番外編7. クロスビー家の次男
子供たち編。その2
「ぼくのかぞくは、ちちうえとははうえとおにいちゃんとぼくといもうとの5にんです。
あと、べつのところにアレンおじさまと、サクラギのおじいちゃんとおばあちゃん、シミズのおじちゃんとおばちゃんがいます・・・・」
ぼくは、ここで鉛筆をとめて考えてしまった。
「どうしたの?カイト」ぼくが途中で鉛筆をとめたのを母上が気づいた。
母上の隣にすわって絵本を読んでいた妹のアオイも、ぼくを見ている。
ぼくは今、家の図書室にいる。母上は家の図書室と倉庫、書庫の管理をしていて(といっても、書庫と倉庫に入れるのは父上と母上、アレンおじさまだけだ)、まだ目が離せないアオイとともに昼間は図書室にいることが多い。図書室にいなければ、厨房でトマスに料理を教わっているか庭でバジルじいちゃんとともに植物の世話、または部屋でエルシーにお茶を入れてもらっている。
でも、それは父上がいないときの話で、父上が帰ってくると母上はいつも父上と一緒にいる。フローラおばちゃんいわく「いつまでたってもらぶらぶ」だからだそうだ。
「がっこうのしゅくだいで、かぞくについてかくことになったんだけど・・・ははうえ、かぞくっておなじいえにすんでいるひとたちだけなの?」
「え?そうねえ・・・・家族という言葉で連想するのは、たいてい「同じ家に住んでる親子や夫婦」よね・・・うちで言うなら、お父様と私、それにカイト、リクト、アオイを言うのよ。アレンさんやサクラギのおじいちゃんたちは「親戚」ってことになるわね」
「ふうん。じゃあ、このばあいのかぞくは、ちちうえとははうえ、リクにいちゃんとアオイ、ぼくってこと?おじさまたちがかぞくじゃないってさびしいね」
「でも、家族と同じくらい大切なのは間違いないわ。それはここで仕事をしている皆もそうよ。クロードやヴェラ、トマス、エルシー、バジル・・・みんな家族同然なのよ、わかる?」
「うん。わかる。だから、みんななかよしなんだよね」
「そうそう。」母上がにっこり笑う。すると、隣に座っていたアオイも笑った。
ぼくのかぞく カイト・クロスビー
ぼくのかぞくは、ちち上とはは上とおにいちゃんとぼくといもうとの5人です。
ちち上は「まどうし」として王きゅうではたらいています。ちち上は、きびしいけどやさしいです。ぼくは、ちち上のところにいったことがあります。ランスおじちゃんがいちばんえらい人で、いつもちち上のへやでおはなししています。ちち上とランスおじちゃんはとてもかっこいいので、ぼくもしょうらいああなりたいです。
はは上は、いえでとしょしつのかんりをしています。はは上は、いつもげんきできれいでやさしいです。いえのいっせいきゅうかのときには、ぼくたちにおいしいおかしをつくってくれます。ちち上となかよしで、いつもいっしょにいます。
おにいちゃんはリクトというなまえです。ぼくの1さい上です。ぼくとおにいちゃんは、ふだんはなかよしですが、ときどきけんかをしてちち上やはは上、クロードやトマス、バジルじいちゃんにしかられます。
いもうとは、アオイというなまえです。いま4さいです。かわいいですけど、ときどきおおごえでなかれるとこまるので、それはいやです。
あと、べつのところにアレンおじさまとか、しんせきがいます。
いえにはクロードとヴェラ、トマス、エルシー、バジルじいちゃんがいます。
かぞくじゃないけど、かぞくとおなじくらいだいすきでなかよしです。
花丸をもらった作文を母上に見せると、母上はとても喜んでくれた。
「すごいわ、カイト。お父様が帰ってきたら見せなくちゃね。」
アオイもははうえのまねをして「カイにいちゃま、すごーい」と言う。
リク兄ちゃんは「カイトにしちゃ、うまいじゃないか」となぜか偉そうだったけど。
そして、父上は・・・・
「カイト、すばらしい内容だな。しかし、一つだけ気になる点があるのだが」
「はい。なんですか?ちちうえ」
「ランス様をいれる必要があるのか?」
「デルレイ。ランス様、子供たちと遊んでるじゃない。心が狭いわね~」
「む。そりゃそうだが・・・・」
ちちうえはランスおじちゃんとなかよしのくせに、へんなの・・・・ぼくは、くびをかしげたのだった。
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次男編です。
ランス様、存在感ばつぐんだなあ。