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巨人になった私  作者: EVO
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これから私は

眠れない夜を過した翌日、ママとパパが朝一で面会に来てくれた。


「サナ!」


「ママ!パパ!」


「大丈夫か?」

「身体は痛い所はない? 苦しかったりはしない?」


心配する2人に私は体を丸めて顔を寄せる、2人とも頬っぺを優しく撫でてくれた。


「うん、大丈夫・・・」


自分でも分かるくらい引きつった笑顔しか返せなかった。


「大丈夫、大丈夫だ、サナが大きくなっても何も変わらない」

「変わらず私達はママとパパだからねサナ」


「うん、うん・・・」


ビーチで出来事の後、ママとパパは警察を通して会った自衛隊の担当者と話したそうだ。

私を天王洲駐屯地に移送する事、陸路では人の目も多く、移動に制限があるので空母「いずも」で直接保護する事。

ちぃちゃん家族と一度板橋区の自宅に戻ったら、マスコミが既に家の周囲に待ち伏せしていて大変だった事。

身の安全の為に防衛省が用意した品川のホテルに滞在する事になった事など、ママ達も大変だったようだ。


「ごめんなさい、私のせいで・・・」


「サナは悪くないわ」

「そうだ、悪くない!」


品川のホテルはロイヤルスイートでこんな機会が無ければ泊まることも無いと2人とも笑ってくれたのが救いだった。

話も程々に、これから自衛隊や防衛省、警察の担当者と話し合いに呼ばれていて、2人はすぐに行ってしまった、そして入れ違いに小夜さんが現れる。


「おはようサナちゃん」


「お、おはようございます」


「今日搬入される物資について通達しておくわね、先ずは・・・」


ぶおおお、パシューン!とタンクローリーが次々とテントの横に並ぶ。


「こっちが生活用水で、もう1台は今日設置予定のシャワー用の貯水槽、炊き出しの朝食はもうすぐ出来上がるわ、午後には液体石鹸を積んだタンクローリーが1台来る予定で、夕方には繊維企業から供出して貰った大きいタオルが2枚届きます」


「すいません、ありがとうございます・・・」


「良いのよ気にしないで、それと落下防止用の大型マットが20枚届く予定だからこれを寝具代わりにして使って、シャワーと液体石鹸は第1港湾・・・、海側に専用のスペースを設置予定だから、水は海に流して構わないわ」


「大丈夫なんですか、海に全部流しちゃっても」


「製造メーカーの確認も取ってあるので問題ないわ、それでこの後の予定なんだけど、0800に朝食、0845に施設案内をするわ」


「施設案内?」


「そう施設案内、暫定的にだけど天王洲駐屯地の一部をサナちゃんに開放することの承認を得たわ、勿論それに伴う予算も、とは言え全部って訳じゃないから立ち入り禁止区域の案内ね、一応サナちゃんでも軽く運動出来る敷地の許可が降りたから案内するわ」


「あ、はい」


「施設案内後は1000健康診断、血液採取と身体測定、それに医師による問診、終わり次第昼食ね、ここまでで質問はある?」


至れり尽くせりだけどひとつだけ問題があった、見れば小夜さんは少し草臥れた様子なので、もしかしたら徹夜で私の為に対応してくれたのかも知れない、ちょっと申し訳ない気持ちになる。


「あの、ひとつだけ・・・」


「何? 何でも言ってちょうだい、全部は叶えられないけど可能な限り対応するから」


「と、トイレってどうにか・・・」


顔が赤くなりながら私は小さな声で言った、しり切れとんぼになってしまったけど小夜さんはハッとした表情になる。


「そうよね、ごめんなさい失念していたわ、今は大丈夫?」


「は、はい、まだ大丈夫です・・・」


「なるべく早く・・・、いいえ今日中に何とかするわ、私は外すけど案内や問診の時は人を寄越すから基本的にはテントかテント近くに待機してくれる?」


そう言うと電話を掛けながら小夜さんは行ってしまった。



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