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第1話 喜びと死

初投稿です。

初日は第3話まで投稿します。


 15歳の誕生日、そんなめでたい日に俺は・・・死んだ。


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 俺、ラオムはオルスティア王国の片田舎、名も無き小さな島にある漁村の唯一の商店の息子として生まれた。

 このオルスティア王国では昔から15歳の誕生日の生まれた時間にその後の人生を大きく左右する事になるスキルを授かることが出来る。

 ただ、どんなスキルを授かれるかは運次第。回復が出来る神聖魔法を望んでいたのに攻撃系の魔法を授かる事もある。本人が望むスキルが手に入るとは限らないのだ。


 そして今日、この村で15歳の誕生日を迎えるのは俺と近所に住むセリスの2人だ。

 そう俺とセリスは同じ日に生まれたのだ。

 物心ついた時にはセリスがいつもそばに居た。いつも一緒に行動して、怖がりなセリスはいつも俺の後ろに隠れていた。


「おーい、ラオムー!ま、待ってー」


 俺がいつも行く近所の森へ薬草を取りに出かけるところにセリスが遠くから走って追いかけて来る。

 セリスの腰まである蒼く長い髪はよく目立つので遠目でも誰だかすぐ分かる。


「セリス、どうしたの?なにかあった?」


 追いついたセリスが切らしていた息を整える。


「えへへ〜、実は私、先程スキルを授かりました!」


 えっへん!とばかりにその大きな胸をこちらに向かって張る。セリスの方が先に生まれたのでスキルも先に授かることは当然俺にも分かっていた。


「知ってますぅ〜。セリスの方が先に生まれたんだから、そりゃそうなるだろう。俺は夜遅かったからな。でも、おめでとう!これでスキル持ち、一人前だな!で、そんなに急いでどうしたんだ?」


「うん、どんなスキルを授かったのか、ラオムに1番最初に教えたかったから走って来たんだよ」


 にへら〜、と締まりのない顔で笑っている。


「おいおい、まったくセリスはいつもそうだな。おじさんとおばさんに1番に教えてあげろよ。今日をすごく楽しみにしていたぞ?」


「まあ、それはそれ、これはこれ、だよ。私はいつもラオムを1番にしたいんだよ」


 頬を赤く染めながら、上目遣いでそんなことを言うセリス。

 そんな風に言われたらこれ以上なにも言えないな。


「ふう、分かったよ。それで?どんなスキルを授かったんだ?希望していた回復出来る神聖魔法はあったのか?」


 神聖魔法は怪我や傷を治療出来たり、毒や麻痺などの状態異常を回復させることが出来る。またアンデットなどの不死なるものを浄化する事も可能だ。

 セリスは優しい性格で将来は冒険者になって怪我をした人を治したいと前々から言っていた。


「ブイッ!神聖魔法と弓術を授かったよ!念願の神聖魔法だからすごい嬉しい!でも弓術はちょっと微妙かな?弓なんて持った事もないからまともに使いこなせるかぁ。不安だよぉ〜」


「おぉ!やったな、セリス!希望通りとはな!神様にセリスの願いが通じたんだな。改めておめでとう、良かったな!まあ、不安はあるだろうがセリスが待ち望んでいたスキルなんだから頑張って努力して使いこなして冒険者になって沢山の人を助けられるといいな!」


「そだね、冒険者になるのは小さい方からの夢だからね。ラオム、ありがとう。私頑張るよ!で、次はラオムの番だね!ラオムの夢を叶えるのに一体どんなスキルが貰えるか楽しみだね〜。そう言えばラオムの夢って何だっけ?」


「俺の夢?夢なんて特に無いよ?んー、でも敢えて言うならこの村でのんびり暮らすことかな。のんびり暮らすのにスキルなんて必要ないから欲しいスキルなんて無いよ」


「えっ?そんなことないでしょ?私だって冒険者になって怪我や病気をしている人をたくさん治したいのとラオムのお、およ、およ、ゴホンゴホン、あー、ええっといくつか夢があるのに!せめて欲しいスキルとかこう言う系統のスキルを希望するだとか、何かあるでしょ?」


 欲しいスキルかぁ、正直、特にない。

 武器系なら剣、大剣、二刀流、槍、短剣、斧、ハンマー、弓などなど沢山ある。魔法なら火炎、水氷、風雷、木土、神聖、暗黒、付与の7種類。他にも生産系や収集系、強化系など沢山ありすぎて選べない。

 俺は授かったスキルで一生懸命やって行くだけだ。


「特に希望も無いかな。貰えるだけでも有難いと思っているからなんでもいいよ」


「まったくラオムは欲がないというか、なんと言うか。自分の事なんだからもう少しちゃんと考えた方がいいと思うよ?そんなんじゃ神様から嫌われちゃうよ?」


「そうだなぁ、じゃあ神様から嫌われない様に神様のおすすめのスキルが欲しいな!そうだな、それがいいや」


「もう、ラオムったら!それじゃあまったく変わってないよ!」


 セリスのこれからにかける意気込みや決意を聞いたり雑談をして、俺は薬草を取りにきていたことを思い出した。


「悪いセリス。そろそろ薬草を取りに行かないと帰りが遅くなっちまうからぼちぼち行ってくる」


「あ、そうだった。引き留めてゴメンね、ラオム」


「気にすんな。俺がスキルを授かったらセリスのところにも挨拶に行くよ」


「うん!約束だよ!じゃ、また後でね」


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 この世界には魔物が出現する。

 迷宮と呼ばれる魔物の住処より這い出してくる奴らだったり、森の中などの一部の魔力の濃いところで湧いてくる奴や魔力の影響で野生動物が魔物化する場合など出現パターンは様々だ。

 だが、この辺りは片田舎なので迷宮も無いし、魔力もそんなに濃くないので魔物の心配はほとんどない。


 だから俺は1人森の中を探索する。


「薬草、か。セリスが神聖魔法を授かったから今後はあまり必要無くなるかもな」


 俺たちの村には神聖魔法の使い手が居なかった。だから怪我をしたら薬草に頼るしかなかった。だが、これからはセリスがいる。今はまだ神聖魔法もLV.1だろうがそのうちLV.も上がれば薬草の出番は激減するだろう。


「俺も新しい仕事を探さないとな」


 そんなことを考えながら、傍らに置いた籠にせっせと集めた薬草を放り込んでいると太陽も落ちかけていると言うのに前の方の空が急に明るくなり、「キィーン」と甲高い音がするな、と思った瞬間!


 ドスッ!

 ドンッ!ズズズズズ…


 ・・・何か鈍い音がした。と思ったら何かが滑って行くような音もした。一瞬、何が起こったのか分からなった。


 ・・・俺の胸に「穴」なんか空いていたっけ?

 振り返ると後ろに5cm程の真っ赤に焼けたような石が地面を抉り取ってめり込んでいた。


 ・・・あの赤いのは俺の血かな?いや、なんか熱そうだな。あれ?身体に力が入らない?立っていられないぞ?前のめりに倒れてしまうというのに。


 ・・・なるほど、俺の胸を貫通したのか。あっ俺、死ぬんだな。死ぬって思っていたよりもあっけないんだな。全然痛く無いじゃないか。あぁ、セリスの笑顔がもう一度見たかったなぁ。セリス、泣かないといい・・・


 バタッ


 こうして俺の意識は静かに真っ黒な世界に包まれていった。

小説を投稿するなんてまったくの素人なのでお見苦しい点があるかと思います。

斬新な展開や予想外の出来事等のストーリーって創る側になるとこんなにも難しいのだと痛感しております。

良く言えば王道、悪く言えばありきたり。

そんなお話になると思います。

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