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ラドヴィクス皇国物語2
「もしかして、せいれいおーさま?
おーさまって、おんなのしとだったんですか?
その 重低音は、吹き替えですか?」
ー・・・・・・・。
だれか通訳してくれないか?
サロちゃんの言っている意味が 全然理解出来ないんだけど
困惑する精霊王に 同じ表情をした ライオネリアスが、どこか うんざりした顔をして
ぼそりと つぶやいた。
「通訳できるのは、ヤツくらいのもんです。
ったく 肝心な時に限って へましやがって」
「へまって、何のことですか?」
サイフェリアローズが 不思議そうな顔で 問いかけると、
後ろに控えていた護衛騎士が 代わりに答えた。
「ラドヴィクス陛下が 不法入国罪で グランヴィスカ殿を 拘束されたのですよ」
「!!」




