表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラドヴィクス皇国物語2  作者: アニイアンニンドウフ
11/15

ラドヴィクス公国物語2

ー今後一切 この世界から 出ることを禁ずる。

 もちろん 会おうなどと 考えることさえだ。

 己の起こした現実の重みを 深く思い知るがいい。


 いくぞ、アルテイナ。



そう 吐き捨てると、王は くるりと背を向け この世界ーゆめの世界ーから

出て行った。眠り続ける愛しい幼子を胸にぎゅっと抱きしめ 振り返り振り返り去ってゆく

月の精霊を 引き連れて。


孤高で素っ気ない外面だが 実は情深い精霊王を ここまで激怒させたものは いない。

それ程 犯した罪は 大きいのだ。


もう 涙も 出なかった。


彼を 失った時、

すべて 枯れ果てたから。



それから

笑うことも 泣くことも 話すことも 全てのことを 手放し、

ただ 淡々と 役目を こなし続けた。




そして、であった。


我が子に。

いな、

我が子の姿をまねた ずる賢い 闇に。





ーエ・・ル・・シー・・・ド!



しばらく出していなかった声は かすれ果て、 かすかな音の葉を 紡ぎだすのみ。




抱きしめると 暖かな滴が その頬に はらはらとこぼれ落ちた。

ぎゅっと目を閉じ 奇跡の再会を かみしめる。


抱きしめた赤ん坊が 不気味な笑顔を浮かべていたのに 気づかないまま。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ