第50話 幕間と言うには永すぎて:4
とうとう50話!
ありがとうございますありがとうございます!
耳飾りのホワイトベリルは、淡い光を放ってかすかに振動していた。
それを見て九江卿人は唇をかむ。
マズイ! 魔宝石にかかる負荷を考えていなかった!
触媒には使用するマナの量に比例した負荷が掛かるわけで。
純龍種の体力を使って行使するような大魔法を使っているのだ、その負担は相当なものになる。
せめてダイヤモンドだったなら負荷にも耐えられるだろうが・・・・・・。
贅沢は言っていられない。
とにかく繋がったのだ。限られた時間で雪華と話をしなきゃならない。
「雪華、時間が無いんだ、良く聞いて。僕はこれからドワーフ王国に行かなきゃいけない」
『・・・・・・なんで? 帰ってこれないの?』
ああ、悲しそうだ。
「ごめん、僕も帰りたいけど」
『わかった。卿人が帰ってくるまで待つよ』
事情を説明するより早く。雪華は了承のした。
罪悪感がこみ上げる。
「雪華・・・・・・」
『なんて言うと思ったか!』
「ですよねー」
『迎えに行くからドワーフ王国で待ってなさい!』
思わず苦笑してしまう。
そうだよな、雪華ならそう言うに決まっている。
罪悪感は消えないけど、妙に安心してしまった。
ほっぺたを膨らませてぷりぷりと怒っているのが目に浮かぶ。
雪華には申し訳ないと思いつつも、想像してしまった。
ちょうかわいい。
『わたし「活殺自在」になったから、どこだって心配いらないよ! 絶対行くから!』
「え? 称号獲ったの? おめでとう雪華! すごいじゃないか!」
やっぱり雪華はすごいな、チートじみた能力をもってる訳でも無いのに・・・・・・。
才能と、それに見合った相当な修練をしたんだろう。
『んっふー! だからわたしがそっち行くから! 動かないように』
「それは無理があるのでどこかで待ち合わせませんか?」
『どこ? どこでも行くよ!』
「そうだね・・・・・・」
「卿人君!」
切羽詰まった声でノートル師匠が叫ぶ。
何事かとそちらを見ると、ルーニィ師匠が大変なことになっていた。
顔がだらしなく弛緩してへたり込んでいる。目の焦点はあっておらず、魂が抜けたようにぴくりとも動かない。
「このままだとホントにドラゴンの干し物が出来上がってしまうよ!」
「おおう・・・・・・体力は53万じゃなかったのか」
『その声は冒険者ギルドの酒場であったエルフさんだね! よくも卿人を誘拐したな!』
耳ざとく雪華が反応する。
いや誘拐て・・・・・・ああ、あっちの認識だとそうなるのか。
「雪華、緊急事態なんだ、今度謝罪させるから」
『はーい・・・・・・』
「で、雪華。待ち合わせ場所だけど、2年後にユニリア王国でどうだろう? ファルシオン宝石商会。覚えてるよね?」
『もちろん! 忘れるわけないじゃん! ・・・・・・あれ? 門倉さまの所じゃだめなの?』
「その手があったか」
『とにかくそのころユニリア王都にいるよ。もう2年は長いけど、その間に花嫁修業しとくから』
「うん。なら僕は、会えたときにはちゃんと雪華にふさわしい男になってると約束するよ」
『卿人はいつだって格好いいよ!』
「持ち上げすぎ。浮いちゃう!」
『ホントのことだもん! ああそうだ! 卿人!』
「うん?」
『お誕生日、おめでとう!』
「雪華も、おめでとう!」
言い終えた瞬間。ぶつん。と通信が切れた。
ノートル師匠が強制終了したらしい。
ぜいぜいと荒い息をついている。たぶん、途中から体力消費を自分に回してくれたんだろう。ルーニィ師匠はさっきと同じ姿勢で固まっている。
「ごめんよ、卿人君。限界だった・・・・・・」
「僕の方こそご免なさい。楽しくなっちゃって、長引きました」
「いいよ、私のせめてもの罪滅ぼしさ」
だからってそこまでしてくれなくてもいいのに・・・・・・。
深く、頭を下げる。
「有り難うございます」
「ははは、後でそこにのびてる純龍種にも言ってやってくれ」
「のびてないぞ」
『うわぁ!?』
いきなり電源が入ったみたいに動き出すルーニィ師匠に、師弟揃って飛び退いてしまった。
びっくりしたなあ・・・・・・。
首をくきくきと鳴らしながら立ち上がり、少し恥ずかしそうな表情を見せる。
「すまないすまない。この身体は人間種並みということを忘れていたんだ。だから体力を追加することに集中してしまってな、見苦しいところを見せた」
「やっぱりぽんこつドラゴンじゃないか」
「うるさい大たわけ者。まぁ、もうすこし繋げられただろうから、それだけ伝えておけばよかったが・・・・・・」
「いえ、あそこまでが限界だったと思います」
手にしている耳飾りを見た。照明を反射してきらりと輝くホワイトベリル。
よかった、無事だ。曇りもひびも無い。
「魔宝石のほうが先に駄目になっていたと思いますから」
「そうか・・・・・・ふむ、あれが卿人の番か。なかなか面白そうな魂をしていたな」
「見えたんですか!?」
「見えてはいない、感じた。彼女の魂はとても強靱で、迷いが無い。良い番を見つけたな、卿人」
「幼なじみで、自慢の恋人ですよ」
「我は運命論者ではないが、であればそれは、運命の相手なのだろうな」
そういうルーニィ師匠は少し寂しそうだった。
なにか、よくない事を思い出したのだろうか。
エルフ種以上に永い時を生きる純龍種が、どんな経験をしてきたかなんて想像も付かない。とくに、ヒトと交じって生きてきた彼女はそれこそ多くの出会いと別れを経験してきたに違いないのだから。
「卿人君卿人君。そのぽんこつドラゴンは放っておいて、今の魔法式の検証をしようよ!」
「少しは労れ!」
「はいはいお疲れ様お疲れ様。で、卿人君。大分削れて意外と少ないコストでいけそうだよ!」
「敬意が無い! 敬意が無いぞ!」
さっきの物憂げな表情はどこへやら、いい加減な事を言うノートル師匠に噛みついている。
・・・・・・これを狙ってやったならホントに大賢者なんだけど、多分天然。
「卿人! 夕食は本当にランドドラゴンのステーキなんだろうな!?」
「・・・・・・あとで在庫確認しますね。あ、ノートル師匠、もう少し音質をあげましょうよ」
「良いけどそれなら光るようにしていいかな?」
「おまえら、おまえらーっ!」
僕もたいがいだった。
◇
「ふへ、ふへへへえへえへへへ」
卿人の部屋に怪しげな笑い声が響く。
誰だ、人の部屋で気持ち悪い笑い方をしてるのは!?
朧雪華だ。
わたしは卿人との通信が切れた後も、しばらく卿人のベッドに顔を埋めて笑っていた。
自分の事だけどとても気持ち悪い笑い方だと思う。
でもしょうがないじゃん!
帰っては来なかったけど、卿人とお話出来たんだから!
ほっぺたの筋肉が緩みっぱなしになっても仕方ないと思うのです。
短かったけど、すっごく楽しかった。
やっぱり、卿人とお話するのが1番楽しい!
よおし! こんどは2年後までに完璧なお嫁さんになるための鍛錬だ!
そうと決まればじっとして居られない。
良い匂いのしてきたキッチンに向かってダッシュ!
は、しない。
お嫁さんは家の中で走ったりしない、はず。うちのお母さんはお兄ちゃんがいたずらしたりするとめっちゃ走って追っかけたけど。あれは緊急だけど今は違うし。
しずしずと廊下を歩いて、キッチンに向かおうとすると、扉が少し開いてお義母さんがこちらを覗いていた。
よし早速、果国で理想像とされる慎ましやかで美しい女性のことを指す、「真果撫子」を実践しよう!
「お義母様、どうなさいました?」
「ひっ!?」
お義母さんは何故かおののいて、ばたんと勢いよく扉を閉じてしまった。
「秋華さん! 秋華さん! 大変! 雪華ちゃんがおかしいの!」
「三春さん、人の孫をおかしい呼ばわりするのもどうかと思いますよ?」
扉の向こうからそんな声が聞こえた。
・・・・・・あれぇ? 何か間違えたかな?
ダイニングに続く扉の前に立って、ノックを3回。
「雪華です、入ってもよろしいでしょうか?」
「ほら!」
「あらあら、丁寧でよいことじゃないですか。どうぞ、お入りくださいな」
「失礼いたします」
ゆっくりとノブを回して、扉を開けて一礼。
中に入りきちんと後ろを向いてドアを閉め、振り向いてまた一礼。
「みなさまごきげんよう」
「はい、ごきげんよう」
「・・・・・・何で雪華ちゃん完璧に出来るの?」
「修行の合間に私が仕込みました。まだまだ荒削りですが、もうどこに出しても文句はでませんよ」
「え、わたしどこかに売られるの?」
「もののたとえですよ」
と、笑顔で窘めてくるおばあちゃん。
あ、やっちゃった。
卿人がからむとすぐにぼろがでちゃう。
「よかった・・・・・・いつもの雪華ちゃんだ・・・・・・」
なぜかとても安心した様子のお義母さん。
そういえば、おばあちゃんがなんで九江家に居るんだろう?
「雪華、成人のお祝いをしてくれるそうですよ? 一緒にいただきましょう」
「はい、有り難うございます!」
テーブルに着いているおばあちゃんは苦笑しながらそう言って、わたしを手招きした。
キッチンの方では十三郎おじさんが料理をしている。
匂いからして・・・・・・鶏の唐揚げかな。
「ところで雪華。気の流れが弾んでいますが、何か良いことありましたか?」
微笑んだおばあちゃんは、わたしが隣に腰掛けるのをみながらそう聞いてきた。
「うん! 卿人と2年後にユニリア王都で会おうねって約束したんだ!」
そう口にすると場の空気が固まった。
おばあちゃんは微笑んだまま硬直、お義母さんが哀れみのこもった目を向けてくる。
さらには十三郎おじさんが料理をしながら泣き出してしまった。
をや? わたしはいつの間にか時を止める魔法を使えるようになったらしい。
もちろんそんなわけはなく、おばあちゃんがやっとの思いで、といった感じで口を開いた。
「・・・・・・雪華、頭でも打ちましたか? どれ、おばあちゃんに診せてごらんなさい」
「打ってないよう? そうか、最初から説明しないとだね」
卿人とお話した経緯を話すのをすっかり忘れてた。
どうやらみんな、わたしが卿人に会えなくなったショックでおかしくなってしまったと思ったらしい。
失礼なとは思うけど、さっきまでの流れを見ればそう思うかもしれない。
きちんと話さないと伝わらないよね。
「耳飾りを通じて話しかけてきた・・・・・・? ちょっとそれ見せて?」
わたしの話を聞いて、お義母さんは難しい顔をしてそう言った。
耳飾りを外してお義母さんに手渡す。
「普通の耳飾りだよ?」
「いいえ、普通の耳飾りにそんな事はできないわ・・・・・・なるほど、これ魔宝石なのね」
わたしは魔法式が読めないから何をしてるのかよくわからないけど、魔法で詳しく調べてるみたい。
確か「鑑定」っていったっけ? 魔法式の性質上、人によってどのくらい解析できるのかまちまちだから信憑性の薄い魔法だったはず。
自分で使う分には便利だけど、商売にはできない、そんな魔法。
お義母さんのは、マナ関係に特化したもの。
冒険者時代に偽物の魔法道具を掴まされないようにするために身につけたんだって。
「これを触媒にしたとして・・・・・・凄い魔法式になるわね。どれだけの時間を掛けて組んだのかしら・・・・・・」
「そんなに凄い魔法だったの?」
「ええ、こんな魔法式大賢者でもないと組めないわ。たぶん、彼と協力して組んだんでしょうね」
はへー。
そんな凄い魔法をわたしのために?
・・・・・・うへへ。
わたしはお義母さんから耳飾りを返して貰うと、席を立ってキッチンに向かう。
「お義父様、何かお手伝い出来る事はありますか?」
「おとっ!? ・・・・・・そか、じゃあ唐揚げ変わってくれ」
急にお義父さんと呼ばれてびっくりしたお義父さんだけど、気を取り直してわたしに手伝わせてくれる。心なしか、いつも鋭い目元が緩んでいるように見えた。
「かしこまりました」
ふっふーん♪
妙に上機嫌なわたしは鼻歌でも歌い出したい衝動に駆られていたけど我慢。
真果撫子は調理中に歌わない。
はず。
多分鼻歌くらい良いのだろうけど、歌わなかったおかげでおばあちゃんとお母さんのひそひそ話を聞き取ることが出来た。
揚がり具合を見ながら聞き耳を立てる。
「秋華さん、雪華ちゃん花嫁修業するって言うけど、必要あるのかしら?」
「ありますよ? 果国淑女の嗜みとして家事全般は必須でしょう」
「うっ・・・・・・」
お義母さんは料理が出来ないから、今の言葉はすごく効いたんだろうなぁ。果国の女性としての心得を言っただけだから、おばあちゃんに悪気はなさそうだけれども。
「で、でも雪華ちゃんは今でも充分出来るでしょ?」
「まぁまぁ、雪華の好きにさせてあげてくださいな? あの子は卿人のために時間を使えることが嬉しくてしょうがないのですよ」
ころころと笑ってお義母さんに笑顔を向ける。
むぅ、わたしもああいう笑い方した方がいいのかな?
「雪華、焦げるぞ?」
「ぴゃっ?」
慌てて唐揚げを取り上げる。良い感じに揚がっていて、とてもおいしそうだ。
もう少し長かったら焦げ目が付いていたかも。あぶない。
「あ、ありがとうございます、お義父様」
「なぁ、雪華よう」
残りの鶏肉を鍋に放り込んでいると、お義父さんが鼻の頭を掻きながら話しかけてきた。
「なんでしょう?」
「それだ。花嫁修業はいいが、立ち振る舞いくらいはいつも通りで良いんじゃねえかな?」
「え? でも・・・・・・」
「再会した卿人がいきなり騎士団式のですます調で話し始めたら・・・・・・お前どう思うよ?」
・・・・・・。
『お久しぶりであります! 雪華様におかれましてはご機嫌麗しゅう!』
兜もバイザーも無いのに敬礼をとる卿人が見えた。
「きもい!」
「だろ? だから家族や俺たちに対してはいつものままでいいのさ。むしろうそうしてくれ、調子が狂う」
「わかった、そうする」
「で、代わりにってのも変な話だが、俺から提案がある」
「提案?」
「ああ、お前ちょっと外の世界見てこい」
「どういうこと? わたし追い出されるの?」
「あー、言い方が悪かった。そうじゃねえよ、ちょっとネルソー内で仕事とかしてみたらどうかってことだ。おまえらは結婚したら旅に出るんだろ?」
「うん! 今はそれだけを楽しみに生きてるの・・・・・・」
「悲壮感が強すぎる」
卿人と一緒に世界をまわる。
凄く長い新婚旅行みたいなものだ。
それはたぶん、凄く贅沢なこと。
安全とはほど遠いけど、でもそのぶん、一生の思い出になる。
「だったら他人との付き合い方も覚えとけ。嘘は見抜けても本音までは見抜けないだろ? そういうときに頼りになるのは経験だ。折角成人したんだ、冒険者にでもなって、少し予行演習しとくのもいいんじゃないかと思ってよ」
確かに。
今までも冒険者ギルドの協力とかしてきたけど、あれはあくまで子供としてやっていた事。成人して大人になっているのだから、相手もこちらをそうやって扱うし、それ相応の判断が求められる。
なら、お義父さんの提案はとても理にかなっているように思えた。
「おばあちゃん。どう思う?」
「是非、そうしなさい。卿人のためにもなるでしょう」
「いや、「活殺自在」的に問題無いのかなって・・・・・・」
「活殺自在」になってから知ったのだけど、なんだかややこしい制約がいろいろあるみたいなんだ。
「あんなものは気にしないで良いですよ。ほとんど果国内でしか意味の無い制約ですし、その裁定をするのは私です。言ったでしょう? 雪華は「活殺自在」史上、最も自由なのです。それに」
「それに?」
「アダットはいくつ破っているかわかりません」
「あー・・・・・・」
称号を剥奪されそうになって、お父さんに果国まで連れて行かれている中年男性を思い出す。優しそうな外見をしてるけどとんでもなく質の悪いおじさんだ。
そんな人が好き勝手やってたわけで。大陸ではほとんど機能してないのはホントみたいだ。
「雪華が冒険者ギルドに登録すると「活殺自在」初の冒険者と言うことになりますね。折角ですからギルドに登録する際、称号も入れてもらいましょう。暁華にもギルドからさんざんスカウトがきていましたからね、あちらの準備は万端でしょう」
「なんか面倒な事になりそうな?」
きっと面倒だろう。
そんな顔をしていたら、お義母さんがこっちを向いた。
「あら、冒険者ギルドは登録しておくと色々と便利よ? もちろん面倒もあるけど、それ以上の恩恵もあるわ。今度教えてあげる」
元冒険者のお義母さんが言うならそうなのだろう。
そっか、冒険者か・・・・・・。
揚がった唐揚げを取り上げる、今度は見逃さなかった。
「お義父さんがギルドに紹介してくれるの?」
「おう、いいぞ」
お茶碗にご飯を盛りつけながら快く引き受けてくれた。
それはわたしにとって意外な返答。
「ありがと。自分でやれって言われると思った」
「んにゃ。俺も顔みせとけばネルソーで雪華にちょっかい出すヤツも居ないだろ。流れてきたヤツは自分で何とかしろ・・・・・・ってお前に手を出した時点でそいつは終わりか」
お義父さんは気を使ってくれたらしい。
正直、そういうの慣れてないからちょっとありがたいかも。
卿人といっしょならなんてことないんだけどね。
出来上がった料理を配膳して・・・・・・ってお義母さんもう呑んでるし!
「卿人と雪華ちゃんの成人記念に~! けらけらけら! ほらほら雪華ちゃんも! 成人したんだから呑みなさい!」
お義母さんは好きだけどこの状態だけはいただけないかなぁ。
凄い美人が大口開けてけたけた笑ってるのはちょっとコワイ。
お義父さんがグラスを追加で持ってきた。お祝い用に用意してある綺麗なグラスだ。
「三春はほっといて良いぞ。でもまあ成人記念だ、呑むだろ?」
「ううん、呑まない」
わたしの答えにお義父さんは鼻白んで、お義母さんはグラスを振り回す。
お酒飛ぶから止めて!
「私の酒が呑めないってのかぁ!?」
「ごめんなさい。初めては卿人と一緒って決めてるから」
「う・・・・・・」
急にお義母さんがおとなしくなった。
だがわたしだけ呑まないのが嫌なんだろう、食い下がってくる。
「で、でもほら! 卿人はクラフターズと一緒だし、もう呑まされてるかも」
「わたしが卿人の立場なら意地でも呑まないよ?」
お義母さんの顔を見て、きっぱりと断る。
お祝いだし、空気が読めてないのは解るけど、これだけは譲れない。
さっき卿人とお話出来たから尚更、わたしは、最初は卿人と一緒に呑みたい。
「そうよねえ・・・・・・」
「ごめんなさい・・・・・・」
「ううん、そこまで思ってくれる卿人は幸せ者よ・・・・・・かんぱぁ~い!」
「あってめ! そこは雪華に言わせろよ!」
「うふふふふぁあああはははははは♪」
「ったく・・・・・・ほら、雪華。オレンジの果汁だ」
「ありがとー!」
わたしは卿人のいるだろう方向にむかって、受け取ったグラスを掲げた。
卿人。
かんぱい。
ストック少ないので頑張って書きます。
お気にのVTuberが出来てしまったので誘惑がぱねえですが、
こんじょうでなんとかします。




