表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

異世界での生き方

異世界に来て、言語を覚えるのに2ヶ月。魔法を学び、基礎魔法を使えるようになるのに4ヶ月。住む家や仕事を探して落ち着くまで一年。

計一年6ヶ月経つのに、バトルがなーい!

ゆゆしき問題だぞ!!

何で異世界来てまで勉強やら仕事などしなきゃならんのだ!

これじゃ、リアルと同じじゃねぇか…。

しかも俺は異世界でもボッチだし…。

なるほど。今すべてを理解した。

例え、異世界に来ようが、環境が変わろうがボッチは一生ボッチだ。泣き虫なら一生泣き虫だ。

異世界に来て、活躍できるとするなら、それはリア充だけだ。

俺のクラスにもいたが、そんな奴だけが活躍できる。主人公は俺じゃない。

自分を変えなければ主人公にはなれない。

一生、モブキャラのままだ。

でも、俺は自分を変えるつもりはない。

今まで生きてきた自分を否定する気はない。

今、自分を変えたって、それは主人公になりたいが為だけだ。

それで主人公になれともそんなのは自己満足でしかない。

だったら俺は一生モブキャラでいい。

そもそもでボッチな奴が主人公になんてなれるわけがない。

素質なんてありはしない。異世界に来ても何も変わらない。

環境は変わっても俺自身が変わることはない。

「結局、何も変わらないわけか…。」

「どうしたの?」

「ん?」

声のした方に顔を向けると一人の少年が立っていた。

「誰?」

「僕?僕はリンク。君は?」

「彰介…。雨岸彰介(あめぎししょうすけ)。」

「彰介か…。それで何も変わらないってどういうこと?」

「え?」

「さっき呟いてたことだよ。」

「別に…。何でもねぇよ…。」

「ふーん。」

『リンクー!』

少し離れたところで数人の少年や少女がリンクを呼んでいた。

「呼ばれてるぞ?」

「うん。じゃあ。」

「ああ。」

リンクは走り出そうとしたが不意に振り返り、

「彰介は行かないの?」

「は?何で?」

「だってみんなでいたほうが楽しいじゃん?」

「みんな…ねぇ…。」

「どうしたの?」

「別に…。お前さ、見知らぬ奴がいきなり来たらあいつらだって意味わかんないだろ?迷惑かけることになるし。」

「迷惑?僕から紹介するけど?」

「いいよ。別に…。お前にはわかんないよな…。」

「え?何?」

「何でもない。とりあえず行けよ。待たせちゃ悪いだろ。」

「わかったよ…。じゃあ、また。」

「じゃあな。」

そしてリンクは走り去った。

『またな』とは言わなかった。

絶対に会うとは限らないし。また会う約束なんてしても無駄だ。

どうせ会わないんだから…。

友達たちと話ながら小さくなっていくリンクの背中を見つめる。

ああいう奴が、主人公になれるんだろうな…。

あんな風に輪の中心にいるような奴が…。

俺と真逆の立場にいるああいうリア充素質の奴だけが活躍するのだ。

だから俺はただのモブキャラだ。

ただ、主人公の村の住人という立場でしかない。

それが俺の異世界での生き方だ。

感想とか貰えるとありがたいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ