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Let's Go! ドールプリンセス・完全版  作者: 見習いさん
第2章 パール~Pearl~
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第37話 琴音の大好き、見つけた!

「迷子の迷子の 子猫ちゃん」

「あなたのお家は どこですか」

「お家を聞いても わからない」

「名前を聞いても わからない」

「ニャンニャン ニャニャーン」

「ニャンニャン ニャニャーン」

「ないてばかりいる 子猫ちゃん」

「犬のおまわりさん 困ってしまって」

「ワンワンワンワーン ワンワンワンワーン」

「迷子の迷子の 子猫ちゃん」

「この子のお家は どこですか」

「カラスに聞いても わからない」

「スズメに聞いても わからない」

「ニャンニャン ニャニャーン」

「ニャンニャン ニャニャーン」

「ないてばかりいる 子猫ちゃん」

「犬のおまわりさん 困ってしまって」

「ワンワンワンワーン ワンワンワンワーン」

横中の繁華街で、男はこんな歌を歌っていた。

 通りすがりの高校生を見かけると、

「何だ、お前か、あっち行け!」

と叫び、高校生は走ってその場から去っていった。


 その頃、一人で横中を歩き回っている琴音。

「何よ、ひどい落書き…」

すると、琴音は建物の壁に落書きされている光景を目撃する。

「見つけたな」

「あの声は!」

男のささやきで、落書きが動き出す。しかも、その正体こそ、元ポートフロンティア学園中等部教諭の西野だった。西野は、ダイヤモンドのマジカルストーンをプリンセスドールズに奪われたことに対する復讐のために横中を訪れていた。

 「ここでの借りはここで返す!」

西野の合図で、子供によってクレヨンで描かれた落書きの魔獣が現れた。

 「さあ、ショータイムのはじまりよ」

琴音は、エースミュージックポッドでドールプリンセスに変身する。

「スカーレット・プロミネンス!ドレスアップ!」

赤と黄金色の光が琴音を包む。

「炎のプリンセス・スカーレットエース、見参!プリンセスステージ、レッツスタート!」

 スカーレットエースが現れると、

「やってやれ」

と西野の言葉で魔獣の戦いに火蓋が切られた。すると、

「一瞬でけりを付けて見せる」

とスカーレットエースは魔獣の手下を抹殺する。さらに、

「ここで負けるわけにはいかない。心の炎で燃やして見せる!」

とプロミネンスエースカスタネットを両手に構えて、魔獣を波状攻撃する。

「何だと!?」

スカーレットエースの圧倒的なパワーやスピードとテクニックに、西野は呆然と立ち尽くすしかなかった。


 「さあ、クライマックスよ」

スカーレットエースはエースミュージックポッドにガーネットのマジカルストーンをセットする。その力をプロミネンスエースカスタネットに授けると、

「プリンセスステージ、ライブスタート!」

スカーレットエースによる魔獣の浄化が始まった。

「すごい駆け足 橋を渡った」

「あなたの元にサプライズ訪問するわ」

「電話したい」

「メールしたい」

「それでも まったく時間はない」

「愛の太陽」

「いつも心の中で晴れている」

「こんなに心震えるの 初めて」

「愛の太陽」

「周りに雲一つない」

「言えないけどあなたが好き」

「ガーネットの輝きでパワーアップ!乙女の力!ガーネット・スカーレット・ファイヤーワークス!」

スカーレットエースがプロミネンスエースカスタネットを魔獣に向けて響かせる。すると、魔獣は跡形もなく消えていった。

「ちゅ、ちゅ、ちゅっぴー!」

とチララはマジカルストーンの気配を察知した。マジカルストーンが落ちていく方に行くと、

「キャッチ!」

とチララがマジカルストーンを回収することに成功した。それをエースミュージックポッドに認識して、

「ちゅちゅ!これは、ロイヤルクリスタル・レッド!強い力を持つプリンセスジュエルだ!」

「それではまた次回、輝く世界でお会いしましょう!プリンセスステージ、ハッピーフィナーレ!」

スカーレットエースが勝利宣言する一方で、

「くっ、プリンセスドールズめ…」

現場にパトカー数台が現れ、西野は身柄を警察に拘束され、再び逮捕された。


 その後、琴音がやってきた場所は、

「行ってみたかったわ」

という陶芸工房だった。

「すいません!誰かいますか?」

「入っていいんじゃよ」

「ありがとうございます!」

すると、中からおじいさんが現れた。

「君も陶芸をやってみたいんじゃのう?」

「はい」

おじいさんに導かれて、琴音は中へと入る。

 そこには、信楽焼のタヌキがたくさん置かれていた。

「信楽はどこにある?」

「滋賀県の甲賀地方に存在するのじゃ。ところで、君は、陶芸をやったことはあるのか?」

「初めてです。それにしても、すばらしい作品ですね」

「全部わしの自信作じゃ」

琴音は、おじいさんが作った陶磁器に感銘を受ける。

「初心者の人には、自分にピッタリな作品を作った方がよいのじゃよ」

琴音は、おじいさんのアドバイスを受けながら作品作りに取り掛かる。

「土って、私が想像した以上に暖かいね」

「ちょうどいい水分量にするのじゃ。成形を行う前に、胎土の中に入った空気を取り除く必要があるのじゃ。この作業は脱気と呼ばれ、真空土練機を使うか、もしくは手で土練りして行われるのじゃ。土揉みには胎土全体の水分含量を均一にする働きもあるのじゃおy。胎土の脱気・土揉みが済むと、さまざまな技法を用いて成形が行われるのじゃ。成形した胎土は焼く前に乾燥されるのじゃよ。乾燥にはいくつかの段階があるのじゃ。『半乾き』は水分がおよそ15%の段階を指すのじゃよ。この段階の胎土は非常に堅固で、可塑性は大きくないのじゃ。削りや、取っ手の取り付けなどはこの段階で行われることが多い。『絶対乾燥』は水分がほぼ0%となった段階を指すのじゃ。焼く前のものは生素地と呼ばれるのじゃ。この段階の胎土は非常に脆く、簡単に壊れてしまうのじゃから、気を付けるのじゃ」

琴音は、土特有のぬくもりを感じながら土を練っていく。

 「これは、何ですか?」

「ろくろと呼ぶのじゃ。昔は手動じゃったが、今は電動なんじゃよ。急速に回転する轆轤の上で、柔らかい粘土の球が手で押され、潰され、上方もしくは外側へと引かれ、空洞のある形が作られていくのじゃ。粗い粘土の球を下方と内側に押して完全な回転対称とする最初の工程は『心出し』『土殺し』と呼ばれ、以降の工程に入る前に習得すべき重要な技能であるのじゃ。それから、穴を開け、広げ、底を作り、壁面を挽き上げ、厚みを均等にし、切り揃えて形を整え、足を作るなどといった作業を行うのじゃよ」

おじいさんがろくろについて紹介する。その後、

「ろくろを回すって、意外と簡単ね」

「難しいと思える作業じゃが、コツをつかめばいい作品に仕上がるのじゃ」

おじいさんは、琴音の才能を褒めた。

 「ここをそっちにつけて…」

琴音は、円形の土台に取っ手を左につけると、

「これで完成ね」

「すごい仕上がりじゃ!」

こうして、マグカップが出来上がった。

 その後、日当たりのいい場所に乾燥して、1200℃の釜で焼き上げた作品を琴音が絵を付ける。

「花のデザインにして…私にピッタリな作品ができたわ!」

と会心の出来栄えだ。


「おじゃまします!」

「ようこそ」

「いらっしゃい」

その頃、つぼみたちはプラチナの家にいた。

「ところで、琴音は?」

「それが…まだ来ていないのだが…」

琴音を待ちわびるつぼみたち。

しかし、その時だった。

「はっ、みんな!こ、こないだは本当にごめんね!」

「ううん、気にしなくていいよ」

琴音はつぼみたちにそれまでのことを謝る。

「ねえ、琴音。私たちの仲間になってもいい?パールのマジカルストーンをかけて、『発表会』と銘打つネメシス財団との大一番が控えているのだから」

そのうえで、つぼみは今度こそ琴音に仲間になってもらえないか尋ねる。

「いいわよ。あなたたちの気持ちを分かってくれるのなら」

と琴音は承諾したようだ。

「これからもよろしくね」

「ずっと私たちの友達です」

「おかえり、琴音」

「みんなありがとう」

琴音は、沙奈・アリス・蘭に祝福された。

 「そうそう、あなたたちに見せたいものがあるの」

琴音は例のものをつぼみたちに見せる。

「これは?」

「私が作ったマグカップよ」

「本当にいい作品ね!」

つぼみは、マグカップに感動する。そんな中、アリスはマグカップにあるデザインが施されていることに気づく。

「そういえば、マグカップに描かれた花、私たちと同じイメージカラーを使っているのではありませんか!」

「その通りよ。私たちがここで出会った証」

「こんな秘密があったのですね!」

琴音はつぼみたちに秘密を明かした。

 「そういえば、学校はどうするの?」

「あなたたちとお同じポートフロンティア学園中等部に通うことにしたわ!まずは転入手続きを済ませて、三学期からそこに通うことになるの!」

琴音はつぼみたちに、聖コメット学園中等部からポートフロンティア学園中等部へ転入することを伝えると、

「みんなの力になれるよう、がんばるわ!」

と、好きなものを思い出した琴音は、つぼみたちの仲間に正式に加わった。

 「プリンセスドールズは、最初はラブリーピンクに変身する愛沢つぼみ・アクアブルーに変身する雪海沙奈・シトラスイエローに変身する野々原アリスの三人でスタートしたが、ダークミラージュから転生したトウィンクルパープルの星空蘭、そして、孤独から解放されたスカーレットエースの神門琴音が加わって、頼もしさや力強さが加わった。グループとしてのまとまりもすごくよくなったと思うし、大みそかにあるネメシス財団との決戦に向けてよい準備ができたと思う。あとは、パンドラの箱から解放されたピュアロイヤルメイクドレッサーの覚醒を待つだけ」

チャミィは、今のプリンセスドールズについてこう語ったのであった。


 一方その頃、未来世界にあるネメシス財団の本社ビルの地下倉庫では、怪盗トリオが大掃除を行っていた。

「一足早い大掃除、行きますわよ!」

「ガッテンだ!」

怪盗トリオが掃除を進めていくうちに、

「もういくつ寝るとお正月」

「お正月には 凧あげて」

「駒を回して遊びましょう」

「はやくこいこいお正月」

「もういくつ寝るとお正月」

「お正月には 鞠ついて」

「おいばねついて 遊びましょう」

「はやくこいこいお正月」

ベータとガンマがお正月を歌っていると、

「何を歌っているのですの!?もうそろそろ大みそかの発表会の前哨戦となるウィンターキャンペーンが始まりますわ!」

「わ、忘れてた!」

「し、しまった!」

アルファがぶち切れして、ベータとガンマは焦ってしまう。

「キャンペーンの期間中は、巨大な魔獣を生み出さなければならないという特別ルールがありますからね!」

「うかうかしてはいられない!」

「みんなが楽しみにしてるクリスマスと大みそかを、俺たちの手で台無しにしてやる!」

どうやら、怪盗トリオは、令和最初のクリスマスと大みそかの主役を狙うようだ。

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