表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/18

17話 次期生徒会の休日2

 ゴォォォォォォォォォォ、パコーン!!

 あちらこちらから響く音。幾重にも音が重なり、まるでメロディを奏でているかのようだ。


 自己紹介を済ませた俺達4人は、神代に連れられてボウリング場に来ていた。

 自己紹介と言っても、この中で初対面なのは、神代と琴音だけだったので挨拶程度だった。


「ボウリングなんて久しくやってないよー」

 と、懐かしさからかワクワクしている琴音に対して。

「私は初めてです」

 天吹は少し不安そうな表情をしていた。

 俺はというと、何度かやったことがある程度であまり得意では無いので、乗り気ではない。

 天吹にカッコ悪いところを見せたく無いからだ。


「皆さーん。ボク達は45・46番レーンとの事ですので、靴を借りて行きましょう!」

 神代は言い出しっぺなだけあってノリノリだ。

 神代の意図は解らないが、みんなでワイワイするにはうってつけだろう。


 靴を履き替えてボックスに入る。

 ふと、天井から吊るされているモニターを見ると、左の45番レーンには俺と琴音の名前が、右の46番レーンには神代と天吹の名前が表示されていた。

「お前、4人なのに2レーン借りたのかよ?」


 神代がニヤリと笑う。

「これはアメリカン方式と言って、一般的なヨーロピアン形式とは違ってフレーム毎に二つのレーンを交互に投げるんですよ。公式大会ではアメリカン形式が使われるんです」

 ペラペラと得意気にウンチクを語る神代。

 端から見れば、女子達に知識を披露して気を引く普通の男なのだが、俺だけがそうでない事を知っている。

 女子達には、『そうなんだー』とか、『物知りなんですね』とか、好印象なのだが。

 神代は明らかに俺に向けて話している。

 いやいや、『神代って博識なんだな……。ポッ……』とかならねーから!

 そのウィンクをやめろ!

 天吹と一緒に遊べるのは嬉しいのだけど、憂鬱だ……。


 俺が項垂れていると、神代は一つ提案してきた。

「二人ずつ別れて勝負しましょう! 負けたチームがゲーム代を支払うと言うことで!」

「いいねー。 その方が燃えるしね!」

 やる気まんまんの琴音に対して、天吹は。

「私……足を引っ張るかと……」

 またも不安そうだ。

「ボクは少し心得があるので、ボクと天吹さん、ハルトと白糸さんでチームを組みましょうか」

 神代の提案は、バランスから言ってまぁ妥当だろう。天吹と組みたかったが、俺のせいで負けるのも嫌だしな……


 琴音の方を向くと目をキラキラと輝かせていた。

「ハル! ハルと同じチームで良かった!」


 不覚にもドキッとした。


「な、なんでだよ?」

 うろたえながら話す俺に対して、琴音は明るく言い放った。


「だって、負けてもハルに払わせるから!」


 このアマ……


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ