冬馬のスキル能力
俺はイグノールに、転移したようだ。
目を開けるとそこは、森だった。
どこを見ても、木しかない。
スキルの本を読んでいる時、神から聞いたのだが。
本来ならば、神殿という所に、召喚されるはずらしい。
だがここには、
「神殿なんか、ねーじゃんかよー!」
ぶつくさと、神に文句を言いながらも、転移される直前に神は、
「そういえば、お主の他にも、お主の友人や幼馴染みも、召喚されておったぞ」
的なことを言っていたのだ。
俺は幼馴染みと聞いた時、背中にぞくりと寒気を感じた。
俺は、どうかあいつらじゃありませんように
と、願いながらも、辺りを探した。
結果 だれもいなかった。
それどころか、道さえなかった。
道さえあれば、何日かすれば誰かしら人が通ると思っていたからだ。
マジで寂しいわ……
と、考えながら森の中を2時間ほど歩いた。
食料は、木の実や川などを、見つけた。
木の実も、どれもおいしく
形は違うが、いちごや、りんご、さくらんぼの味をした物などを、見つけた。
川の近くには、岩でできた小さな洞窟を見つけた。これらがあれば生活はできるだろう。
これも、 腕輪 のおかげなのだろうか…
俺は木についていた、木の実や、きのこみたいなのを、適当に収穫して洞窟の奥に置いといた。
収穫している途中で、気づいたのだがあれらは、食べても大丈夫なのだろうか……
そこで俺はさっそく鑑定を使おうとしたが最強スキルセットが、気になったのでステータスを見てみた。
ステータスなどをみるには、ただ頭の中でステータスと思い浮かべればいいだけだ。
名前 冬馬 結城 LV 1
性別 男
年齢 17
種族 人族
体力 2000/2000
魔力 測定不能
筋力 580
守備 620
知識 400
運 1500
スキル
物質操作
限界なし
スキル強奪
吸収
転移魔法 LV 1
全属性魔法 LV 1
空間魔法 LV 1
鑑定
合成
身体能力強化 LV 1
称号
転移者
す、す、すげぇー!
魔力とか、測定不能だし…
スキル強奪とか、限界なしとか、チートすぎるぜ!
今出来るスキルは、転移魔法と空間魔法、身体能力強化、物質操作、全属性魔法かな?
とりあえずやってみるか…
俺は身体能力強化を使った。特に変化は見られない。
「本当に強化されてんのか?」
試しに近くにあった岩を軽く殴ってみた。
ズゴォーン!!!!
俺が殴った岩は、粉々に砕け散った。
「へ? マジかよ…
はは!こりゃすげーや!」
俺はもう一度、岩を殴ってみようと思ったが、岩がなかったので変わりに地面を思いっきり、殴ってみた。 しかし
「いってぇー」
俺はずっと、アニメみたいに地面にクレーターが出来るのかと思っていたのにクレーターどころか、石さえ砕けなかった。
「なんでだ?」
俺はその後何度か、身体能力強化を試してみた。結果 時間制限があることが分かった。
身体能力強化にはレベルがあるので、レベルが上がれば腕力も守備も制限時間も、大きく上げられるようになるだろう。
次は全属性魔法だ。
「てか、魔法なんてどうやって使うんだ?」
俺はいろいろと、試してみたが魔法を使うことは出来なかった。
「まぁ、いっか!どうせ呪文みたいなのが必要なんだろ。」
俺は、一人で納得し、次のスキルを試してみた。次のスキルは転移魔法だ。
俺は、さっき見つけた洞窟の前を思い浮かべ
「転移!!」
と叫んだ。すると身体が白い光に包まれた。
次の瞬間俺は、さっきの洞窟の前にいた。
しかしこの転移魔法は、疲労感がとても大きい。連続で使うのは少し厳しいだろう。
「空間魔法と物質操作は、明日やるか」
疲労感も溜まっていたし、辺りもだんだん暗くなってきたので、俺は洞窟で寝ることにした。洞窟は意外と居心地が良かった。
地面は硬いが、他は特には問題ないだろう。
俺は、いつの間にか眠っていたらしい
外をみると、朝日が登ろうとしていた。
まず川に行って、体と顔を洗い 次に、昨日取っておいた木の実を食べた。
少し物足りないが、まぁよしとしよう。
俺はさっそく、物質操作を使ってみた。
まずは、昨日粉々にした岩の破片を一斉に持ち上げそれらを一点にとどめてみた。
なかなか簡単に出来たが、岩の破片同士をくっつける作業がとても難しい。
俺は、1時間ほど物質操作をしていてあることに気づいた。物質操作を使いながら合成も使ってみる。というものだった
すると、さっきまではとても難しく感じられた岩の破片同士をくっつける作業が簡単に出来るようになった。
「これなら、武器とか作れんじゃね?」
俺はすぐに行動してみた、一点にとどめて合成するのは出来たが、片手剣の形にするのが難しかった。
「うーん、なかなか上手くいかないな。」
一応使ってはみたが、今目の前にある物は、片手剣と呼べるには、ほど遠いものだった。
しかしそんな問題も、すぐに解決する。
「てか、空間魔法使えんじゃん。」
冬馬が考えたのは、まず空間を片手剣の形にとどめてその空間内に、岩や木、水などその辺にある物適当に入れていく。
そして合成。3つのスキルを同時に使うのはとても大変だったが、全てを合成することが出来た。
「はぁ…はぁ…次は最後の仕上げだ。」
冬馬はそう言って、空間内に自分の魔力が無くなるまで注ぎ続けた。
刀身はだんだんと茶色から黒に変わっていき
柄の部分も、黒く染まっていった。
バタッ…
魔力を全て注いだ冬馬は、疲労感が最大になり倒れてしまった。
4時間後、目が覚めた冬馬はふらつきながらも、自分が作った片手剣を片手に洞窟へと戻った。
「くそ…全然体に、力がはいらねぇ…」
それもそうだ、いくら魔力が多くあるからといって3つのスキルを同時に使い。
さらに、自分の魔力を空間内に注ぎ込んだのだから。
「だが、結構強そうな剣が手に入った
……な……」
そう言って冬馬は、また眠りにつくのだった。