第2話「仲間」
ベティー「はぁー、この前は初めて二次元に行ったけど」
ベティー「なんなん?俺不憫すぎない?」
ベティー「夢系ってチヤホヤされるもんかと思ってた」
ベティー「なんか悔しいしもう一回行ってみるかぁ」
スウウゥゥ
ベティー「(この前の公園に到着)」
ベティー「(でも今度はどうやって話しかけようかなぁ…)」
プリズム「あ」
ベティー「あ」
プリズム「久しぶり、この前死んだ人」
ベティー「いやおかしいでしょ」
ベティー「あれ?てか俺のこと覚えてる?」
プリズム「変人すぎて記憶に深く刻み込まれた」
ベティー「まじか」
ディレイ「プリズムちゃん、何して…あ!」
ベティー「ディレイ」
ディレイ「この前の…」
ベティー「(覚えてるって事はやっぱり前回の続きからか…)」
ベティー「(俺この前どんな風に出会ったっけ…)」
ベティー「えっとー…どうも」
ディレイ「この間は大丈夫でしたか?」
ベティー「全然大丈夫だったよ」
ディレイ「ならよかったです」
ベティー「(とりあえず一旦離脱して作戦練るか)」
ベティー「じゃあ俺はこれで…」
ディレイ「あ、はい」
プリズム「バイバイ変人」
ベティー「変人とか言うな」
プリズム「じゃあ変な人」
ベティー「ありがとう、すごく嬉しい」
ディレイ「(やっぱり変な人…)」
ベティー「(どうしようかなぁ)」
ベティー「(どうせ誰と話した所で変人扱いされるだけだし)」
プリズム「俯くの好きだね」
ベティー「うわ!」
プリズム「そんなに驚かれると、ボクもびっくりしちゃう」
プリズム「うわー」
ベティー「お前も結構変わってるよ…」
ベティー「てか何?なんか用?」
プリズム「あ、敵意丸出し」
プリズム「良くない、そういうの」
ベティー「いや敵意とか無いつもりなんだけど…そういう風に見えちゃうのかなぁ」
プリズム「見えた」
ベティー「そっか、ごめんね」
ベティー「それじゃ」
プリズム「だめ、行ったら」
ベティー「一体なんの…はっ」
ベティー「(もしかして俺が死ぬ未来を見てしまって止めようとしてくれてんのかな)」
ベティー「(よくあるやつじゃん。さすが二次元)」
ベティー「そういう事なら…」
プリズム「?」
ベティー「死んでやるぅぅぅぅぅうううううう!!!」タタタタ
プリズム「あーあ」
30分後
ベティー「何も起きませんでした」
ベティー「(結局なんの用だったんだろ…)」
ディレイ「プリズムちゃん、どこ行ったんだろう…」スタスタ
ベティー「(あ、バッタリ)」
ベティー「(でもどうせ話す事ないしなぁ…話しかけなくていっか)」
プリズム「はい、遠慮した」
ベティー「うわ!」
プリズム「うわー」
ベティー「なんなんだよ!ほんとびっくりするからやめてくれ」
プリズム「後ろにいた、ずっと」
プリズム「気づかなすぎ」
ベティー「分かるか!」
ベティー「てか何?なんで着いてくんの」
プリズム「嫌?」
ベティー「嫌じゃないけどなんなの?俺のこと好きなの?」
プリズム「きも」
ベティー「だるっ」
プリズム「ほんときもい、すぐ好きとかなんとか」
ベティー「分かった分かった。悪かったね」
ベティー「じゃ」スタスタ
プリズム「…………」スタスタ
ベティー「…………」
ベティー「何?なんなの?」
プリズム「事案」
ベティー「え?」
プリズム「成人男性と女子小学生、事案」
プリズム「この状況、警察に突き出せば…」ニヤニヤ
ベティー「お前が勝手に着いてくるんだろ…」
プリズム「それでも事案は事案」
ベティー「『世の中って理不尽だなぁ』べてを」
プリズム「『つまらない』ぷりこ」
ベティー「ぷりこは草」
プリズム「草って表現、オタクっぽいね」
ベティー「そうだね」
プリズム「まともになりなさい」
ベティー「はい」
プリズム「ベティー、ほんといい所ない」
ベティー「なんなんだよほんと…悪口言うために着いてきてんの?」
プリズム「そう、貶したい」
ベティー「だるこいつ」
プリズム「ボク、ベティーの心へし折りにきた」
ベティー「こんな最悪の動機初めて見たわ」
プリズム「バーカバーカ、能無し」
ベティー「つら」
プリズム「雑魚メンタル、除け者」
ベティー「ひでぇなこいつ」
ベティー「でも分かってないなぁプリズムちゃん」
プリズム「…!?」
ベティー「そんなあからさまに心を折られにくると寧ろ折れなくなっちゃうんだよなぁ」
ベティー「言われれば言われるほど負けてらんないってなるんだよ」
ベティー「さあレパートリーが尽きるまで悪口を聞こうか」
プリズム「大人気ない」
ベティー「大人気ないよ??」
プリズム「小学生相手に張り合うの?」
ベティー「張り合うよ」
プリズム「ふーん」
プリズム「つまんない、飽きたから帰る」スタスタ
ベティー「イェーイ勝ったぜ!」
プリズム「ちっ………」スタスタ
ベティー「ちって…」
ベティー「(なんなんだあいつ…)」
ベティー「はぁー」スタスタ
ベティー「(それにしても、プリズムには驚いたわ…)」
ベティー「(あんな暴言女だったとは。嫌いになりそう)」
プリズム「…………」スッ
ベティー「うわぁ!またかよ!」
ベティー「もういいって、なんなんだよほんと。しつこすぎない?」
プリズム「違う」
ベティー「は?」
プリズム「違う、本当は」
ベティー「もういいから。着いてこないでくれ頼むから」
プリズム「自信を持ってほしかった」
ベティー「え?」
プリズム「さっき言ってた、悪口を言われるほど負けてられないと思えるって」
プリズム「その感覚を覚えてほしかった」
ベティー「いやーそうは言うけど結構傷つくよ」
プリズム「ごめん…」
プリズム「ボク、落ち込んでるベティーを勇気づけたかった」
ベティー「ありがとうだけどやり方エグいな」
プリズム「きっとまっすぐに励ましても届かない」
プリズム「だって、ボクはベティーのこと全然分かってない」
プリズム「そんな安い言葉で励ます事ができるのか…」
プリズム「だから、ボクがちゃんと見てるって事を分かって欲しかった」
プリズム「ベティーはメンタル弱くてコミュ障で馬鹿で無能で取り柄見つけるのに苦労する生きてる価値ないゴミみたいな人間だけど、それでも応援してるって知って欲しかった」
ベティー「マジで酷いなお前」
プリズム「それだけ見てるってこと」
ベティー「そうですか。クソみたいな励ましありがとうございます」
プリズム「間に受けないで、全部冗談」
プリズム「ボクも本当に変人、つい真顔でボケちゃう」
プリズム「時々自分でも自分が何言ってるのか分からなくなる時がある…」
プリズム「でも元気出して欲しかったのは本当、信じて」
ベティー「ありがとう。てか別に落ち込んでないけど」
プリズム「自分ではそう思ってるだけ、憂鬱な自分を見ないふりしてるだけ」
プリズム「ボクには分かる」
ベティー「そうだとしても、なんで励ましてくれるんだよ」
プリズム「見たくない」
ベティー「は?」
プリズム「誰かの落ち込む姿や苦しんでいる所なんて見たくない、こっちまでつらくなってくる」
ベティー「優しいんだね」
プリズム「別に、当たり前」
ベティー「でも、ありがとう。ぶっちゃけ罵られて普通に凹んだけど元気出してほしいって言ってくれただけで嬉しかった」
プリズム「バーカ、他人に頼れないチキン」
ベティー「どんだけ言うんだよ…」
ベティー「まあ、すっかりプリズムに元気もらったんでもう大丈夫ですわ。じゃあ本当にこれで」
プリズム「待って、まだ」
ベティー「なんだよ…」
プリズム「テッテレー、ベティーに仲間が一人増えた」
ベティー「え?」
プリズム「人生という旅路に仲間は必要不可欠」
ベティー「なんだ急に」
プリズム「だからボクが一緒にいてあげる」
ベティー「え、何?プロポーズ?」
プリズム「きも、ほんときもい」
ベティー「ごめんて」
プリズム「とにかく、みんなと仲良くなりたいのは見え見え」
プリズム「ベティー1人だとただの不審者だけど、ボクがいるだけで印象段違い」
プリズム「果たして変態コミュ障ベティーはみんなの輪に入れるのか、次回へ続く」
ベティー「勝手に終わらせないでね」
ベティー「でも、実際誰かが一緒にいてくれるだけで心強いよ。ありがとう」
プリズム「ぷぷぷ、小学生に頼るなんてダメな大人」
ベティー「いやでも頼りにしてる。俺には現状プリズムしか仲間がいない」
プリズム「ボクがいてよかったね」
ベティー「本当にね」
ベティー「それじゃまずはディレイからかな。一番親しみやすいし」
プリズム「変人の物語が今、始まる」
ベティー「だから変人言うなって」
プリズム「変な人」
ベティー「ありがとう」
プリズム「やっぱり変だね」
ベティー「お互いにな」
ベティー「じゃあ行くか」
プリズム「うん!」
終