5話
「そ、そうだね………」
「どうしましたか?」
「いや、別に………」
「お互いの魔法を発表し合う事にしましょう。他の人に気軽に話す必要はないですが、私たちの間で隠しておく必要はありません」
「そうだね………」
「楽しみです」
アイちゃんはずいぶんとテンションが上がっているようだ、きっと素晴らしい魔法をゲットしたに違いない。変に期待させたくないから、すぐに言ってしまおう。
「僕は『マシュマロ魔法』」
「え?」
「マシュマロ魔法」
「マシュマロというのは、あの白くてふわふわの………」
「僕は神様からマシュマロ魔法を授けて頂いた。これで、いつでも好きな時に好きなだけマシュマロを生み出すことができる。大きさも自由自在だ」
「………本気ですか?」
アイちゃんは思った通りのリアクションだった。
「本気ですかって何?本気に決まってるじゃん」
「申し訳ありません、なんというか………素敵な魔法だと思います」
「褒められている気がしないんだけど」
「まあまあまあ、そんな顔しないでください。次に期待しましょう。レベルアップすれば他の魔法を覚ることもあるかもしれません」
不自然なほど優しく微笑むアイちゃんがいた。
「マシュマロ魔法をハズレみたいに言わないでよ!神様が授けてくれたものなんだから、素晴らしい力を持っているに違いないよ」
「私の記憶では「適当な魔法をくれてやる」と言っていたような気が………」
「駄目だよアイちゃん!そんなこと言って聞かれてたらどうするんだ。もっと感謝しないと」
優作はキョロキョロとあたりを見回す。
「………本音は?」
「何がマシュマロ魔法だよふざけんな!僕が欲しかったのは『暴食』とか『邪眼』とかだよ。なにがマシュマロだ、ふざけんな!人間を舐めるのもいい加減にしろ!」
地面を思いきり踏みつけた。
「それはさすがに言い過ぎでは………?聞かれていたらどうするつもりですか」
「アイちゃんが言わせたんじゃない!」
「そんな、人のせいにして………神様、どうかこのデブに天罰を………」
「祈るな!やめてくれ!」
乾いた風が優作の頬をかすめる。
見渡すかぎり赤茶けた岩肌と乾いた地面、空気は妙に薄く、重力すら少し軽く感じられた。
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