもらえる?」

「そんなの渡せるわけ無いだろ。そもそも俺にも貸与って形なんだから。こないだ呼んだ契約書に書いてあったもん」

{0:お〜い。守秘義務どこいった〜}

「あっ」

そんなやり取りにため息を付いた彼は右手を大きくこちらに突き出してきた。

「君と喋ると調子が狂う。だから君にはもう付き合ってられない。だから」

冷たい声はより温かみを感じられなくなり告げた。

「力ずくで奪う。コール。0.5(ゼロポイントハーフ)


レイト(17)・・・レゾナンスモジュール「ナンバーゼロ」”ゼロクス”の適合者。民間インテリスト対策母体「ICC」の物資補給の予備役。レゾナンスモジュールの適合者としてICCに協力する。


レゾナンスモジュール「ナンバーゼロ」・・・インテリスト対策用に古代遺物を使用し制作されたゼロ型、レイトが初めての適合者。意思を持った機械でレイトを弟のように接する。ずれた発言を結構言う。”ゼロクス”の愛称で呼ばれる。


ソウカ(22)・・・ICCの第1部隊の隊員。その正体はレイトが追いかけていた緑色のアーマーを持つレゾナンスモジュールの使い手、R1だった。戦闘時は「アインズシールド」という大型盾を使用する。レイトのことを弟のように思っている。一方で彼の母親を持つ破壊したのにも関わらず、何事もないかのように彼に接していることを後ろめたい思いを持っている。レイトから好意を寄せられているが気づいていない。


シオン(28)・・・ICCの社長。レゾナンスモジュールナンバーゼロ”ゼロクス”の開発者...。冷たい言い方をすることがあるので誤解されやすい。


ヨウセイ(24)・・・レイトの保護者その2。セントラルキャンパスを卒業した優秀な人物。レイトに勉強を教えているまたソウカへの恋愛相談も請け負っている。元教師志望。


ユウミ(32)・・・ICC第3部隊隊長。いたずらっ子の猫を思わせるオトナな感じの女性。その実かなり肝っ玉な性格。インテリストの暴走で夫を亡くしその後第4部隊の隊長のソウスケと結婚するも離婚している。


ソウスケ(35)・・・ICC第4部隊隊長。豪快な性格で女遊びが激しく(これが原因でユウミと離婚)美女に弱い。細かいことは苦手であり部下と共に前線に出向く直情タイプ。今でもユウミの事を愛している。


スミレ(24)・・・ICC第1部隊の隊長。諜報や情報収集がメインで前線にはあまり出ない。女性でありながら口調は男性的で人の感情の機微に聡い。


アニス・・・隣国「レウニス」からの移民。彼女の故郷の村はインテリストにより焼き払われた。ソウカとは親友同士。


レゾナンスモジュール「ファーストナンバー」・・・R1と行動を共にするレゾナンスモジュール。R1からは”ガーディワン”と呼ばれている。紳士的な口調が特徴。

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