ラドヴィクス皇国物語2
ーねえねえ、ミャーミャー、二人でもりあがらないで
あたしも混ぜておくんなましょ♡
ムギュ。
ーぐぇえ。
とっさに目をそらし、美しい顔に 青筋を立て 水差しからシュールにとびだす
守護精霊を ◯◯◯している場面を 見なかったことにする。
ーわたしは猫ではなくってよ、ウォリアル。
ここにいるのは、精霊王様から 頼まれたから。
「精霊王?
精霊の世界にも 王が存在するのですか?」
ーええ。
ギュム。
ー◯△♧★☆♬♩△◎◐!!
見た。
今度はしっかり。
風の精霊は、器用に守護者を 水差しの中に 押し戻していた。
ギュッ。
そして、何かで蓋までしてる・・・
ーふう、やっと本題に うつれるはね。
実は この世界で 少し厄介なことが 起きてるの。
「やっかいなこと?」
ーそう。
世継ぎの君や、国主自身が 目覚めない国が 続出しているの。
「まさか!それでは・・・」
ーこの国の 主もそう。そして、エスファルダもそう。
そして、
「兄上もですか!!」
ー・・・・・・・・
黙り込んだ 風の精霊の顔をみれば、答えは 一目瞭然だった。
この世界で、今、何かが起きていることに 不安がこみ上げてくる ラヴィであった。




