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Let's Go! ドールプリンセス・完全版  作者: 見習いさん
第1章 ダイヤモンド~Diamond~
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第9話 つぼみ、晴斗と初デート!?

ポートフロンティア学園中等部での昼休みでのこと。

「つぼみ、今度の日曜日は空いている?」

「そ、そうだけど…」

「二人で遊園地に行こう」

「ありがとう!」

つぼみは晴斗からの誘いを引き受けると、

「晴斗くんと二人っきりでお出かけ、とっても楽しみ!」

と胸を膨らませていた。

 その様子を沙奈とアリスは、

「つぼみちゃんと晴斗くんが二人でお出かけするなんて、ドキドキするわね!」

「二人にとって、絶好のチャンスです!」

と二人の関係に興味を持っている。

 つぼみちゃんと晴斗くん、幼いころからずっと一緒らしいよ」

「そうですか。知りませんでした」

「確か、つぼみちゃんが転んだとき、晴斗が助けてくれたことを聞いたような…」

 それは、小学校五年生のころ、林間学校で起こった出来事だった。

「きゃー!」

「つぼみ、大丈夫?」

「左足がちょっと…」

「ん?膝に擦り傷がある。ちょっとばんそうこうを貼るから、動かないでね」

「うん」

 晴斗は、つぼみの左膝に傷ばんそうこうを貼る。

「ありがとう!晴斗くん」

「どういたしまして」

つぼみは晴斗に助けてもらったのだ。

 「なるほど、そういうことですか」

「これはとっても素敵なエピソードね!」

つぼみと晴斗が幼稚園のころからの幼なじみであることは、沙奈とアリスにも知れ渡っているようだ。


 その頃、未来世界のネメシス財団本社ビルにあるダークミラージュ専用の個室では、ダークミラージュが横中市の現状を見ていた。

「ここが、日本のどこかにある中核都市、横中市ね…確かに、横浜と富山を組み合わせたようなイメージがするわ…」

ダークミラージュは、水晶玉を見つめている。すると、

「あの遊園地に行ってみたい」

と言い出した途端、アルファが現れた。

「あら、今、何か言いましたのよ?」

「横中市のスカイスクエアという遊園地に行きたいと言っただけよ」

「じゃあ、私も行こうかしら」

「今回だけね」

アルファは、ダークミラージュが初めての人間界へ行くことの付き添いをすることになった。

「何をするつもり?」

「横中を偵察するわ」

「じゃあ、会いたい人がいるってこと?」

「それは…」

ダークミラージュが初めて横中に行く目的を多くは語らなかった。


 そして、待ちに待った日曜日。

「今日は、これで決まり!カジュアルなデニムジャケットに、白と黒のチェック柄のタイトスカート!」

つぼみは、デート用の衣装に着替える。

「パパ、この服装は似合っている?」

「似合ってますよ」

「ありがとう!」

つぼみの服装を、パパは気に入っていた。

「それじゃあ、行ってきます!」

「行ってらっしゃい」

つぼみが家を出ると、晴斗が待っていた。

「待たせたね」

「晴斗くん、出発しよう」

「そうだね」

つぼみと晴斗はスカイスクエアへと向かう。

 そこには、多くのお客さんがいた。

「週末だから、多くの人たちが訪れているみたい」

つぼみと晴斗は、入口へ向かう。

「ようこそ、スカイスクエアへ!何名様ですか?」

「中学生二人です!」

「今日は、高校生以下無料なので、入ってください!」

「ありがとうございます!」

「では、ごゆっくりどうぞ」

つぼみと晴斗は、スカイスクエアに突入する。


「まずは、どこから乗ろうかな?」

「観覧車に乗ろう」

「そうだね」

「スカイスクエアのシンボルマーク!」

「さすがだね、つぼみ」

つぼみと晴斗は、観覧車に乗る。

 「あっ、見えたよ」

「シンボルタワーに白銀山脈!」

「隣町につながっている橋も!」

「小さくなって見える!」

ジオラマのように見える横中市の風景を、つぼみと晴斗は観覧車のてっぺんから見下ろしていた。

 「すごい!」

「なんてスピードだ」

その後もジェットコースターに乗ったり、

「て、手、つないでいい?」

「いいよ」

メリーゴーランドにも乗ったつぼみと晴斗は、初めてのスカイスクエアを満喫していた。

 そんな中、ダークミラージュとアルファもスカイスクエアにスタッフの許可を取らず潜入していた。

「混んでますわね…」

「どこに乗りたい?」

「ねえ、このメリーゴーランドに乗りましょ!」

「そうね」

「でも、私たち、お金なんて持ってませんわ」

「なら、私に任せて」

ダークミラージュの魔法で従業員たちを睡眠させて、アルファとともにメリーゴーランドを占拠することに成功した。

「これを魔獣にするのはいかがいたしましょうか?」

「そうね」

ダークミラージュとアルファは早速魔獣の生成に取り掛かる。


 「お待たせしました!クリームソーダとアイスティーです」

「ありがとうございます!」

つぼみと晴斗はカフェで一休み。その時、チララがつぼみのカバンから出てきた。

「大変だ!怪しい予感がする」

「また魔獣が!?」

「今度はメリーゴーランドで魔獣の気配を察知した。今すぐそこに行こう!」

「うん!晴斗くんはここで待ってて!」

「分かった!」

つぼみとチララは、メリーゴーランドへ向かう。

 そこで待っていたのは、アルファの姿だった。

「あら、またお会いすることができて光栄ですわ。では、本日の魔獣ちゃんはこちら!舞踏会の魔獣ですわ!」

アルファの合図で、シンデレラの舞踏会をイメージした舞踏会の魔獣が現れた。それも、かぼちゃの馬車に乗って、シンデレラが現れるという本物そのままの光景だった。

「さあ、変身よ」

つぼみは、プリンセスミラーでラブリーピンクに変身する。

「ピンク・ジュエル・パワー!ドレスアップ!」

つぼみをピンクの光が包む。

「愛のプリンセス・ラブリーピンク、見参!プリンセスステージ、レッツスタート!」

 ラブリーピンクが現れると、魔獣がこちらに向かってくる。

「さあ、やっちゃいなさい!」

「きゃー!」

「オーホッホッホッホッホ!これで勝利をつかむことは間違いありませんわ!」

ラブリーピンクは魔獣との戦いに大苦戦。


 その頃、晴斗は何かを思いついた。

「今頃、ラブリーピンクは舞踏会の魔獣に苦しんでいる。そうだ。時計を十二時にしてみるしかない。十二時の鐘が鳴ったら、シンデレラの魔法が解けるのだから」

晴斗は、スカイスクエアの管理人のところへと向かう。

「すいません!時計の針を十二時にすることはできませんか?」

「何の用だ?」

「今、大ピンチになっています!このままでは、スカイスクエアが崩壊するかもしれません!」

「分かった」

管理人の計らいで時計の針を十二時に合わせる。すると、

「カーン、コーン」

と鐘が大きく響いた。

「もう十二時ですわ!そろそろ舞踏会をお開きにしますのよ!」

慌てだしたアルファに対して、

「プリンセスステージ、ライブスタート!」

ルビーの輝きを授かったラブリーピンクによる魔獣の浄化がはじまった。

「Tell me 私に」

「愛の本当の意味を」

「答えてくれるのなら」

「きっと変わるはず」

「たとえ遠く離れても」

「会えなくなってしまっても」

「心の中でつながっている」

「君に向けて I love you」

「向かい風に吹かれても」

「君を感じて I feel you」

「私だけのLove Song」

「ルビーの輝きでパワーアップ!乙女の愛!ルビー・スイート・ハート!」

ラブリーピンクがハートを描き、魔獣に向かって放つと、魔獣は跡形もなく消えていった。するとそこから、ガラスの靴ならぬマジカルストーンが落ちてきた。

「ちゅ、ちゅ、ちゅっぴー!」

とチララはマジカルストーンの気配を察知した。マジカルストーンが落ちていく方に行くと、

「キャッチ!」

とチララがマジカルストーンを回収することに成功した。それをつぼみのプリンセスミラーに認識して、

「ローズクォーツ。ローズクォーツのピンク色は、光に敏感で、退色しやすい。この色は、不純物として混入している微量のチタン、鉄、マンガンに由来するとされる。近年のX線元素分析では、この色は光学顕微鏡で観察可能なレベルのデュモルチェライトの繊維によるという結果も出ている。しかしながら、デュモルチエライトは単独の結晶としては滅多に産出しないもので、従って、呈色はリン酸塩やアルミニウムによると考える意見もある。バラ色に光るマジカルストーンだ」

「それではまた次回、輝く世界でお会いしましょう!プリンセスステージ、ハッピーフィナーレ!」

お客さんのスタンディングオベーションに包まれて、ラブリーピンクが勝利宣言する一方で、

「もう、今日も負けちゃったじゃないの!」

アルファは未来世界へと帰っていった。それに対して、ダークミラージュは、

「すごく気になる人がいる。私と同じ年齢の人を」

と何かを気にしながら未来世界へと帰っていった。

「これで、ラブリーピンクによってスカイスクエアの平和は守られた」

晴斗はこうつぶやいた。


 「つぼみの家、ここで合っているかな?」

「そうよ」

「学校から近いのか?」

「まあまあ」

「つまり、徒歩で通っているのか」

「そうね」

晴斗はつぼみの家のインターフォンを押す。

「お邪魔します」

「どうぞ、中に入って」

「ありがとう!」

すると、つぼみのパパが帰りを待っていた。

「ただいま!」

「お帰りなさい」

「さあ、おやつにしよう」

「そうですね」

 つぼみのパパがおやつを持ってくる。

「今日のおやつはシュークリームです」

「晴斗くん、一緒に食べよう」

「うん」

「では、いただきます!」

「いただきます」

「召し上がれ」

つぼみと晴斗がシュークリームを食べていると、つぼみはチララに何かを与えた。

「さあ、チララもおやつだよ」

「これ、プリドリンクだ!」

プリドリンクをチララが飲む。

「ごくごく、ちゅっぴー!最高だ!」

「プリドリンクはね、果物をプリシェイカーに入れたチララ専用のドリンクなの!こないだ、プラチナから教えてくれたんだよ」

「そうなんだ!」

その時、つぼみのスマートフォンにプラチナから電話がかかってくる。

「もしもし?」

「もしもし、つぼみ。マジカルストーンの捕獲は順調に進んでいるか?」

「はい!」

「それもいいけど、チララのお世話も忘れてはいけない。チララは、君たちプリンセスドールズにとって大切なパートナーだからね」

「チララのこと、私たちが守るからね!」

「頼んだよ!」

つぼみはチララにこう決意を述べた。

「それじゃあ、またね」

「またね」

つぼみはプラチナからの電話を切ると、

「それにしても、チララはすごいね!」

「ああ。マジカルストーンの回収に役立つしね」

「ちゅっぴー!」

チララは優れたチンチラだとつぼみと晴斗は語った。


 一方その頃、ダークミラージュはスカイスクエアでの出来事を語る。

「スカイスクエアで見かけた少女、彼女の首にかけている宝石、鮮やかなピンクの輝きを放っている…これは、ネメシスと対立しているのかしら?」

それは、つぼみとダークミラージュが敵対していることを意味していた。

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