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4.異世界転移



彼は俺がこの場所から動かない事に苛ついていた。


「おい!てめえ、早く消えろ!殺されてえのか?」


「...あ、い、いえ」


変わらず震える声。しかしそれとは反対に固まる拳。


...そうだ、彼女を逃す。それだけ...なら、奇襲をかけるのが一番現実的だ...そこらに転がる空瓶や木材など武器はあるが、それを使えば警戒される。


(...だったら、一発殴って...怯んだその隙に彼女を逃がす)


もしかしたら俺は傷害で捕まるかもしれない。けれど、彼女を見捨てた時の後悔を考えれば、どうということはないように思える。


距離はこの場所からダッシュすれば数秒もなく一発入れれるだろう。

...大丈夫だ。心臓はうるさいが、不思議なことに頭は冷静でいられている。




――よし、いくか。



「おい!お前...」


そう怒鳴りかけた途中。俺はその言葉の続きを拳で遮った。


思い切り殴った。初めて、人を。


衝撃によろめく男。女子高生を奴から引き剥がすことに成功した。


「逃げろ!!」

「あ、え...あ」


「早くッ!!」


我ながらビビった。こんな張った声が自分からでるなんて。


ふらつきながら走り出した彼女。その時、拳に痛みが走った。


(...いってえ!な、なんだこれ...!?手が倍くらいに腫れ上がっている...!?も、もしかして、骨折れてる...のか?)


その痛みが激痛へと変わり始めたその時、後ろから声がした。


「死にてえみてえだなァ? オッサン」


――ドン


後ろから体当たりされ、衝撃でよろけた。


やべ、俺も逃げないと。そう走り出そうとしたとき、異変に気がついた。



...あ。


背に刺さるナイフ。


「イキってんじゃねえぞ、中年オヤジが!ばーか!はははっ、しねや」


(いったい!!痛い痛い痛い痛い!?熱い!熱くて痛い!!)


信じられない程の激痛に、呼吸がままならない。いや、もしかするとナイフが肺にまで達しているのかもしれない。


...まさか本当に死ぬのか?ぼこぼこにされて、社会的に死ぬとか...そういう事をイメージしてたが...これはリアルに死ぬかもしらん。


足をつたい落ちる大量の血液。


(あああ...やべえ、動けない...)


よろよろとするだけで前へ進めない俺を男は殴り罵声を浴びせる。


「残念だったな!ゴミ野郎!!お前死ぬぜ?見ろよ、ほらほら...この血の量!!お前はあの世行きだ!!はははは、ウケる!!」




月明かりに照らされたその姿に、驚く。




こいつも学生服...まだ...子供。



(何やってんだよ...クソ)



まあ、俺...もう死ぬし、最期に一踏ん張りするか。




「なあなあ!悔しいかあ、オッサン?あははは!!」


「...ああ、そうだ、な」


バキィッ!!


俺は男の顔面へ折れた拳をもう一度叩き込んだ。



「俺は...まだ、32だクソガキ」



...更生、出来んのかな...こいつ。




ドサッ




...あの...女子高生は...も...だ...かな



...なに...みえな...























――暗い。




これが、死。




『...やっと捉えました!今度こそ召喚に応じてください!!』



召喚?何を言ってるんだ...




...?



なんだ、光が...明るい?







「...ん...?」


目を開くと、そこは。



――生い茂る木々と。



「...は?え?」



――響き渡る、鳥の鳴き声。



「ここ...どこだ?...ていうか俺、あれ?死んだ...よな?」


刺されたはずの所を触れてみても、ナイフはおろか傷口すらない。

そして、折れた筈の拳も...。


「手、折れてない...痛く、ない」



そしてふと自分のいる場所が陰になっていることに気がつき、後ろへ振り返った。


そこには大きな碑石があった。それには謎の文字が彫られており、知らないはずの文字だが不思議と内容が理解できた。


「...空間転移...召喚碑?」








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