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Let's Go! ドールプリンセス・完全版  作者: 見習いさん
第1章 ダイヤモンド~Diamond~
21/41

第21話 奇跡の軌跡、そして…

今回は、1話から20話までの総集編です。

まだ読んでない人も、今から間に合います。

未来世界では、プリンセスジュエル・パープルの妖精がいる。

「ここが、未来の世界なのね。ずいぶんと荒れているわ」

ネメシス財団本社ビルがあるハイテクシティの郊外には、多くのごみで埋められている残酷な風景を目の当たりにした彼女は、

「一体、誰がこんなことをしたの…絶対に許せない」

と憤りを隠せなかった。

 その様子を、おとぎの世界にいる光の女神は見ていた。

「未来世界は、輝きが枯渇してきています。このままでは、最悪の事態が訪れるかもしれません…」

と異常事態を危惧した。


 その頃の2019年の横中でのこと。ポートフロンティア学園中等部の二学期始業式の放課後、晴斗はプラチナの家を訪問する。

「やあ、よく来たね」

「ああ、王子。今日は、ダークミラージュのことを聞きにきた」

「じゃあ、こっちに座ろうか」

「お茶でもいただこう」

晴斗とプラチナは椅子に座る。

「そういえば、ダークミラージュの新曲はもう聞いたのか?」

「昨日、聞いた。しかも、タイトルが『黒いダイヤモンド』だと」

と、晴斗はプラチナにそのことを伝える。

 そのうえで、

「もうすぐダークミラージュとの決戦が待ち受けている。今回の戦いはプリンセスドールズにとって大事な出来事になるかもしれない」

「でも、彼女たちはそれを乗り越えられると信じている。これまでに、いくつもの『輝き』を守ってきたのだから…」

晴斗とプラチナは、これまでに歩んできたプリンセスドールズの戦いの軌跡を振り返る。


 すべては、ここから始まった。2019年の春休みの横中市内某所でのことだった。

「私の今の気持ち、キュンキュンしてる!」

それまでは普通の女の子だった愛沢つぼみが「みんなを守りたい」という気持ちから、ラブリーピンクに覚醒する。

「ピンク・ジュエル・パワー!ドレスアップ!」

チララから授かった魔法のコンパクト・プリンセスミラーとプリンセスジュエル・ピンクで変身したその姿は、十八歳から二十二歳ぐらいの女性の姿になった。

「愛のプリンセス・ラブリーピンク、見参!」

彼女のデビューは、鮮烈なものだった。

「乙女の愛!ピュア・スイート・ハート!」

ラブリーピンクの活躍で、横中の平和は守られたのかに見えた。

 しかし、それを仕組んだのは、はるばる未来からやってきたネメシス財団という悪の組織だった!

「誰かの声が聞こえたのなら」

「すかさずここにやってくる」

「世界の危機を救うため」

「今日も明るく出動だ!」

「レッド・アルファ!」

「ブルー・ベータ!」

「グリーン・ガンマ!」

「三人そろって、神出鬼没の怪盗トリオ!」

 アルファ・ベータ・ガンマの地下倉庫課・通称怪盗トリオに対抗するため、仲間が次々と加わる。

「これはとっても素敵ね!」

「ブルー・ジュエル・パワー!ドレスアップ!」

「水と氷のプリンセス・アクアブルー、見参!」

「乙女の美しさ!アクア・プリズム・ブリザード!」

トップジュニアモデルである雪海沙奈が変身するブルーの輝きを放つドールプリンセス・アクアブルー。

「心のトゲトゲ、癒して見せます」

「イエロー・ジュエル・パワー!ドレスアップ!」

「花のプリンセス・シトラスイエロー、見参!」

「乙女の勇気!ハニー・フローラル・セラピー!」

一年二組のクラス委員を務める野々原アリスが変身するイエローの輝きを放つドールプリンセス・シトラスイエロー。

「私たち、プリンセスドールズ!プリンセスステージ、レッツスタート!」

こうして、つぼみ・沙奈・アリスによる女子中学生三人からなるガールズユニット・プリンセスドールズは産声をあげた。

「暗くて深い 闇の向こうに」

「一人さびしく たたずんでいた」

「だけどもう 怖がらないで」

「それは迷いを 断ち切ったしるし」

「春風に向かって 旅立っていく」

「さあ 夢の扉を開こう」

「輝く未来に向かって 放つよ私だけのメロディ」

「愛を守るため みんなを守るために」

「きらめく世界に奏でる 私とあなたのハーモニー」

「あなたのそばにいる それがプリンセスなんだから」

「今こそ、心を一つに!プリンセス・トリコロール・イリュージョン!」

ここで流れた「プリンセスハーモニー~Legend of Princess~」は、おとぎの世界でのテーマソングとなっている。


 彼女たちについて、晴斗とプラチナはこう語る。

「僕たちにとって、大切な存在」

「おとぎの世界も守ってくれるからね」

と信頼を寄せているようだ。

 「そういえば、マジカルストーンの本質って、知ってるのか?」

「闇の力から世界を守るというのは知っているが…」

「実は、人々を強くするエネルギーも持っている」

プラチナは晴斗にマジカルストーンの本質について説明すると、

「じゃあ、これまでに集めたマジカルストーンについて振り返ってみよう」

今度は、マジカルストーンと魔獣との戦いについて振り返る。


「プリンセスステージ、ライブスタート!」

マジカルストーンをプリンセスミラーにセットすると、彼女たちはさらなる力を手にすることができる。

 ラブリーピンクは、ルビーのマジカルストーンの輝きでパワーアップ。

「Tell me 私に」

「愛の本当の意味を」

「答えてくれるのなら」

「きっと変わるはず」

「たとえ遠く離れても」

「会えなくなってしまっても」

「心の中でつながっている」

「君に向けて I love you」

「向かい風に吹かれても」

「君を感じて I feel you」

「私だけのLove Song」

「ルビーの輝きでパワーアップ!乙女の愛!ルビー・スイート・ハート!」

ラブリーピンクがプリンセスバトンロッドでマゼンタのハートを描いて魔獣を浄化する必殺技だ。

 アクアブルーでは、

「青い夏の空の下で」

「君が自転車を進んでいく」

「ペダルをこいだ先には」

「私が待っているから」

「幼い頃 二人で見ていた」

「あの景色を見てみたいから」

「もう一度」

「思い出の海」

「青く澄んだ世界が」

「忘れられない」

「ここをたとえ離れても」

「ずっと頭の中に…」

「思い出の海よ…」

「サファイアの輝きでパワーアップ!乙女の美しさ!サファイア・プリズム・ブリザード!」

サファイアのマジカルストーンで紺色のダイヤを放つ。

 シトラスイエローでは、

「花が咲いて 鳥も鳴いたら」

「あたたかな季節がはじまる」

「たんぽぽの綿毛が」

「飛んでいかないうちに」

「風が吹いて 月も光ると」

「一日の終わり」

「光に照らされていく」

「黄色の菊が」

「はちみつ色の日々」

「私の人生は」

「甘くてほんのり」

「味を感じるの」

「Honey Days」

「It’s a Wonderful Life」

「シトリンの輝きでパワーアップ!乙女の勇気!シトリン・フローラル・セラピー!」

シトリンのマジカルストーンでオレンジ色の花を咲かせる。

 このように、マジカルストーンはプリンセスドールズを強くさせる力を秘めているようだ。

 そんな中、ネメシス財団からもドールプリンセスを2019年の横中に送り込んでくる。彼女の名前は、ダークミラージュ。プリンセスドールズのライバルとして、時には「星空蘭」と名乗る謎に包まれた少女だ。

「もし時間を干渉できるのなら」

「過去と未来 どっちがいい?」

「もし時間を止められるのなら」

「どんな瞬間にしたい?」

「私は未来からやってきたの」

「現在には存在しない」

「Time Machine に乗って」

「二人でどこかに行こう」

「誰にも秘密にするから」

「Time Limit なんてないから」

「私の辞書には」

「自由にすればいい」

「Endless Time」

なんと、ダークミラージュもプリンセスドールズと同じように歌とダンスを駆使するネメシス財団の刺客なのだ。

 怪盗トリオに続く新たな敵の登場に、プリンセスドールズも黙ってはいられない。ルビー・サファイア・シトリンのマジカルストーンの輝きを組み合わせた合体技があるのだから。

「Shining! 輝きを」

「いっぱい集めて」

「そのボルテージを」

「高めていこう」

「ここからまた始まる」

「私たちの物語」

「Star Light Stage」

「ときめいて」

「アイドルになっちゃおう」

「恥ずかしがらずに」

「Star Light Stage」

「一緒に」

「盛り上げていこう」

「一体感を高めて」

「Stardom!」

「今こそ、心を一つに!プリンセス・トリニティ・ストリーム!」

三人の活躍で、怪盗トリオが時空のかなたから送り込んできた魔獣から多くのマジカルストーンを回収することに成功した。

「ちゅ、ちゅ、ちゅっぴー!」

それには、チララも貢献してこその、

「キャッチ!」

戦いの賜物である。ルビー、サファイア、シトリンのほかにアメトリン、ラブラドライト、オニキス、ヒスイ、マラカイト、オパール、ローズクォーツ、アパタイト、ミルキークオーツ、ブラウンクオーツ、ブラッドストーン、ムーンストーン、ペリドット、アイオライト、アクアマリン、ジルコン、エメラルド、クリソプレーズ、サンゴ、コハク、蛍石…これまでに彼女たちは二十四個のマジカルストーンを集めてきたが、それでもまだ半分以上のマジカルストーンを発見できていない。

「それではまた次回、輝く世界でお会いしましょう!プリンセスステージ、ハッピーフィナーレ!」

こうして、世界の平和は今日もプリンセスドールズによって守られていくのであった。


 それから数分後、晴斗とプラチナは風呂に入る。

「僕と二人きりは初めてなのか?」

「ああ、もちろんだ。つぼみたちと一緒の機会が多かったからね」

「そういえば、つぼみのことは好きか?」

「大好きだよ」

と答え、晴斗はシャワーを浴びる。

 「本当に大好きだ、子供のころから…」

青みがかった黒髪に、鍛え抜かれた細身の体型の持ち主である晴斗。そんな彼の美しい姿に、

「なんて素晴らしい体なんだ、晴斗は…」

とプラチナはそう感じた。

 風呂から上がると、晴斗はパソコンを起動して、インターネット上での動画サイトを開く。

「まもなく、ネメシス財団から重大発表がある」

すると、ドクターによる生配信が始まった。

「こんばんは。わたくしはネメシス財団に所属しているドクターだ。今日は、みんなに伝えたい大事なことがある。今月末に、ネメシス財団が主催する発表会が横中国際アリーナで開かれる。そこでは、我々が手塩に掛けて生み出したダークミラージュをみんなに向けて発表する」

そのことを聞いた晴斗とプラチナは、

「彼女こそ、ダイヤモンドのマジカルストーンを持っていることに違いない!」

「必ず取り戻さなければならない!」

「今すぐそのことをつぼみたちに伝えてくれ」

「分かった」

とネメシス財団の計画を阻止するための作戦に出た晴斗とプラチナであった。


 一方その頃、未来世界にあるネメシス財団の本社ビルでは、発表会に向けて準備に取り掛かっていた。

「いいか?我々の発表会の日は刻一刻と近づいている。そこでお前たちにやってほしいことがある。それは、発表会の会場がある横中の電波をお前たちの手でジャックすることだ!」

ドクターからの命令を受けた怪盗トリオは、

「もう!私たちにそんなことを命じられるなんて!」

「酷い仕事だ!」

「世間に知らされちゃうんじゃないか!」

と戸惑いつつも、

「さあ、やりますわよ!」

「ガッテンだ!」

と切り替えるしかなかった。

 「今度は君の番だ」

「分かったわ」

ドクターはダークミラージュに指示を出すと、

「スイッチ・スタート」

とダークミラージュは歌いだす。

「きっと誰かが救いの手を」

「差し伸べてくれるのなら」

「私は構わないわ」

「街に灯るネオンの光」

「もう見飽きちゃったの」

「そう 私はもう」

「見慣れた私ではない」

「生まれ変わるのだから」

「今」

「探しているの ほしいもの」

「時を超えて 空を超えて」

「まだ見たことない宝石」

「それが黒いダイヤモンド」

その歌声を聞いたプリンセスジュエル・パープルの妖精は、

「ダイヤモンドが彼女の手に…絶対に私たちが取り返さなくちゃ!」

と言い残して、2019年の横中へと旅立っていくのであった。

「忠告しておく、もうすぐダイヤモンド保護作戦が始まることを…」

そのとき、ドクターはこう呟いたのであった。

第一章のダイヤモンド編は残り4回です。最後まで見逃すな!

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