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Let's Go! ドールプリンセス・完全版  作者: 見習いさん
第1章 ダイヤモンド~Diamond~
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第17話 ママのアトリエに大潜入!

ある日のつぼみの家でのこと。

「ねえ、ママ」

「何?」

「今度、アトリエに行ってもいい?」

「いいわよ!」

「沙奈とアリスも一緒でね」

「大歓迎!」

「では、日曜日ね」

「うん!」

つぼみは、ママと約束を交わした。

 その翌日のポートフロンティア学園中等部での休み時間、つぼみたちはあるイラストに見入っていた。

「すごいイラストです!」

「とっても素敵なイラストね!」

「実はこのイラスト、私のママが描いたんだよ!」

「そうなの!知らなかったわ」

「初耳です」

つぼみのママが描いたイラストだと知ると、沙奈とアリスは思わず驚く。

 「ねえ、私にも見せてよ」

「いいわよ!」

蘭もつぼみのママのイラストを見ることに。

 「せっかくだから、アトリエにおいでよ!」

「もちろん!」

「賛成です!」

「私は…いいわ」

「どうして?」

「ちょっと用事があるの」

「じゃあ、仕方ないね。私と沙奈、アリスが行くね」

つぼみのママが働くアトリエに、つぼみ・沙奈・アリスが行くことに。

「あの子、気になるわね」

蘭はつぼみのことを気にしてつぶやいた。


 つぼみのママのアトリエは、横中中華街の片隅にある。

「ここが、私のママのアトリエよ!」

「とてもいい場所ね!」

「立地条件もよさそうです」

日曜日、つぼみたちは、つぼみのママが働いているアトリエ『スイートピー』を訪れる。

 「お邪魔します!」

「ようこそ、スイートピーへ!」

「今日は、見学に来ました!」

「では、中へどうぞ!」

「ありがとうございます!」

「さあ、案内して」

「分かりました!」

 千里の道も一歩から。つぼみのママの作品が生み出し続けているスイートピーにつぼみたちが潜入する。

「さあ、ここが仕事場よ」

「いっぱいコピー用紙がある!」

「ここで、下書きを描くの」

「すごい数の筆記用具!」

「鉛筆削りやシャープペンシルの替え芯もいっぱいあるわ」

「その鉛筆はどうやって使うの?」

「輪郭を描くときに役立つわ!ちなみに言っとくけど、この別名は『クリーンアップ』と呼ばれているの!」

まずは、一枚の紙に下書きを鉛筆やシャープペンシルで描く。いわゆるアナログでの作業なのだ。

「次に、このタブレットを使うわ!」

「どんなふうに?」

「下書きをカメラで撮影して、タブレットでトレースするの!」

「最新的な仕事ね!」

「技術は日々進歩していくのです」

「そして…トレースした絵に色を塗っていくの!」

「いわゆる彩色ね!」

「その通りです!」

アナログで描いた絵をデジタルで色を塗っていく。昔は手作業だったのに、今はデジタルで進んでいく。きっと時代の流れを感じているのだろう。

 「あの…今はどんなイラストを描いていますか?」

「大手アニメーション会社とおもちゃ会社がタッグを組んだ一大プロジェクトである『魔法少女 ミラクル☆マジカル』を手掛けているわ!私は、キャラクターデザインを担当しているの!」

「どんな作品?」

「闇の力に魔法少女が立ち向かう物語!」

「そう、私たちと同じね!」

「プリンセスドールズも負けられない!」

スイートピーが『魔法少女 ミラクル☆マジカル』の製作に協力していることに、つぼみたちプリンセスドールズは負けたくないと闘志を燃やす。

「これはどんな思いで?」

「奇跡と魔法でみんなを幸せにするためによ!」

「そうなんだ!」

「奇跡も魔法もあれば何も怖くない!」

「さすがです!」

つぼみたちは、作品のコンセプトとイメージが一致していることに、称賛を受けた。


 そのころ、眼鏡をかけた少女に変装したアルファは、書店で漫画を読む。

「あら、今話題の『魔法少女 ミラクル☆マジカル』ですわ」

すると、扉絵を発見する。

「大事なところですわ!」

と気に入ると、

「すいません!」

「何だい?」

「この本をください!」

「では、五百円」

「かしこま!」

「じゃあ、お代を…」

「いりませんわ!」

とアルファは「魔法少女 ミラクル☆マジカル」が載っている漫画雑誌を強奪することに成功する。

「ちょっと待て、お客さん!」

「待っても無駄ですわ!」

と万引きを目撃した店員を横目にアルファは、

「さあ、取り掛かりますわ!」

と魔獣の生成に意欲をみなぎらせた。


 「スイートピーカフェへようこそ!」

「ここでは、オムライスがおすすめよ!」

「じゃあ、オムライスを三個ください!」

「ドリンクは?」

「私はオレンジジュースで!」

「私はアイスティーのレモンで」

「私はウーロン茶で」

「かしこまりました!」

待つこと数分。

「お待たせしました!トマトクリームソースとバターライスのオムライスです!」

「では、いただきます!」

「いただきます」

「ごゆっくりどうぞ」

つぼみたちがスイートピーに併設しているカフェで昼食をとっていると、

「大変だ!怪しい予感がする」

とチララが駆けつけてきた。

「このままでは、アトリエが危ない」

「大変です!」

「守らなきゃ!」

とスイートピーのピンチを感じたつぼみたち。

「さあ、変身よ」

「うん」

つぼみ、沙奈、アリスはプリンセスミラーでドールプリンセスに変身する。

「ピンク・ジュエル・パワー!」

「ブルー・ジュエル・パワー!」

「イエロー・ジュエル・パワー!」

「ドレスアップ!」

「愛のプリンセス・ラブリーピンク、見参!」

「水と氷のプリンセス・アクアブルー、見参!」

「花のプリンセス・シトラスイエロー、見参!」

「私たち、プリンセスドールズ!プリンセスステージ、レッツスタート!」


 プリンセスドールズがアトリエに向かうと、アルファと魔獣がいることを発見する。

「あら、またお会いすることができて光栄ですわ。では、本日の魔獣ちゃんはこちら!落書きの魔獣ですわ!」

アルファの合図で、子供がクレヨンで描いたような落書きの魔獣が現れた。

「このアトリエを破壊するなんて、絶対に許さない!」

「だって、ラブリーピンクのお母さんが働いていますから!」

プリンセスドールズは、スイートピーの崩壊を止めようと訴える。

 さらに、

「これ、見て!」

と魔獣にあるものを見せる。

「この絵は、私のママが生み出したキャラクターのミラクル。まだ見習いの魔法少女だけど、奇跡を起こしたいという願いが込められているの。先輩魔法少女のマジカルと一緒に、闇の力から世界を守ろうと戦っているのは、私たちと同じよ」

ラブリーピンクは、「魔法少女 ミラクル☆マジカル」のイラストを魔獣に見せると、魔獣は思わず立ち止まる。


 「さあ、行くわよ」

プリンセスドールズは、ルビー・サファイア・シトリンのマジカルストーンをそれぞれのプリンセスミラーにセット。その力をプリンセスバトンロッドに授けると、

「プリンセスステージ、ライブスタート!」

マジカルストーンでパワーアップしたプリンセスドールズによる魔獣の浄化がはじまった。

「Shining! 輝きを」

「いっぱい集めて」

「そのボルテージを」

「高めていこう」

「ここからまた始まる」

「私たちの物語」

「Star Light Stage」

「ときめいて」

「アイドルになっちゃおう」

「恥ずかしがらずに」

「Star Light Stage」

「一緒に」

「盛り上げていこう」

「一体感を高めて」

「Stardom!」

「今こそ、心を一つに!プリンセス・トリニティ・ストリーム!」

プリンセスドールズがそれぞれのシンボルマークを描き、魔獣に向かって放つ。すると、魔獣は跡形もなく消えていった。

「ちゅ、ちゅ、ちゅっぴー!」

とチララはマジカルストーンの気配を察知した。必死でマジカルストーンが落ちていく方に行くと、

「キャッチ!」

とチララがマジカルストーンを回収することに成功した。それをつぼみのプリンセスミラーに認識して、

「クリソプレーズ。薄い緑に輝くマジカルストーンだ」

「それではまた次回、輝く世界でお会いしましょう!プリンセスステージ、ハッピーフィナーレ!」

プリンセスドールズが勝利宣言する一方で、

「もう!また負けちゃったんじゃないの!」

アルファはこう吐いて、未来世界へと帰っていった。


 「大事なイラスト、無事でよかった」

つぼみのママがスイートピーに被害がなかったことを確認すると、

「あなたたちにお礼がしたいの」

「何かな?」

「気になります!」

「ママ、楽しみだね!」

つぼみのママは、何かを持ってくる。

 数分後、

「じゃーん!プリンセスドールズのイラストだよ!」

「これは!」

「いい出来ね!」

「ビッグサプライズです!」

「実は、昨日徹夜で描いたんだよ!」

「私たちとそっくりだね!」

「ありがとうございます!」

「これ、大事にするからね!」

つぼみのママは、娘とその友人たちに、自分で描いたプリンセスドールズのイラストをプレゼントした。


 「それでは、またね!」

「ありがとうございました!」

「ママ、今日はありがとう!」

「気を付けるんだよ」

「失礼しました!」

つぼみたちがスイートピーを出た途端、蘭が目の前を通りかかった。

「あ、蘭!」

つぼみが声をかけると、蘭はそちらを振り向いた。

 「あなた、一年一組の愛沢つぼみさんと雪海沙奈さん、それに一年二組の野々原アリスさん?」

「そうだよ」

「本物だわ」

「間違いありません」

「話があるから、ちょっとこっちにきてくれる?」

つぼみたちは蘭に導かれて公園へ向かう。

「実は、大切なことをあなたたちに伝えるために来たの。あの…私と友達になってくれる?」

蘭からの突然の誘いを受けたつぼみたちは、

「どうしよう…」

「怪しくないか心配です」

「つぼみちゃん、どうする?」

と戸惑うばかり。

 それでも、

「同じクラスだから、友達になっていいよ」

「仲良くやっていけそう」

「もちろん大歓迎です」

「本当にいいの?なら、お言葉に甘えて」

「ありがとう!」

「交渉成立ですね!」

「よかったです」

こうして、つぼみたちは、蘭と友達になった。


 その頃、チララとプラチナは、プラチナの家で何かを話していた。

「いいか、よく聞いて」

「ちゅっぴー?」

「もうすぐプリンセスフェアリーが未来世界からやってくる。それが星と月のドールプリンセスに関係している可能性が高いことも忘れてはならない」

「何だと!?」

 どうやら、未来にいるプリンセスフェアリーがいることをプラチナは語った。


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