76. 一夜明けた二人(「」→日本語、『』→ブリードン語になります)
朝のひととき。の巻
朝、目を覚ますと隣でデルレイが寝息をたてていた。それにしても基本的に美形は寝顔も美形なんだな。
王国に戻ったら、これが当たり前になるのかな・・・・そう思ったら何だか照れくさい。私はベッドの下に落ちてるパジャマを着るとベッドの端に腰掛けてぼんやりと昨日のことを思い出していた。
昨日、デルレイがいきなり現れたときも驚いたけどそのあと日本語を話し出したのも驚いた。
「デルレイ!日本語をいつの間にそんなに話せるようになったの?」
「叔父上に教わった。ランス様も一緒に覚えたのだ」
でも、その俺様口調は結局変わらないみたい。だけど、デルレイは私の前ではその口調でいてほしい。
「ナナオの家族に、お嬢さんと結婚させてくださいとナナオの国の言葉で伝えたかったのだ」
「デルレイ・・・・」私はちょっと感動しかけたけど、何か順番が違うと気がつく。
私、デルレイからプロポーズされてたっけ・・・・?いや、されてないような気がする。
『デルレイ、私・・・・あなたからプロポーズされてたっけ』思わず口に出してしまった。
デルレイは『ジュストのかけた魔法が解けたときに“俺の側にいてくれないか?”って言ったらナナオも承知してくれたじゃないか。』と何を今さらという顔をして言った。
はああ?あれですか。プロポーズという認識は私にはありませんでしたよ、ええ。ちっとも。
私が思わず『あれって、プロポーズだったの?』と叫んでしまった。
デルレイもそこで私が自分の発言をプロポーズだと思っていなかったことが分かったらしい。『・・・・俺の一世一代のほかの女性たちには言ったことない言葉を伝えたのに・・・ナナオ、鈍すぎるぞ』
『なによっ!あの言葉は確かに嬉しかったけど、あれがプロポーズだと思うわけないでしょ!!』
『わかった。ナナオにはもっと直接的に言ったほうがいいのだな』そういうと、デルレイは何を思ったか、私の前にひざまずいた。そして、私の手をとると手にキスをした。
ひえ~っ。こ、これはあれですか。あれですよね。
『ナナオ・・・俺と結婚して、俺の側にいてくれ。必ず幸せにするから』ひざまずいても俺様口調。
私は涙が出そうになったけど、ちゃんと言葉を伝えるまではこらえた。
『はい・・・私も、デルレイを幸せにするね。ずっと側にいる』私が思わず涙ぐむと、立ち上がったデルレイが『泣くな』といって抱きしめてくれたのだった。
昨日は、あれから史子、公子伯母ちゃん、実家の家族に電話をしてもう一度会う約束を取り付けた。みんな、デルレイを見たらどんな感想を持つんだろう。
史子と公子伯母ちゃんは、二人とも性格がそれぞれフローラやオーガスタさんと似たところがあるからデルレイと気が合いそうだ。
うちの実家は・・・ちょっと分からない。父は大丈夫そうだけど・・・・
「ま、何とかなるでしょ」思わず口に出してしまった。
『おはよう。ナナオ・・・なんか・・・・言ったか?』デルレイが目を覚ましたらしい。
『おはよう、デルレイ。明日、私の実家に行くでしょう?そのことを考えてたの』
『大丈夫だよ。ナナオ』デルレイに後ろから抱きしめられた。
『そうだね』
なんで、デルレイの一言で大丈夫って思えるのかな。でも、確かに大丈夫、賛成してくれるって思いがわいてきていた。
読了ありがとうございました。
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デルレイプロポーズしましたね。ロマンス小説鉄板(?)のひざまずきをさせてみました。
えーっと、大丈夫ですよね?
全年齢的な描写ですよね?