謎の男
男「き‥‥ろ‥‥おき‥ろ‥起きろ!」
外から光が入ってきている部屋の中で自分からそう遠くないところから聞いたことの無い声が聞こえてきた。うるさいと思いながらも自分の重い体を起こそうとする。こっちは全身が痛いのにふざけるなよと独り言を言う。
しかしあることに気がつく。そう俺はさっきまで道路を走っていて横からきた車に轢かれてたはずだ。しかし俺は今こうして生きている。しかしあんな事故に会ったのだ足は折れているだろう。しかし今はそんなことはどうでも良い。俺は生きている。そうと分かればここを直ぐに出るしかない。
しかしまずはこの男をどうするかだ。
そう思い目を開けた瞬間、俺は唖然した。普通この場面では病院の一室を想像するだろう。しかし現実は違った。何故か俺はオフィスか何処かの一室にいた。俺はベットの上で仰向けになっていたのではなく、ピカピカに磨かれた床の上で仰向けになっていた。
意味が分からない。第一感想はそれだけだった。此処が何処なのかという思考よりもなぜ俺はこんな状態でいるのかという考えしか浮かばなかった。
すると声を出していた男が自分の視界に入ってくる。
男の服装はスーツを着ていて髪型もしっかりセットされていて如何にもセールスマンあるいは重要な仕事を任されているようにも見えた。
俺が男を見ていると男はまた口を開けて話し出した。
男「早く起きないか、お前には仕事をしてもらう。」
そういうと男は書類を出してきた。その書類には人物の顔と名前の他になにやら個人情報のような長文が書かれていた。
俺「ちょっと待ってくれ」
俺は男に向かって言った。
俺「俺は車に轢かれた。実際、俺はその時の状況を微かに覚えている。そして俺は運良く死なずに俺は今ここにいると思っている。しかしどういうことだ。なぜ俺は病院にいるのではなくこんな部屋にいるんだ。どういうことか教えてくれ。」
男「驚いた。そのような事は覚えているものなのか。いやそれともそれがこいつへのヒントになるのか‥‥。」
男は意味ありげな言葉を淡々と独り呟いていた。
俺「今はその分からない事はいい。俺はいったいどうなったんだ。あの事故の後、俺はなぜ此処にいるんだ?」
男「事故とはな‥‥」
男は不敵に笑い、話を続けた。
男「お前は死んだ。前世でな。」
男は何の躊躇いもなくそう言った。人がここまで感情も入れずに放った言葉を聞いたのは初めてだったし何より例えがたい恐怖がそこにはあった。
あまり進んでなかったので次回はストーリーを進めます