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Let's Go! ドールプリンセス・完全版  作者: 見習いさん
第2章 パール~Pearl~
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第36話 パンドラの正体!ピュアロイヤルメイクドレッサー!

 怪盗トリオからの予告状を頼りにつぼみたちが体育館へ向かうと、そこには怪盗トリオの姿があった。

「あら、ここでお会いすることができて本当に光栄ですわ」

「約束通りここに来たんだな。機は熟した。そろそろ、俺たちと勝負しようじゃないか!」

「いつもやられてばかりの俺たちだが、今日という今日こそは絶対に負けるわけには以下ない!」

怪盗トリオはいつもより闘志を燃やす。

 それでも、つぼみたちも気合十分だ。

「さあ、変身よ」

「うん」

つぼみ、沙奈、アリスはプリンセスミラーで、蘭はプリンセスムーンスターで、それぞれドールプリンセスに変身する。

「ピンク・ジュエル・パワー!」

「ブルー・ジュエル・パワー!」

「イエロー・ジュエル・パワー!」

「スター・アンド・ムーン!」

「ドレスアップ!」

「愛のプリンセス・ラブリーピンク、見参!」

「水と氷のプリンセス・アクアブルー、見参!」

「花のプリンセス・シトラスイエロー、見参!」

「星と月のプリンセス・トウィンクルパープル、見参!」

「私たち、プリンセスドールズ!プリンセスステージ、レッツスタート!」


 プリンセスドールズが現れた途端、怪盗トリオはパンドラの箱を開けようとする。

「いいですの?パンドラの箱を開けるときは来ましたわ!」

「ガッテンだ!」

パンドラの箱を開けるべく、ベータとガンマがナイフを入れようとした。

 しかし、その時だった。

「ちょっと待って!」

「何だと!?」

「私たちの邪魔をするつもりですの!?」

ラブリーピンクの一言で、怪盗トリオは作業を止める。

「この箱を開けると、何かの呪いが起きるかもしれない!」

 すると、怪盗トリオが持っていたパンドラの箱がアルファの手元からすり落ちて、真っ逆さまになった。

「あっ、俺たちが大切にしてきたパンドラの箱がない!」

「誰だよ、落としたのは!」

焦っている怪盗トリオだが、プリンセスドールズは容赦をしない。

 「今がチャンスよ」

「うん」

トウィンクルパープルがプリンセスムーンスターにアメジストのマジカルストーンをセット。その力をプリンセススタータンバリンに授ける。

「つないで!」

ラブリーピンク・アクアブルー・シトラスイエローは、ルビー・サファイア・シトリンのマジカルストーンをそれぞれのプリンセスミラーにセット。その力をプリンセスバトンロッドに授けると、

「プリンセスステージ、ライブスタート!」

プリンセスドールズによるパンドラの箱の浄化が始まった。

「Shining! 輝きを」

「いっぱい集めて」

「そのボルテージを」

「高めていこう」

「ここからまた始まる」

「私たちの物語」

「Star Light Stage」

「ときめいて」

「アイドルになっちゃおう」

「恥ずかしがらずに」

「Star Light Stage」

「一緒に」

「盛り上げていこう」

「一体感を高めて」

「Stardom!」

「今こそ、心を一つに!プリンセス・クアトロ・ストリーム!シャイニング!」

プリンセスドールズは円形にフォーメーションを形成し、プリンセスバトンロッドとプリンセススタータンバリンを魔獣に向ける。ラブリーピンク・アクアブルー・シトラスイエローがプリンセスバトンロッドで自分たちのシンボルマークを描き、トウィンクルパープルがプリンセススタータンバリンを響かせる。すると、真っ黒だったパンドラの箱が灰色に変わった。

 「アンコール、始めるよ!」

トウィンクルパープルがプリンセスムーンスターにダイヤモンドのマジカルストーンをセット。その力をプリンセススタータンバリンに授ける。

「つないで!」

ラブリーピンク・アクアブルー・シトラスイエローは、ローズクォーツ・アクアマリン・トパーズのマジカルストーンをそれぞれのプリンセスミラーにセット。その力をプリンセスバトンロッドに授け、パンドラの箱を白くする。

「瞳を閉じて」

「あのことを思い出してよ」

「嬉しいこと 楽しいこと」

「いっぱいあるはず」

「見えるもの 聞こえるもの」

「すべて知ってるとは限らない」

「だからこそ」

「今を生きていくしかない」

「一人じゃできないことも」

「みんながいればできるよね」

「1の力が100になる」

「不思議な魔法」

「心重ねる私たち」

「揃ったときに初めて」

「嘘なんて もういらない」

「真実の友情を感じたい」

「今こそ、心を一つに!プリンセス・ワンダフル・ギャラクシー!」

プリンセスドールズはひし形にフォーメーションを形成し、プリンセスバトンロッドとプリンセススタータンバリンを魔獣に向ける。ラブリーピンク・アクアブルー・シトラスイエローがプリンセスバトンロッドで自分たちのシンボルマークを描き、トウィンクルパープルがプリンセススタータンバリンを響かせる。すると、灰色の箱が白く変わった。

「何よ、私たちが目を話している隙にパンドラの箱が白くなるなんて!今度は絶対許しませんわよ!」

「なんだか俺たち」

「とっても嫌な感じ!」

パンドラの箱と呼ばれていた白い箱をプリンセスドールズに奪われた怪盗トリオはこう嘆いて未来世界へと帰っていった。


 「さあ、開けてみて」

その後、つぼみたちは箱の中を開ける。

「これこそ、本物のピュアロイヤルメイクドレッサー!」

「今すぐ王子様の家に行きましょう!」

「うん!」

つぼみたちはプラチナの家に急行する。

 そこでは、プラチナとカレン、チャミィが待っていた。

「やあ、お帰り。例のもの、見つかった?」

「はい!」

「じゃあ、ここに置いて」

テーブルにドレッサーを置くと、三面鏡が開いた。

「そういえば、琴音は?」

「今は…ここにいない」

「そんな!」

プラチナから琴音の現在の居場所を聞いて呆然とするつぼみたち。

 だが、ドレッサーの鏡に光の女神が映る。

「そんなことはないですよ」

「あの声は…久しぶりに!」

「元気にしていましたか?マジカルストーンはちゃんと集まっていますか?」

「はい!」

「なら、良かったです」

光の女神はつぼみたちの現状を聞いて一安心する。

 それから、

「琴音がどうして一人で戦っているのか、知りたいのですか?」

「はい。私たちと仲間になれそうでなれなくて」

光の女神は、知られざる琴音の過去について語る。


 それは、今から半年前のこと。琴音は横中市のお隣に位置する平南市にある聖コメット学園中等部に通っていた。

「神門さんが描いた作品が、コンクールで最優秀賞に入賞しました!」

琴音が有名な賞をとっても、クラスメイトは誰も喜んでくれない。

「まじで最悪だ」

「あんた、またいるのか」

「神門、もう学校に来ないで」

クラスメイトにそんな悪口を言われてしまった琴音だったが、

「弱い自分を変えたい!」

と想い、プリンセスジュエル・レッド&ゴールドにプリンセスジュエル・ホワイト、エースミュージックポッドを空から授かった。

「これさえあれば、もう何も怖くない…もう誰にも頼らない…」

こうして、琴音はスカーレットエースに覚醒した。

「さあ、ショータイムのはじまりよ」

その日から、

「スカーレット・プロミネンス!ドレスアップ!」

赤と黄金色の光が琴音を包み、赤から鮮やかなピンクになった髪を大きな赤いリボンで結ったサイドテールにツーピースのでへそ出しのドレスに身を包んだドールプリンセスの姿に変身する。

「炎のプリンセス・スカーレットエース、見参!」

しかし、琴音の周りには仲間は誰もいない。

「さあ、クライマックスよ。プリンセスステージ、ライブスタート!」

「暗くて深い 闇の向こうに」

「一人さびしく たたずんでいた」

「だけどもう 怖がらないで」

「それは迷いを 断ち切ったしるし」

「春風に向かって 旅立っていく」

「さあ 夢の扉を開こう」

「輝く未来に向かって 放つよ私だけのメロディ」

「愛を守るため みんなを守るために」

「きらめく世界に奏でる 私とあなたのハーモニー」

「あなたのそばにいる それがプリンセスなんだから」

「砂漠の街に 住んでいても」

「氷で覆われた 場所にいても」

「心はいつだって 一つだから」

「それは つながっているしるし」

「桜が舞う空 勇気を出して」

「さあ 一歩前へと踏み出そう」

「輝く今へと響く みんながつなぐメロディ」

「世界を守るため 宇宙を守るために」

「きらめく夢を目指して 一つになったハーモニー」

「みんなのためにいる それがプリンセスなんだから」

「人はみんなときめいている」

「だから ずっと忘れないで」

「心の輝きを信じて」

「輝く未来に向かって 放つよ私だけのメロディ」

「愛を守るため みんなを守るために」

「きらめく世界に奏でる 私とあなたのハーモニー」

「あなたのそばにいる」

「みんなのためにいる」

「それがプリンセスなんだから」

「乙女の力!スカーレット・ファイヤーワークス!」

琴音は平南市の平和を守っていくが、

「こんな町、退屈すぎる。別の場所へと行きたい」

と感じてしまい、横中へと引っ越すのであった。


 「そんな過去があったんだね…だから、琴音は今まで一人で戦ってきたのだね」

つぼみはこのことに、複雑な思いを抱えながら語った。

「プラット・ティム・フェアリーテイル、カレン・ピュアラ・フェアリーテイル。あなたたちに伝えたいことがあります。もしここに琴音が来たのならば、ピュアロイヤルメイクドレッサーは本当の力を出すことができるのでしょう。では、プリンセスドールズのことを頼みましたよ」

光の女神は、カレンとプラチナとつぼみたちにこう託して、おとぎの世界へと去っていった。

 「あ~い」

「君たちが琴音の仲間にしたとき、五人の力は一つになる」

「あい、あい!」

カレンとプラチナはこう語った上で、

「琴音は私たちのことを待ってるはず」

「それまで、信じておかなくちゃね」

「大みそかに横中で開かれるネメシス財団の発表会に向けて大きな力になれることに違いはありません」

「私たち四人ではできなかったことも、琴音がいればきっとできると思うよ。だから、琴音が仲間になる日を待とう」

つぼみたちはこう祈るのであった。


 その頃、あの男が再び横中へとやってきた。

「ここが、潮風とアルプスの街・横中市か…」

その時、男はサングラスとマスクを外し、帽子をとった。

「きっとあの時以来ここに来たのだろう。そこで行きたいこと、見たいもの、やりたいこと、やり残したことがたくさんある」

と言い残して、横中の市街地へと向かうバスに乗るのであった。

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