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箴言 あるいは眠れぬ夜の独言

作者: 朽木 祐

 人生の中で音もなく訪れる唯一の出来事といったら、死ぬことだけしかない。その他のことは、聞きおとしているだけで、たいてい騒がしく何らかの騒音を伴っているか、あるいは自らを予告している。

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 文句を言っていれば誰かが何とかしてくれると言う発想は、権力と相性がいい。権力とは、命令しさえすれば人が動くということだからだ。

 被支配民が奴隷の境遇に深く落ち込むほど権力は栄える。両者が同じ発想を抱くようになるからだ。

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 愛について語られるのは常に愛が終わってからだ。

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 自分が作った料理がまずく感じるようになったら、鬱病を疑った方がいい。もしも配偶者が作ったものがそう思えるなら、忍耐力の試練の時がきたのである。

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 努力の価値について。

 ぬかるみが無辺に広がっていると思いこむよりも、どこかに美しい庭があると信じていた方が楽ではある。だが、どんな庭でも元をただせば踏み固めたぬかるみだということがせいぜい事実である。

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 死後に世界があるかどうかを疑うことに意味はない。

 世界は常に、自分以外の誰かが死んだ後に残されたという相貌をとって現れる。

 遺言という行動は、この世界の現れの前提においてのみ意味を持つ。

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