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Let's Go! ドールプリンセス・完全版  作者: 見習いさん
第1章 ダイヤモンド~Diamond~
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第3話 ワクワク!学園生活スタート

桜が咲いている春のあたたかな陽気に包まれた入学式の日、新しい制服に身を包んだつぼみはポートフロンティア学園中等部の正門にいた。

「今日からここに通うんだね!これからよろしく!」

つぼみが中等部に入ると、沙奈が待っていた。

「沙奈!」

「つぼみちゃん!」

「待ってたよ!学校に行こう!」

つぼみと沙奈は、校舎へと向かう。その入り口には、クラス表があった。

「つぼみちゃん、同じクラスだよ!」

「よかったね!」

つぼみと沙奈が同じクラスに所属することになったことを喜んでいると、

「つぼみ、また同じクラスだね」

と青みがかった黒髪の少年がつぶやいた。

「そのかわいらしい制服、つぼみにピッタリだな」

少年は、つぼみの様子を感じながらこう語った。


 「では、新入生による宣誓を行います。新入生を代表して、藤村晴斗くん、お願いします」

「はい!」

入学式本番、新入生によるあいさつが始まった。

「本日は、私たち平成三十一年度ポートフロンティア学園中等部新入生のためにこのように盛大な入学式を催して頂き、まことにありがとうございます。校長先生をはじめ、諸先生方ならびに来賓の皆様にも、心より御礼申し上げます。朝から澄み切った青空となり、私たちを包む景色はまるで輝いているように見え、この会場に向かって歩く道すがら、桜の花や春の花々を見つけるたびに、まるでどの花も私たち新入生を祝福してくれているような気がいたしました。 先程から校長先生をはじめご来賓の皆様や、先輩方からあたたかいお言葉を頂戴し、まことに感無量であります。私たちには無限の可能性がある、そう信じさせてくれる柔軟さ、自由さがこの学校にはあるように思います。人間として成長すると同時に将来の夢をみつけ『なりたい自分になるための階段を昇りはじめる』のにふさわしい、絶好の場だと思うのです。私たちは、この学校で過ごせる三年間に、期待で胸を大きく膨らませております。最後になりますが、校長先生ならびに諸先生方、そして先輩方にはあたたかいご指導とお導きのほどよろしくお願い申し上げます。私たち新入生一同は歴史と伝統あるポートフロンティア学園中等部の学生としての誇りを持ち、その名に恥じぬよう実りある学生生活を送ることをここに誓います。以上を持ちまして私の宣誓の言葉とさせていただきます。 本日はまことにありがとうございました」

「すごいね!」

その時、会場から拍手が沸き起こっていた。

ポートフロンティア学園中等部の入学式を終えた直後のホームルーム。つぼみと沙奈は、一年一組に配属されることになった。

「みなさんはじめまして!私は、このクラスの担任を受け持つことになりました、西野と申します。よろしくお願いします」

「静岡から来ました、雪海沙奈です。将来の夢は、ファッションコーディネーターになることです。よろしくお願いします」

「愛沢つぼみです。スイーツとバトントワリングが大好きです!よろしくお願いします!」

そこでは、先生と担任の自己紹介をしていた。

「藤村晴斗です。今日みんなとクラスメイトになれて本当に嬉しいです。よろしくお願いします」

その時、つぼみが

「晴斗くん、また一緒だね!」

と心の中で語ると、

「ねえ、つぼみちゃん。晴斗くんって、どんな人なの?」

「晴斗くんとは、幼稚園からの幼なじみなの!」

「私も晴斗くんとおしゃべりしたい!」

つぼみと沙奈のやりとりを西野先生は、

「まだホームルーム中ですよ」

と注意した。

「はい」

「気を付けます」

つぼみと沙奈はすぐさま反省していた。

 「晴斗君、どんな人が好き?」

「かっこいいね!」

「ねえ、どこに住んでるの?」

「将来はどんな人になりたい?」

晴斗は、多くの女子たちに大人気。

「すまない。今日は用事がある。さあ、つぼみ。一緒に帰ろう」

晴斗がつぼみに声をかけると

「はい!晴斗くん」

「ところで、その黒髪の少女は?」

「沙奈ちゃん!雪海沙奈ちゃんだよ!」

「そうか。じゃあ、沙奈も一緒なのか」

つぼみと沙奈は、晴斗とともに帰路についた。


 初授業の日。数学の授業では、

「それでは、この問題、分かる人」

「はい!」

「じゃあ、藤村くん」

「行きます」

「では、黒板にどうぞ!」

晴斗が黒板に答えを書いていく。

「答えは…」

「正解です!」

「晴斗くん、かっこいい!」

つぼみが晴斗に感心していると、

「カシャ」

というカメラのシャッター音が鳴った。

 その時、アルファは廊下にいた。

「記憶の魔獣ちゃん、なかなかですわ!」

と語った上で、

「何よ、この服装…」

と、自分が体操服姿でポートフロンティア学園中等部に潜入したことに不満を抱いた。


 昼休み、つぼみたちが昼食を食べていると、

「晴斗くん、どうしたの?」

「ちょっと周りが気になって…」

「大変!」

「カシャ」

また、さっきと同じシャッター音が響いた。すると、晴斗の背後にはカメラ型ドローンをかたどった記憶の魔獣の姿があった。

「とりあえず、安全な場所へ!」

「分かった!」

「屋上に行きましょう!」

つぼみたちは、晴斗を守るために屋上へと向かうと、魔獣が後を追う。

「どうして追いかけるの?」

「それはいいから、屋上が見えたわ!」

「もう少しだ」

つぼみたちが屋上にたどり着くと、アルファの姿があった。

「あら、また会うことができて本当に光栄ですわ。さて、本日の魔獣ちゃんはこちら!記憶の魔獣ですわ!」

つぼみはアルファになぜ魔獣が晴斗入学式ついていったのかを尋ねる。

「どうして晴斗くんにこんなことを!?」

「そうね。彼を追跡したかったのですわ!」

つぼみと沙奈は怒りを露にしたうえで、

「晴斗くんをひどい目に遭わせるなんて、許せない!」

「奪いたくない、大切な人を!」

とプリンセスミラーでドールプリンセスに変身する。

「ピンク・ジュエル・パワー!」

「ブルー・ジュエル・パワー!」

「ドレスアップ!」

「愛のプリンセス・ラブリーピンク、見参!」

「水と氷のプリンセス・アクアブルー、見参!」

「プリンセスステージ、レッツスタート!」

ドールプリンセスになったつぼみと沙奈に、晴斗はこう感じる。

「どこかの国のプリンセスになった感じだな」


ドールプリンセスが登場すると、魔獣が複数のコピーを作っていく。

「さあ、暴れてらっしゃい!」

魔獣が蠅のように動き回る。

「どうしよう…」

「いっぱいコピーが作られていて、どれがどれだかわからない」

苦戦しているドールプリンセスに、チララがアドバイスを送る。

「いいか?本物を見極めるんだ!」

「分かった!」

ドールプリンセスは、プリンセスバトンロッドで魔獣のコピーをやっつける。

「悪いハート、ちょうだいします!」

「ハート・シュート!」

「ダイヤ・シュート!」

すると、魔獣のコピーは次々と消滅していった。その時、曲が流れてきた。

 「今がチャンスだ!」

とチララがドールプリンセスに呼びかけると

「行くわよ!」

「うん!」

「プリンセスステージ、ライブスタート!」

ドールプリンセスたちは、魔獣を攻撃する。

「暗くて深い 闇の向こうに」

「一人さびしく たたずんでいた」

「だけどもう 怖がらないで」

「それは迷いを 断ち切ったしるし」

「春風に向かって 旅立っていく」

「さあ 夢の扉を開こう」

「輝く未来に向かって 放つよ私だけのメロディ」

「愛を守るため みんなを守るために」

「きらめく世界に奏でる 私とあなたのハーモニー」

「あなたのそばにいる それがプリンセスなんだから」

ドールプリンセスがパフォーマンスを終えた後、

「乙女の美しさ!アクア・プリズム・ブリザード!」

「乙女の愛!ピュア・スイート・ハート!」

とプリンセスバトンロッドを振って、魔獣を浄化することに成功した。すると、チララが

「ちゅ、ちゅ、ちゅっぴー!」

とマジカルストーンの気配を察知した。マジカルストーンが落ちていく方に行くと、

「キャッチ!」

とチララがマジカルストーンを回収することに成功した。それをつぼみのプリンセスミラーに認識して、

「アメトリン。アメジストの紫とシトリンの黄色を組み合わせたマジカルストーンだ」

「プリンセスステージ、ハッピーフィナーレ!」

「それではまた次回、輝く世界でお会いしましょう!」

とプリンセスステージがお開きになると、

「またドールプリンセスに負けて、悔しいですわ!」

とアルファは未来世界に帰っていった。

 「晴斗くん、大丈夫?」

「う…うん」

「よかった」

つぼみが晴斗の無事を知り、安堵する。

「助けてくれてありがとう、つぼみ、沙奈。でも、ちょっと気分が悪いから、保健室につれてくれ」

「つぼみちゃんは、保健委員だからね」

「そう!」

「じゃあ、ちょっと手伝って」

「分かった!」

つぼみは、晴斗を保健室へ導いた。

 「大丈夫?」

「ああ」

「無理しないで」

「分かった」

この日、晴斗はこのまま保健室にとどまることになった。


 学校から帰った後、つぼみは沙奈を自宅に連れてきた。

「沙奈、ここが私の家だよ!」

「つぼみちゃんの家、すごく広い!」

「実はね、私が生まれたときに完成したの!」

「すごく長い間住んでいるのね!」

沙奈はつぼみの家に感心した様子。

その時、光の女神が現れた。

「はじめまして、ドールプリンセス。私は光の女神と申します。おとぎの世界からはるばると人間界にやってきました。よろしくお願いします」

光の女神がつぼみと沙奈にあいさつした後、

「今、闇の力が勢力を強めており、世界を征服しようとしています。特に、私たちにとって一番重要な輝きを狙っています。このままでは、闇の力によってすべての輝きが失われていくことに違いありません」

「私たちの街も!?」

「輝きが奪われるって、許せない!」

つぼみと沙奈は、世界の危機を知ってショックを受けてしまう。そんな二人に光の女神が

「そこでドールプリンセスにお願いがあります。あなたたちが世界中に広がっている輝きを守ってください。輝きを守るもの。それは、マジカルストーンです。どこかに散らばっているマジカルストーンをすべて集めて世界の破滅を阻止することが、ドールプリンセスの使命なのです」

とつぼみと沙奈に依頼する。これについて、

「やるしかない!」

「与えられた役割を果たすために!」

とつぼみと沙奈は、決意を固めた。

「ドールプリンセスの勇気と決意に感動しました。そんなあなたたちにこれを差し上げましょう」

光の女神は、つぼみに透明な瓶を渡す。

「これは、おとぎの世界に受け継がれている不思議な瓶『プリンセスポット』です。このプリンセスポットを色鮮やかに輝いているマジカルストーンでいっぱいにしてください。お願いします」

「ありがとう、女神さま」

「どういたしまして。つぼみさん。さて、私はそろそろおとぎの世界へと帰らなければなりません。ドールプリンセスたちの健闘を心から祈っております」

光の女神は、おとぎの世界に帰っていった。

 「世界を守るために、マジカルストーンをいっぱい集めなくちゃね!」

「そのために、一緒に頑張ろう!」

「ボクのことも忘れないで!」

「うん!」

「そうね!」

つぼみ、沙奈、チララは結束をさらに深めた。

「私たちの物語は」

「まだまだこれから!」

「そういう通り!」

こうして、ドールプリンセスが世界中の輝きを守るための活動を、本格的に動かしたのであった。


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[良い点] 読みやすくどこか懐かしい魔法少女ものとして書かれた物語。 とっつきやすく安心してみれる様なお話で、やっぱり魔法少女系の話って明るいものは気分良く見れるなと再認識しました。 おまけに小説でこ…
[良い点] 初代プリキュア以外の女児向けアニメの展開を完全再現しているところかな。 [気になる点] 逆に言えば、主流じゃないので読まれない。 女児向けなので大人には面白さが分からない、という感じですね…
[良い点] 変身シーンの爽快感はとても良いです! [気になる点] つぼみちゃんと紗奈ちゃんの外見や立ち位置が簡単にでも序盤に描写がされていると嬉しいです。
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