第3話「蓄積」
「前回のあらすじ」
「何の取り柄もなく人生に絶望したベティーに謎の美少女"プリズム"が仲間に加わる」
プリズム「ベティーの生きる意味を探す旅が今、始まる───」
ベティー「そんな壮大じゃないんだが。あらすじご苦労様」
ベティー「相変わらず辛辣だなプリズムは」
プリズム「なかなか変えられないもの、一度そういうキャラで通すと」
ベティー「ああ…そうだね」
ベティー「さて、まずはディレイの所戻らないと」
プリズム「それならボクに着いてきて」
ベティー「おっけー」
ベティー「ここは…マック?」
プリズム「うん」
ベティー「マックにディレイいるの?」
プリズム「違う。お腹空いたから何か買って」
ベティー「おい!」
プリズム「ボクお金持ってない」
ベティー「(俺だって現金あるか分からないぞ…メルペイで払えばいいか…)」
プリズム「入店、ポテナゲだー」タタタッ
ベティー「おい待てって!てかポテナゲは5時からだぞ!」
ウィーン
プリズム「あ、エンカウント」
ベティー「え?」
コール「うーん何にしようかなぁ」
ベティー「(あ…コール)」
(コール「コールむりやりなんてやってないもん…」)
ベティー「(この前のあれ、嫌に思われたかなぁ…)」
プリズム「わー」バッ
コール「うわぁっ!プリズムちゃん…!」
プリズム「コールに朗報、そこの変態がご馳走してくれるって」
ベティー「コラ!変態とか言うな!」
コール「え?あっ!」
コール「この前の"変な"おにいさん!」
ベティー「」グサッ
ベティー「(まあ変に思われて当然か…)」
ベティー「てか、俺はまだ何も…」
コール「ごちそうしてくれるの?やったー!」
ベティー「うっ…まあいいか」
プリズム「夢のポテナゲ特大、今ならいける」
ベティー「プリズム、ポテナゲは5時からだからな」
プリズム「え、ガーン」
ベティー「ははは…セットにしたら?ナゲット買うからみんなで食べよう」
プリズム「いぇーい」
コール「ねえねえ!コール、マックフルーリー食べたい!いいでしょー?」
ベティー「お、おお!何でも頼んでいいぞ!」
コール「わーい!」
ベティー「(俺の金が…まあいいか)」
コール「おいしー!」モグモグ
プリズム「かもー」モグモグ
ベティー「(こいつら人の金だからってバンバン注文しやがって…)」
ベティー「(3360円もしたぞ…容赦ねぇ)」
プリズム「…………」パクパク
ベティー「マックでヨーグルト食べてる人初めて見たんだが」
プリズム「このヨーグルト、おいしい」
プリズム「一口…やっぱりだめ」
ベティー「え?ああ、いいよ」
コール「一口ちょうだい!」
プリズム「ほい」
コール「あーん、甘くておいしい〜」
ベティー「(うわ、尊い…)」
プリズム「あ、今性的な目でボク達のこと見た」
ベティー「見てねぇから!」
コール「せいてき?」
プリズム「変態ってこと」
コール「ベティー、へんたいなんだ」
ベティー「ちげぇよ…」
プリズム「じゃあロリコン」
ベティー「ロリコンじゃ…ない」
プリズム「あ、一瞬迷った」
ベティー「違うから!本当に違うから!」
プリズム「ぷぷぷ、どうだか」
コール「あはは!おもしろーい」
ウィーン
ベティー「うわ、真っ暗だ。すっかりポテナゲが販売されてる時間になっちゃったな」
コール「え!?はやく帰らないと!」
コール「じゃあね!プリズムちゃん、ベティー!」
コール「マックおいしかったよ!ありがとー!」
ベティー「うん、気をつけてね」
ベティー「…さて、俺たちも帰るか」
プリズム「うん」
ベティー「(あれ?そういえばこの世界って俺の家どうなってるんだ…?)」
プリズム「ベティーの考えてる事、わかる」
ベティー「え?」
プリズム「結論、ベティーは住所不定無職」
ベティー「マジかよ…」
プリズム「だから元の世界に一旦帰って」
ベティー「!」
ベティー「そういえば、俺が誰だか、どこから来たのか分かるの?」
プリズム「当たり前」
ベティー「そっか」
ベティー「なあ、プリズムの家泊めてくれないか?」
プリズム「ふん、情けない」
ベティー「と言っても俺家ないし…」
プリズム「帰ればいい、元の世界の家に」
ベティー「………あ!じゃあプリズムが俺の家に来てよ」
プリズム「変態」
ベティー「なんでだよ!」
プリズム「長い長い導入を経てようやくって所?」
ベティー「は?」
ベティー「…おまっ!違うから、本当に!」
プリズム「どうだか」
ベティー「…………」
ベティー「怖いんだよ。リセットされるのが」
ベティー「もしまたこの世界に来た時、最初からになってたら…」
ベティー「いや、なんならもう来れないかもしれない」
プリズム「…………」
ジャラジャラ
プリズム「はい」
ベティー「何これ、懐中時計?」
プリズム「持ってて」
ベティー「これ持ってると何かあるの?」
プリズム「……保証はできない。でもそれを持っていればきっと」
プリズム「絶対に無くしたり壊したりしないで」
ベティー「わかった」
プリズム「あと、絶対にやってはいけない事を覚えておいて」
ベティー「ああ」
プリズム「この世界で日を跨いだらだめ、絶対に」
プリズム「必ず日付が変わる前に元の世界に戻って」
ベティー「どうして?」
プリズム「ぶー、質問は受け付けない」
プリズム「でもそれさえ守ってその時計を持っていれば大丈夫、多分」
ベティー「多分ね…」
ベティー「なんか、色々とありがとう。本当に」
ベティー「この世界に来てから誰とも仲良くなれなくて、ずっと孤独だった」
ベティー「もしプリズムがいなかったら今頃どうなってたことやら…」
プリズム「ぷぷぷ、ボクに頼らなきゃ何もできないダメ人間」
ベティー「そうだよ。何もできない、だから本当に感謝してる」
ベティー「まあ最初は酷い奴だと思ってたけどね」
プリズム「あの程度で酷い奴だなんて、ベティーメンタル弱すぎ」
ベティー「いや酷かったからなだいぶ…」
プリズム「愛のムチ」
ベティー「なのかな…?あ、そうだ」
ベティー「次会う時、3回目だよな?」
プリズム「うん」
ベティー「記憶が引き継がれてるか確認する為に、次会った時何回目か聞くから」
ベティー「ちゃんと3回目って答えてほしい」
プリズム「わかった」
ベティー「わざと2回目とか言う意地悪ほんと無しだからな?」
プリズム「ボクそこまで酷くない」
ベティー「いや信じてるけどさ。頼んだよ」
プリズム「しょうがない」
ベティー「よし、じゃあそろそろ帰るか」
プリズム「じゃあ」
ベティー「うん、また」スタスタ
プリズム「………」
ベティー「………」クルッ
プリズム「………」
ベティー「どうした?帰らないの?」
プリズム「いや…」タタタッ
ベティー「………」
ベティー「(会えるよな…また)」
ベティー「(さて、公園に到着っと)」
スウウゥゥ
ベティー「この世界に戻ってきちゃったか…」
ベティー「…………」
ベティー「(向こうで日を跨いじゃいけないって言ってたな…どういう事だろう)」
ベティー「(まあいいや、帰るか)」スタスタ
ベティー「はぁーあ」
ベティー「(向こうの世界で暮らしたいなぁ…)」
ベティー「(でも向こうには住む所ないし、日跨げないし)」
ベティー「(もし跨いだらどうなるんだ…?もしかしてこっちの世界に強制送還されて一生向こうに行けなくなるとか?)」
ベティー「(おっそろし…)」
ベティー「(まあとにかく明日も仕事終わったら行こう。そうだ、毎日通えばいいだけじゃん)」
ベティー「…………」ジャラジャラ
ベティー「(そうだ、この時計は何の意味があるんだろ)」
ベティー「(分からないけど大事にしておこう)」
翌日 夜
ベティー「(やっべ!遅くなってしまった!)」
ベティー「(向こうももう暗くなってるよな…みんな家に帰ってるだろうなぁ)」
ベティー「(一応行ってみるか)」
スウウゥゥ
ベティー「(さて、いつもの公園だけど)」
ベティー「(やっぱり誰もいないか…まあそりゃそうだよなぁ)」
プリズム「あ」
ベティー「あ」
ベティー「プリズム!良かった!会いたかった」
プリズム「久しぶり、この前死んだ人」
ベティー「何言って…は?」
プリズム「何」
ベティー「…………」
ベティー「あのさ…俺たち会うの何回目だっけ」
プリズム「2回目」
ベティー「…………」
ベティー「はっ……?」
続