第二話
「んな……、んな!ばかな事あるかい!!」
と、とりあえず一人ツッコミをしてみるも……部屋中に漂う静寂が虚しく
部屋の中心に、ぽっかりと空いてしまった黒こげの穴を見て、
顔中からダラダラと冷や汗が止まらない……もある違和感に気づく。
「?! いや、ちょっとまて! なんで、こんだけ大きな音が出て、ご近所さんはおろか、母さんも親父も何の反応もねぇの!?」
そう、大声出すと、脳裏に言い知れぬ悪寒が過ぎ、自室のドアを勢いよく開け放つと、階段を駆け下りて、リビングのドアに突っ込むようにして飛び出す――
「母さん! 親父!! って親父!? 何してんの!? この非常時にパントマイムとかばかなの!、冗談とかやめろよ、そういうのいいから!? ふざけんなよ!! 返事しろよ! っ!ーー」
そう微動だにしない親父の肩を揺すろうとして、つるりっと手がすべり、バランスを崩しそうになり、ぬわっと、バランスを持ち直そうとするが、何かに躓き、
盛大にヘッドスライディングをかます。
「おわっ!ズコーーー! いっつぅ~~~!」
咄嗟に頭をかばって手を被せたものの、あまりの衝撃に、あんまり意味はないくらい、ビッグハンドの様に真っ赤に腫れ上がってしまった手を、
そのあまりの痛さにブンブンッ振り回す、
「いってっ!、いってっ!まじいってっー!!」
と、叫びながら鬼の形相で振り返り、躓いた原因、諸悪の根源を、にらみ付けようとして、またしても驚きにその目は見開かれる――
「んっな……」
そこには、リビングテーブルから落ちて、中身のお茶を盛大に、ぶちまけたまままるで、時が止まってしまっているかの様に、
中に浮いている、某人気ゆるキャラの描かれた親父、愛用の湯飲みがあった――
「んで……お茶が浮いてんの……」
と、力なくつぶやいた。
瞬間―― 目の前の空間が歪んだ。
[ ギュイーーーーーーン!!シュンッ ]
瞬時、空間が縮むような音を残して、何かが現れた。
「シュタ! あっ、やっとこれました!」
「ファ!?」
オレは思わず咄嗟に奇声を発してしまった、
なにせ、今まで驚きの連続だった上、唐突に目の前に現れたそれは、
白と紺色のセーラー服を身にまとった、ピンク色の髪をツインテールにまとめた美少女だったのだから――
だから、あえてお約束であろう、あの台詞は言っておかなければならないだろう……
「これ、なんてエロゲ?」
「現実です☆♪」
「そうっすか……」
間髪入れずに、お約束でお馴染みの返答をくれた、この目の前のノリノリの美少女さんは、とてもニコニコしていて大変可愛いのでありますが、一つ聞かせてほしい事がある、その肩口から見える、真っ白で、とても神々しい輝きを放っている、天使の様な羽は何ぞ? と……
「うん?!……あのさ一つ、聞いていい?」
「どうぞ♪どうぞ♪色々と混乱していると思いますので♪」
「いや、なんていうかさ、色々と聞きたい事やツッコミたい事はあるんだけど、とりあえずその後ろでパタパタしてる羽からみて……あんたはなんていうか天使とかそういうのなの?」
「いぇす♪ご名答♪人間界の概念的に言えば、まさにその通りです♪ 神の使い的な天使ちゃんですっ♪ 役職的に言えば人間界のサラリーマンみたいな物です♪さらにさらに休まなくても働けるため人間界でいうブラックです♪」
「ま、まじっすか……」
そう、突き抜けるように明るい笑顔で、答える目の前の美少女のその答えた内容のあまりのブラック度に若干引いて、顔を引きつらせつつも、
とりあえず、これからどうなるんだろう……?神様転生だったらいいな……
なんて事をちょっと期待しておれは考えていた――
つづく……? ……かも?。
とりあえず、ブックマークが一つあったので、続けてみた。