クロ
目が覚めたのは、目がチカチカするほどの真っ白い部屋だった。
「ここは...どこだろう?」
ただただ白いだけの部屋で、あるものと言えば、真っ黒なスマホと、置き手紙。周りを見回すも、出入り口となりそうな扉は一切ない。ずっと暗いところにいたせいだろうか。眩しすぎる。
(なんだろう?)
私は床にあった置き手紙を手に取り、読む。
『そこのスマホを起動しろ』
書いてあったのは、たったそれだけ。私は、することもなかったので、スマホを手に取り、電源をつける。すると、画面のなかにかわいらしい猫耳をつけた女の子の絵が出現した。
『やあ、君が天野皐月さん?ずいぶんとかわいらしいお嬢さんが選ばれたもんだ』
猫耳ちゃんが話しかけてくる。
「良くできたAIだな」
私は感心してそう呟いた。
『それはどうもどうも。今から君に色々と説明するから聞いてね?』
彼女はあざとくウィンクすると話始めた。
『まずはボクの名前から。ボクの名前はクロ。よろしくね。
とか、そういう自己紹介は後々に。
まず、これでできることを教えるよ?えーっと───』
ようやくすると、
このスマホは、物体を収納することができる。もちろん容量は決まっている。
次に、自分のステータスを見ることができる。後、色々とスキルとかをとれる。
他にも、通信とか、クロと会話とか、クロを実体化して外に連れ出したりとか、クロのステータスとかスキル弄ったりとか、ポイント使ってアイテムを購入したりとか、売ったりとか、武器作ったり防具作ったりできるらしい。
『───そして、もうひとつ重要なのが、装備を一瞬で変更できる』
とまあ、そんな感じらしい。