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zeroシンパシー  作者: ハルト
レゾナンスモジュール編
4/8

エピソード4「レゾナンスモジュール取扱説明書」

「||」・・・通信での会話


「」・・・肉声での会話


{}・・・モジュールの発言


()・・・登場人物の主観的感情・思考


を頭の片隅に入れてお読みください。

ソファに座りなおすとドアをノックされた。

「どうぞ」

ドアは開かれずそのまま向こう側から声が聞こえた。

「社長そろそろMoNiとの定期会合に向かう時間です。」

「分かったわ。この車で直接向かってちょうだい。」

「よろしいのですか?」

「今少し立て込んでてね」

シオンさんはいたずらっぽくこちらにへたくそなウィンクをする。

「ではそのように。」

人がはなれていくと

「先ほどの話の続きをしましょうか。」

「...何の話でしたっけ?」

「それ、レゾナンスモジュールの事よ。」

シオンさんはフワフワ浮いてる、ナンバーゼロを指しながら言った。

「何が目的で誰が作ったものなのか。体に害はあるのかないのか、あと個数とか。」

俺が知りたいことを言っていくと、

「そんないっぺんに答えられないわよ。質問には答えるけど、ここで聞いた話は口外禁止よ。」

そう念を押された、

「まず、ナンバーゼロ、それは()()()()()()()()レゾナンスモジュールなの」

そう告げれてソファから落ちてしまった。座りなおして

「レ、レゾナンスモジュールの開発者⁉あなたが⁉」

「そうよ」

澄ました顔でシオンさんが答える。

「ソウカさん、知ってました?」

「えぇ、初めて知った時はさすがに私も驚いて椅子から落ちたけどね。あと体に害はないと思うよ。」

「なぜそう思うんです?」

そう返すとソウカさんは焦ったように

「R1と話す機会があって体調に問題はないって言ってたから。うん、それ以外に特に深い意味はないよ~」

「はぁ、それならいいんですが…。」

変に思いつつ今はスルーした。

「レゾナンスモジュールの制作目的はインフィニットフロウの兵器転用のテスト、対インテリスト対策用の装備の制作、そして謎の出土品の調査の3つよ」

「出土品?なんか掘ったんですか?」

彼女は大きくうなずき話を続ける。

「12年前、ある遺跡が発見されてそこから出土品が出たの。それほど大きくはなかったんだけど、それは壊れていたんだけど現在の技術で修復が可能だったの。修復して解析したら中には全部で10個の設計書が入っていたの。」

「なんかのメモリーディスクだったんですかね」

「かもしれないわね。それでその中に永久機関であるインフィニットフロウ、そしてそれを用いた兵器、レゾナンスモジュール9種類のデータが入っていたの」

「インフィニットフロウの設計書!?とんでもないお宝じゃないですか」

インフィニットフロウはいわゆる永久機関で現在この国”チェーベル”のインフラを一挙に担う発電装置の要だ。()()()()()監視も理論上必要ない。

その上莫大なエネルギーを生み出す魔法といってもいい装置だ。

この国にいる13億人ものインテリストがエネルギー不足に陥ることもなく生活できているのはこの存在が大きい。ちなみにこの13億という数字はこの世界にいるインテリストの約半分に当たる。

しかし良いことばかりではなく、この国はインフィニットフロウの設計書を開示していないためかはたまたエネルギーを格安で貿易しているからなのか、近隣の”アークル”や最近力をつけている”シグルス”などに狙われている。一部テロリストは彼らからの工作員とのうわさもある。

「そうよ、インフィニットフロウ。これの我が国における貢献度はすさまじいものだったわ。そして私はMoNiの前議長から出土品内のデータにあったインフィニットフロウを組み込んだ強力な装着型兵器、レゾナンスモジュールの制作を依頼された。」

「私はまず試作型の制作を開始した、そして完成まであと一歩まで行ったのよ。」

「完成してますよね?そこにフワフワしてますし。」

ナンバーゼロの方を見るが

「ナンバーゼロは試作型ではないのよ。既存の武器を用いて制作された試作型は運用自体は可能だったの。でもインフィニットフロウの出力が高すぎて既存の武器との相性が悪いの。」

「じゃあレゾナンスモジュールの武器はどうやって準備したんです?」

「...実はすべてを解析できてなくて、ブラックボックスの範囲だから分からないんだけど。おそらくインフィニットフロウのエネルギーを武器に変形して、しかもそれが既存の武器を超える性能を持っている。そんな感じじゃないかしら」

(そんなことがあるのか、ていうかふわっとし過ぎ!)と思っていたが、そんなことお構いなしにシオンさんは話をつづけ、

「兵器としては失敗よ、武器もない装甲の強度も求めていたもの以下。あげくコストもかかる。完成品を渡したけど当然向こうはカンカン。」

「次回の納期に間に合わせるためにその出土品自体を改造する設計図があったの、それが…」

「ナンバーゼロ...」

「でも、適合者が出ないし、量産はできないし、武器はないしの無いないづくしで…。」

「そしてMoNiにすぐさま次を求められたわ。私も自分に後がないと思っていたから急いで設計書1番初め”ファーストナンバー”の研究を進めたのよ。その結果分かったの。」

「レゾナンスモジュールの適合者はいずれ戦い合う運命にあるとね...。」

「戦い合う運命...。」

俺はR1それと顔も知らないの誰か数人と戦い合う運命にある。そんな馬鹿な...

「何のためにです?」

怖くなって聞くと、

「分からない。そうデータに書いてあったからとしか言いようがないわ。」

「怖くなった私は研究の凍結を打診したわ。しかし研究は進められた、私はファーストナンバーの完成前にプロジェクトを降りた。そしてMoNiをクビになった。そこで議長が変わってレゾナンスモジュールのテスト用に特別にこのICCの設立とその社長に私を抜擢したの。でも7年前強制覚醒実験で2~7のレゾナンスモジュールの所在が不明になってしまった。ちなみに現在のICCの目的はこの行方不明のレゾナンスモジュールの捜索と確保よ。」

「途中から私の話になっちゃたわね。君の質問に答えると、数は全部で7個、目的は軍事利用、体に害はないわ。」

「はぁ、ありがとうございます。」

「話し終わった?」

途中から寝ていたらしいソウカさんが聞いてきたので

「はい終わりましたが?」と答えると、彼女はパンッと手を叩き

「あのね、私考えてたことがあるの。ナンバーゼロって毎回呼ぶのも味気ないでしょだから名前つけてあげたらいいんじゃない。」と言ってきた。シオンさんはくすっと笑って

「本人に聞いたら?」

と言ってきたので

「名前とか付けていいか?」

と聞くと、

{別に好きに呼んでもらってかなわないが...。どうせならかっこよくしてくれよ}

と言ってきて。(ええ~俺ネーミングセンス皆無なんだけどなぁ)と思いながらも一つ浮かんできたものがあった。

「じゃあ、ゼロクスってのは?」

{ゼロクスか、悪くないな}

「このやろー」

突こうとすると、

「社長、MoNi総合本部に到着いたしました。」

と外から声が聞こえてきた。

「私はこれから会合だからあなたたちは先に本部に戻っておいて、あと誰か迎えによこしてね」

と言ってシオンさんは降りて行ってしまった。

「帰ろっか!」

ソウカさんが運転席の方に乗ったので助手席に座る。

軽快なエンジン音を出しながらトラックは走り出した。 to be Continue...。

レイト・・・レゾナンスモジュール「ナンバーゼロ」”ゼロクス”の適合者。民間インテリスト対策母体「ICC」の物資補給の予備役。レゾナンスモジュールの適合者としてICCに協力する。


レゾナンスモジュール「ナンバーゼロ」・・・インテリスト対策用に古代遺物を使用し制作されたゼロ型、レイトが初めての適合者。意思を持った機械でレイトを弟のように接する。ずれた発言を結構言う。”ゼロクス”の愛称で呼ばれる。


ソウカ・・・ICCの救助実働隊の予備役。レイトのことを弟のように思っている。後方で避難者の保護やけが人の治療などを行う


シオン・・・ICCの社長。レゾナンスモジュールナンバーゼロ”ゼロクス”の開発者...。冷たい言い方をすることがあるので誤解されやすい。



R1・・・緑のアーマーと大型の盾「アインズシールド」を持つ適合者。5年前レイトの母親代わりのロボットを破壊した(らしい)。

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