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仮 3月の冷たい雨  作者: 春咲桜
18/25

責任 2

「疲れているみたいだけど、何かあったの?」


子供たちがいなくなったころを見計らって、洗い物をするまひろに問いかけた。


「そうね、今度渚の幼稚園で運動会があるのよ」

A4の用紙には大きく運動会の文字がある。

その紙を持ったまま、まひろはテーブルに腰を掛けた。


「ここ、みて」


指をさした先には“父親参加競技 二人三脚”とある。

今まで運動会に父親が参加することはなかった。

おそらく学年が上がったことで新しい競技も増えたのだろう。


「運動会はいつなの?」


「来月の第二土曜日。でも俊、仕事でしょう?」


たしかに土曜日は仕事が入ることが多い。

まだアポはないものの、さすがに厳しいだろう。


「いや、有休を使えないか、調整してみるよ」


ダメ元になるかもしれないが、大切な娘のためである。

ここは、しっかりと父親としての責任を果たさなくてはいけないと少々無茶をしてしまった。





翌朝、部長の元へと向かった。


「土曜日?!アポは無いのか?」


少々驚きを隠せない部長に、申し訳なさを滲みだしながら話を進めた。


「娘の運動会は初めてなもので・・・どうかお休みを頂けないでしょうか」


「まあ、有休は使うためにあるものだからな。休んでも良いが、しっかり仕事をした上で、だな。頼んだよ」


「はい。ありがとうございます」



よかった・・・


これで渚の運動会に行ける。


それにしても世の中の父親は本当に大変だと思う。

役職が付き始め、子供との時間が減っていくのも無理はないが、仕事とプライベートの時間を天秤にかけるのは難しい。


「ふう・・・」


思わず、ため息が漏れてしまった。

書類の束に目を移して、またもため息が漏れた。



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