沙都子ちゃん奪還作戦2
だんだん、一週間連載から二週間連載になり、ついには三週間になってしまった次第であります。
次回こそは来週にあげたいと思います!
柴田にからかわれた後に俺達は栄養を得るためでなく、ましてや楽しむ為でもない食事を取った。
食事は柴田が持っているバックの中に自動的に現れる。
原理は多分、説明できないだろう。
逆に岸和田達のような軽い罪の人間達の場合は冷蔵庫や電子レンジの中のように生活用品の中に自動的に現れるらしい。
しかし、今、述べている食事は生きていた頃に取っていた食事とは違い、時間を計るためだけの行為のようなものだった。
食事内容はというと、生前の食事とほとんど変わらないメニューであったがなにぶん食事をしている感じがしない。
只、この食事の意義は食事の回数、すなわちタイムリミットが分かることだ。
そして俺は今が3日目の夜、すなわち9回食事をしたことを頭の中に留めておく。
柴田に言われたとおり、食事をした後だと食事の重要性がわかる。なぜなら、外は前世の世界のように暗くならず、ずっと明るいままだからだ。
食事をしないと本当に今がいつなのか分からなくなる。
先ほど、食事をするかしないか聞かれたが食事は取る一択だなと思う。
逆になぜ、柴田が取るか取らないか聞いてきたのか分からないくらいだ。
そんなこんなで食事中に自分の中で一区切りを付け終わると、食事もほぼ同じタイミングで終わった。
俺「この後はどうするんだ?まずは話し合いをして作戦を練るのか?」
俺がそう聞くと案の定、岸和田が語りだした。
岸和田「いえ、先ほど作戦が4つあると言っていましたがやはり時間が無い。なので此処は強硬作戦の4番で行きましょう」
岸和田は自身たっぷりに言う。
しかし4番はあまりにも強引な作戦であるし、なおかつ4番は最終手段である。
自分としてはあと1日何かしらして何も出来ないのなら4番をすべきだと考えている。
しかし、岸和田は頑なに4番をしたいようだった。
俺「なぜ、そんなに4番の作戦にこだわるのですか?」
岸和田「そりゃ、決まっている。一秒でも早く沙都子ちゃんを解放してあんな家よりもこの家で住ませたいからですよ。」
このままでは埒が明かないと思い俺は柴田に話を聞いてみるのであった。
俺「柴田はこの問題をどう思う?」
柴田「俺か?俺はお前と一緒でもっと慎重になってもいいと思う。まだ3日目の夜だしな。これが5日目の夜とかなら強硬すべきだと判断するが‥‥岸和田さん。少し考えてみませんか?」
柴田は諭すように岸和田に話かける。
岸和田「そういうことなら今はここで解散にしましょう。そして4日目の昼にまたこの家で会いましょう。そこで作戦を決めて始動したいと思います。」
岸和田は少し焦り気味ながらもそう言い終えた。
俺「それなら、俺達は正人の情報収集だな。何も情報がなければ始まらないからな。」
柴田「そうだな。それなら町の方に行くことにしよう。」
俺「岸和田さん。ではまた後ほど。」
そう言って俺達は岸和田の家を後にした。