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三題噺

【三題噺】 降下まで……

作者: 井鷹 冬樹

 今回も三題噺をすることになりました。


お題は以下の通りです。


《扇風機、烏龍茶、ティッシュ》



  

『こちら、イエローモンキー。パラシュート降下、10分前だ』




「了解だ」

 国防軍降下部隊長の吉木は無線機を切り、この日の為のお祈りをする。お祈りをしている最中に、対面側にいた部隊一の若手である笹倉が吉木に話しかけた。

「隊長!」

「何だ。笹倉?」

 笹倉は戦闘服の中に入れていたペンダントを取り出し、ペンダントの写真を吉木に見せた。

「俺、この戦争が終わったら、結婚するんですよ!」

 吉木はペンダントの写真が汚れている事に気付き、ヘリの棚にあるティッシュを一枚取って、写真を拭いた。

「写真が汚れてるぞ。綺麗にしないとお前の将来の嫁さんが泣くぞ」

「あっ、はい」

 2人のやり取りをしている間に吉木の隣で上島と李が、水筒で一杯を交わしている。

「李、これは? ウォッカか?」

 上島のコップに映るのは、綺麗な澄んだ茶色が映える液体。

李は上島に淡々と答えた。

「ウォッカじゃないさ。祖母が摘んだ茶葉の烏龍茶だ。これが代々伝わる李家のお守りって奴さ。まぁ、一杯やれよ」

「おう」

 上島の隣で、渡辺がヘリに備えられてある簡易扇風機の風を弱から強に変える。各々が降下までに戦闘前のささやかな自由を過ごしていたが、吉木が持つ無線機から連絡が入る。




『こちらイエローモンキー。降下2分前だ。降下準備を……』




 吉木は、全員に合図を送る。

「2分前だ。総員、降下に備えろ!」

 合図に全員は反応した。




《了解!》




 渡辺は扇風機のスイッチを押して風を止め降下準備をする。李は水筒の蓋をしっかり停めてゴーグルをつけた。その隣で上島はコップを棚に置き、左手の腕時計で時間を確認した。

 笹倉はペンダント越しの彼女に誓う。

「必ず帰るよ」

 吉木も降下の準備をする。

 笹倉は準備をしながら、吉木に訊いた。

「どうして俺達、こんな異国で戦争してるんでしょうか?」

 吉木は笹倉の質問に降下の準備をしながら言った。

「君は、このヘリに何%、日本の物が入っているか分かるか?」

 笹倉は降下準備を終えながらも吉木の問いに戸惑った。

「えっ、よ、よく分かりません」

 吉木は準備を完了させて笹倉に言った。

「わずか数%だよ。数%。このヘリも合衆国製。いわば他国の兵器を買ったものだ。李が持っている烏龍茶も元は中国から持ってこられたし、扇風機は日本製と書いてはあるが原料や部品を考えたら、他国の物さ。つまり……俺達は物を得る為に戦うしかないという事かもしれない。だが、ティッシュは日本製だがね」

 笹倉は、一言返した。

「俺達は得る為に戦争じゃなく物を得て生きて行く為に戦うわけですね。他国に……」

「ああ、そうだ笹倉一曹。戦争の後に平和が作られるなんて誰も思ってないさ。得る為に戦っているからな」

 吉木の一言の後に無線が鳴った。

 無線の内容は、




      《降下ポイントの到着》




 それは吉木達にとっての戦争の幕開けであった。


このお話はフィクションです。


下手くそです。超展開はご了承下さい。


前書きに書いた通り、お題は《扇風機、烏龍茶、ティッシュ》でございます。

いかがでしたでしょうか?


 若干、知識不足ながらの軍関係が混じっているので間違えている可能性があるんですが、気にせず読んでいただけたらと思います。


 単語として入れずらいと感じたのは、ティッシュかな……


というわけで読んでいただけたら幸いです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] シンプルな三つのお題をあえて軍事でさばいている! [気になる点] でもなんでわざわざ軍事ものに!(笑) [一言] 三題噺ということで、お疲れ様です。 際立っているなと思ったのは文章力です。…
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