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仮 3月の冷たい雨  作者: 春咲桜
14/25

手伝い

会社の窓から、きれいな青空が顔を出している。

「いい天気っすね~~」


楠さんの打ち合わせ準備をする有川がため息を漏らした。


「こんな時は、湘南の海で女の子と遊びたいっす」


2日間ずっとデスクに向かっている有川があまりにかわいそうで、パソコンを打つ手を止めて、返事をした。

「そうだな~。ま、頑張れ。あと2週間もすれば仕事も落ち着くさ」


そんな時、1通のメールが届いた。

アドレスに見覚えが無く、無意識にメッセージを開く。


<お久しぶりです。瑠璃です。片桐さん、お元気でしたか。

引渡しから2か月が経ち、ようやく荷物を片付けることができました。

よろしければ、ぜひ、遊びに来てください。>


お客さんからのこういったメッセージはよく届く。

関係をうまく築けた証拠だろう。

純粋に嬉しかった。


<広瀬さん、お久しぶりです。

ぜひ、今度お伺いさせていただきます。>


簡単に返事をして、仕事に戻った。




2日後、商談の関係でたまたま広瀬さんの家から10分ほどの家に行くこととなった。


商談の感触は今一つで、少し気分を上げるために空を見上げて、伸びをする。


「天気もいいし、せっかくだから、広瀬さんをお邪魔してみようかな」

すぐさま携帯を開いて、広瀬さんの電話番号を見つけた。


コール音がしばらく続き、電話越しに優しい奥さんの声がした。



「お久しぶりです。片桐です。突然のお電話申し訳ありません」


「片桐さん、お久しぶりです。先日は返信ありがとうございました」


「いえ。突然なのですが、今近くまで来ておりまして・・・」


「あら、そうですか!ぜひ、家を見ていってください!」


突然の話にも関わらず、奥さんは快く招待してくれた。


近くのデパートで手土産を探し、車を走らせる。




10分ほどで見覚えのある三角屋根が顔を出した。


玄関の周りには、花が植えられて、より家の良さを引き立てていた。


見慣れたチャイムを押すと、中から、奥さんの足音が聞こえる。


ガチャ。


「片桐さん!わざわざ来てくださってありがとうございます」


重めな玄関ドアを開けながら、奥さんが楽しそうに顔を出した。

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