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プロローグ

壇上には少ししおれた花のような男性が一人立っていた。

「諸君コーダストロ学園への入学おめでとう。私の名はマーティス=メイラー。この学園で学園長をしているものだ。」

周りは今壇上で話をしている者、つまりマーティス=メイラーと名前を聞いた後周りは動揺の嵐が舞っている。

確かに自分も鳥肌が立っていて、胸の鼓動が早くなっている。

周りは少しも変わらず騒がしくしている。確かに騒ぎたくなるものもわかる。

マーティス=メイラー 先の戦争にて、英雄と呼ばれている数少ない一人である。今では教科書などにも載っている人物でこの国いや、他国の人間ですら知りうるものも少なくないだろう。自分たちにとって彼は教科書に載っている歴史上の人物である。

「あー、少し静かにしてくれないかね、私は君たちのための話を続けたいのだ」

壇上にいる彼の柔らかな、語り掛けるような声で嵐が止む。それが独特の緊張感を生み出し、蔓延する。

「少し騒がしくなってしまったので仕切り直しをさせてもらおう。

諸君コーダストロ学園への入学おめでとう。君たちはこれからこの学園で魔法を学んで行くこととなる。

今では魔法を扱えるものは多くなっているが、少し前まではとても数が少なかった。私が君たちと同じぐらいのときはとても重宝されたよ、私もこの学園を卒業していてね、少し昔話をさせてもらおう。当時は巨大な魔法を扱えるものは宝石のように扱われた。一定以上扱えないものはその辺りの路傍ろぼうの石のように扱われた。私も石の一つだった、だから今も生き残っているのだろう。戦場では地べたに這いつくばり、泥水をすすり、クモの糸のように細く弱弱しい自らの命を見失わないように手の中で握りしめていた。しかし宝石たちは石たちより早く最前線へ送られ一か月もせずに彼らの訃報ふほうが駆け巡ったものだよ。宝石たちは戦場で生き残るための訓練も行わず、戦場では一人の兵士ではなく、ただの武器として扱われ、死んでいった。彼らの多くはまだ若かった、君たちと何も変わらないわかものたちだった。私の友人もその一人だった。私は多くの仲間の学友の訃報を聞いた、戦争というものは本当に人間が人間を殺すものなのだと実感した。しまいには目の前で死んでいった。泣きながら、『俺はまだ死にたくない、俺はまだ死にたくないんだ』そう言って死んでいった。とても苦しかった、いまだに友の死を忘れることはできない。彼らと共に過ごした日々は色あせることなく今も私の心に刻まれている。

魔法は巨大な力を持っており、数々の戦いで重宝された。宝石だろうが石だろうが戦争を有利に進める武器として扱われた。我々はその巨大な力をもってして戦争での勝利を勝ち取った。そしてその巨大な力のせいで多くの負の歴史が生まれることとなった。我々は勝利との引き換えに過ちを起こした。私はその過ちを償うために今この場にいる。その過ちを再び起こさぬよう君たちには正しい使い方を学んでもらいたい。

類い稀なる才能をもつ若者よ、君たちはこれからの人生で数々の困難へ立ち向かうことへとなるだろう。しかし私はこの学園でその困難に対して立ち向かうための勇気を育んで欲しいと思っている。これで私の話を終わる。」

そして学園長の話は終わり、淡々と式典は続いた。


「よし、席は決まってないから適当に席に着け」

力が抜け、少しだるそうな声である男が声を放つ。

式典が終わり、クラス単位での行動があり、今は自分たちのクラスへと来ていた。

クラスには細長く円を描くような机が段上に並んでいる。

自分は中央の右側の机に着いた。

「俺の名前はザークエリエントだ、一応お前たちの担任だ。お前たちは自分たちで自己紹介をしとけ、俺はこれ見ればお前たちの名前がわかるから、聞くのがめんどくさい、ほら次はお前だ」

名簿帳のようなものを見せながら話しが終わる。

自分たちで自己紹介をしろと言われ、周りを見渡してみたが、なぜか知り合いの顔が多い。ほぼすべて知ってるし、自己紹介の必要はない気がする…。

「私の名前はオキャリーグーズリーです、君たちの副担任になります。担任が使えないので私がこれからについての説明をします。とりあえず皆さんはこれから一年間主に座学を行います。実技も行われますが基本的には二年から始まります。一年の最後には実技と座学試験を行います。この試験の結果は、二年次のクラス分けに影響します。一年次には実技の授業はほとんどないので、魔法の素質を見極めるものとなります。この後は施設の見学が行われます。」

副担任の説明が一通り終わった後、チャイムが鳴ったそして、思い出したかのように担任が声を上げた。

「あ、そうだ忘れてたお前ら男女二人ずつ四人のグループ今日中につくっとよ、それじゃ十分休み時間な」

そう言って担任と副担任が教室から出ていったあと、後ろから肩をたたかれた。

「礼紫久しぶりだね」

「フォルか、久しぶりだな」

礼紫らいしさっき先生が言ってたやつなんだけど、一緒のグループにならない?」

「まぁそれはいいんだけどさ、ほかの二人はどうするんだよ」

「一人は決定してるようなものだし、あと一人だね」

「一人は決定してるって誰がいるんだよ?」

「だーれだ?」

不意に後ろから伸びてきた手に両目を隠され、女性の声が聞こえてくる。

間違えようもないよく聞いた声の持ち主。

帆音ほのだな」

「正解。流石だねらいちゃん。あ、私大石帆音は二人と同じグループの一人に立候補します」

「それはいいんだけどもう一人はどうするんだよ?」

「それじゃあ今から探してくるね。二人とも待ってて」

「帆音、行っちゃったね」

「そうだな」

嵐のように過ぎ去った、グループメンバー立候補者。それを察したかのように終わりのチャイムが鳴る。

そんなことをしているうちに、休みの時間は終わってしまい副担任だけが教室に入ってきた。

「皆さん席についてください、担任のザークはめんどくさがって自己紹介を省略しましたが元々はこの時間が自己紹介を行う時間なので皆さんには自己紹介を行ってもらいます。余った時間はグループの結成に充てたいと思います。左端の方からどうぞ」

副担任の言葉からクラスメートの自己紹介が始まった。次々とクラスメートたちの自己紹介が行われている。

ありきたりな定型文の自己紹介が行われていく、しかしそれも名を知っている者ばかりで特に緊張感もない。

自分の少し前に座っている男が立って自己紹介を始めた。

「マロはガトール王国第三王子シャールル=ショコラールでおじゃ、皆の衆よろしくでおじゃ」

こいつは誰なんだ…?初めて聞く国に知らない名前、知っている人間ばかりだと思っていたのに

「ガトール王国は僕たちの国と友好関係がある北側にある小さな島国だよ」

後ろからフォルからの説明が入る

「そんな国あったのか、知らなかったんだけど」

「礼紫はよく歴史の時間は寝てたからね、歴史の時間毎回寝るから先生にあきれられてたしね」

「ま、まぁそれはいいとしてなんでそんな国からこの学園に来たんだろうな」

「どうなんだろうね、礼紫次君の番だよ」

フォルに指摘され前を見ると前に座っていたやつが腰を落としていた。シーソーのように自分は腰を上げた。

「俺の名前は錦秋礼紫きんしゅうらいしです、よろしくお願いします」

自分が知らない人間がいることを知っているだけで、緊張する。

舌をかまずに言えただろうか、ちゃんと声は出ていただろうか、自分も周りのやつらと同じように定型文で終わらせ他にもかかわらず周りを気にしながら、席に着く。そして後ろからフォルが自己紹介を行っていた。

「僕の名前はルーモア=フォルマンスです、知っている人もいると思うけど噂話が好きなので知っている噂話があったら教えて下さい、いろんな噂話まってます、よろしくお願いします」

「よくそんなに言えるな」

「礼紫はいちいち緊張しすぎだよそれに、ほかの国の都市伝説とか気になるじゃんか、自己紹介の時に行っておいたら話しやすいと思うしさ」

「本当に好きだな、そっち系の話」

「大好きだよ、こっち系の話は、あ、次帆音の番だよ」

「私の名前は大石帆音です、えっと先生が言っていたグループのメンバー募集してます、男子のほうは礼ちゃんとフォル君です女子あと一人待ってます」

あ、あいつ恥ずかしくないのかあんなこと言って、聞いてる俺のほうが恥ずかしくなるんだけど

そんなこんなでクラスメートたちの自己紹介は終わった。スムーズに行われたのか時間には余裕があったので自己紹介の初めにもあったグループ作りの時間に充てられた。


「おい帆音」

「何礼ちゃん」

「誰も来ないぞあともう一人」

「そんなわけないでしょ、ぜったいに、絶対に来るからもう少し待っててよ礼ちゃん」

「お前のその自信は一体どこから来るんだ」

「ははは、帆音ちゃんは本当に意地っ張りだな」

「フォル君は黙ってて」

「あそこに一人で座ってる子が最後の一人だと思うんだけどな」

「フォルどこだよ」

「ほら、あそこ前列の中央に座ってる子」

「ああ、あの地味そうな子か、確かにうち以外は大体決まってるぽいしな、帆音行って来いよ」

「言い出しっぺの礼ちゃんが行きなよ」

「なんで俺が行かないといけないんだよ」

「夫婦げんかしてる二人は置いて行ってこようかな」

「「だれが夫婦だ(よ)」


「すみません、こんにちはえっと」

「ラトゥーン=イリシアス、ラトゥーン=イリシアスです、ルーモア=フォルマンス」

「そ、そっかラトゥーンさん」

「イリシアス」

「え?」

「イリシアスと呼んでくださいルーモア=フォルマンス。私は自分のファミリーネームは好きではないのです。」

「え、あ、うん。わかったよけれど僕もファミリーネームを呼ばれるのはあまり好きではないんだ、だから僕のこともファーストネームのフォルマンスと呼んでくれないかな」

「わかりました、フォルマンスそれで一体何の用なのですか」

「グループのについてなんだ」

「そうですか、私はまだ誰にも誘われていないので一人なのです」

「そうなんだ、僕たちのグループはあと一人足らないんだ、もしよけれは僕たちと同じグループにならないかい?」

「ほかの二人、錦秋礼紫と大石帆音はよいのですか」

「あの二人は大丈夫だよ」

「そうですか、それならばフォルマンスの提案に乗ることにします」

「ありがとう、イリシアス」


「二人ともやっと夫婦喧嘩終わったのかい、まぁいいけどそれで最後の一人連れてきたよ」

「初めまして錦秋礼紫、大石帆音。私の名前はラトゥーン=イリシアスです。ファミリーネームで呼ばれるのが嫌いなのでイリシアスと呼んでください」

「よろしくなイリシアス俺のことは礼紫と呼んでくれ」

「よろしくお願いしますイリシアスさん私は帆音と呼んでください」

タイミングよく教室の扉が開く。その音に反応してなのか周りで話をしていた他のグループの人たちの話し声も止まる。


「お前らグループメンバー決まったか、まぁ決まってなくてもいいや、それよりもあれだあれ、グーズリー頼んだ」

「本当に君は全く、まぁいいですいつものことですから」

あきれたように説明を始める副担任

「グループのメンバーですがフォーマンセルつまり四人一組で学園生活をしてもらいます。これはチームワークを育みためです。グループのメンバーとは寮生活を送ってもらいます。基本的に一日中共同生活をしてもらいます。これから皆さんは寮に移動していただきます。本日はこれで終わりです明日から授業も始まります。以上です。」

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