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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

死にたがり

作者: 藍沢 明

ちょっとエッセイに近い、日頃思ってることを書きました。誰か救われますように。


死にたいと思ったことはないだろうか。


私はある。よく死にたがる人間だ。ないという人が不思議なくらいだ。何か嫌なことがあると「ああ死にたい」と思うし、死ねば楽になれると思うことが多々ある。しかしどうやら、この感覚は普通ではないらしい。普通は「生きたい」「死にたくない」と思うもので、常に死にたいと思う人は病気の可能性があるようだ。


昔から死にたいと思っていたので何も不思議に思わなかった。初めてその感情を抱いたのは小学生の頃だったと思う。普通の感情ではないと知ったとき、とてもつらくなった。死にたいと思うのはいけないことなのか?生きるのが嫌になるのはだめなのか?「死にたいなんて言っちゃだめ、生きたくても生きられない人がいるんだよ。」「あなたが無駄にした昨日は誰かが死ぬほど生きたかった明日。」etc............。 何度聞いたことだろう。私だってこの残りの人生を捧げて、他の人が楽しく生きられるというのなら喜んで捧げる。臓器移植のように、死んだあとも誰かのために役に立てるのなら本望だ。私は人生を無駄にしたいけじゃない。誰かの分まで生きられるなら生きていたい。でもそう思えないのだ。できないことを言わずに、死にたい人も生きたい人も、どちらの人も幸せになれればいいのに。人生を捨てないような希望を与えられればいいのに。




さて、死にたいとは思うけれども、それを実行したことはない。具体的に考えると自殺はとても現実的に難しい。例えば睡眠薬。きっと眠るように楽に死ねるだろうが、残された人たちは大変だ。遺体の処理、葬式、その他手続きなどなど、時間もお金もかかるものばかりだ。人に迷惑をかけるような死に方はしたくない。線路に身を投げるなんて論外。鉄道会社への賠償金誰が払うんだ。自分で深く土を掘って生き埋めになればいいのかな?でもたぶん何かのきっかけで捜索願を出されて探される費用がかかる。第一に1人じゃそんな穴掘れないし埋められない。自分が思うに理想的なのはこの世に自分がいたことを消し去ることだ。これまで関わった人全てから私の記憶を消し去ってしまえばいい。そして物理的にも消せれば遺体の処理もいらない。まあ、どうがんばっても現代の技術では不可能だし、死ぬ前に莫大なお金がかかるが…。


そんなこんなで私の死への計画は終わり、結局生きることになる。死ぬのが面倒になる。でも死にたいって生きたいの裏返しかなあとも思う。死にたいと言う人の大概は、誰かに「死にたい」というなりSNSに投稿するなりするのだろう。その行為には矛盾がある。本当に死にたい人は1人で何も言わずに死んでいくはずである。なぜ一般的に止めると思われる他人に言うのか。そこには死ぬのを止めてほしいという気持ちや、誰かに察してほしいという欲求などなど、複雑な感情が絡んでいると思う。だから自分は、死にたがってる人にはちょっと寄り添って「死ぬほどきつかったのかなあ」と言ってあげたい。そして「死ねば楽になれると思うかもだけど、死ぬのも割りと大変じゃない?」と言いたい。



つらつら話してきたが、こんな死にたがりの気持ちよく解らないという人も多いのではなかろうか。死にたいなら死ねば?って感じかな。はたまた人間は幸せになるため、生きるために産まれたんだ!って感じ?そのような考えでも知っていてほしい。死にたがりに本当に死にたい人はほとんどいないということを。「死んじゃだめ!」じゃなくて「死ぬほど辛かったんだね」と少しでもいいから寄り添ってほしいことを。



以上、死にたがりからのお話でした。今度は生きたがり話も聞きたいな。

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― 新着の感想 ―
[一言] 人によっては、人生のスタートラインから幸福に満ち溢れてたり、不幸に満ち溢れてたりと大差がすごいですよね…… 心の闇の部分を否定されるのは辛いし、どちらかというと、寄り添ってほしいと私も思いま…
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