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魔道士と整理係  作者: 春隣 豆吉
第1章:王国へゴー!!
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5.世話係がつきました

七生、世話係を世話されて困る。の巻

「ヴェラさん。あのー、世話係って、どんなことを頼めば??自分のことは自分でできますけど」

「ナナオさんは自立された女性なんですね。さすがアレン様ご推薦の方だけあります。ですが、彼女に身の回りのお世話を頼んでいただけないでしょうか。エルシーの入れるお茶は美味しいですよ。」

「はあ・・・・」そうは言われても。

 

「それでは、ナナオさん。エルシーを置いていきますから、本人と話してみてくださいね」

「はい。お気遣いありがとうございます」

 ヴェラさんは、そういうと部屋を出て行った。

 うーん・・・・とりあえず、お茶を頼んでみようかな。

「えーっと、エルシーさん。お茶をいただけますか?」

「はい。かしこまりました。あ、ナナオさん。お茶のセットは部屋に常備したほうがよろしいですか?」

「え。常備していいの?」

「はい。お茶菓子も頼めば厨房でいただけますよ」

「・・・すごいですね」うーん、もしやデルレイってお貴族様ってやつか。そういやアレンさんは、品があるもんね。デルレイは品に欠けるけど、あの傲慢さはお貴族様に違いない。

「じゃあ、お茶のセットをお持ちしますので、少しお待ちください」そういって、エルシーさんは部屋を出て行った。

 

 こちらのお茶は紅茶と似ている。でも一口飲んでみると紅茶の渋みがなくて爽やかでフルーティーな香りがして美味しい。ナッツのクッキーもハーブの香りがしてお茶に合う~。

「お茶もクッキーも美味しい!!作り方を教えて欲しいなあ。」

「トマスさんに伝えておきますね。きっと喜んで教えてくれますよ」エルシーさんが2杯目を注いでくれる。

「そうだ。エルシーさん」

「はい」

「私の世話係ってことなんだけど、どんなことを頼めばいいのかな。私、たいていのことは自分でやれるから、世話係いらない・・・」と言いかけたところ、エルシーさんが泣きそうになってしまった。

「エルシーさん??ど、どうしたの?私、変なこと言ったかな?」

「ナナオさんっ。私、一生懸命やりますから、どうかそのようなこと言わないでくださいっ。役立たずだと思われてしまってクビになってしまいます。」

 ええっ。そんな重要事になっちゃうの??


 とりあえず、遠慮するエルシーさんを座らせて、別のカップに入れたお茶を勧め、椅子に座らせる。

「クビなんて、そんな大事になるわけないわよ。たかが整理係が世話係を断ったくらいで」

「そういうわけに参りません。当主様からの命令なのです」

 当主様っていうと、デルレイか。あの傲慢オトコなら平気で首切りそうだよな。

「そっか。わかった。じゃあ、改めてよろしくね。なるべく迷惑かけないようにするけど、忙しいときは部屋の掃除やシーツの交換、それにゴミだしとかお願いしちゃうかもしれないけどさ」

「はいっ。それくらいお安い御用です。」

「よかった~。ありがとう。あ、でもお茶は毎日入れてもらいたいな。ヴェラさんの言うとおり、エルシーさんの入れたお茶は美味しいね」

 エルシーさんは、それこそ花が咲いたように「ありがとうございます」と、とびきりの笑顔で笑ってくれた。


読了ありがとうございました。

誤字脱字、言葉使いの間違いなどがありましたら、お知らせください。

ちょっと感想でも書いちゃおうかなと思ったら、ぜひ書いていただけるとうれしいです!!


出ましたよ。異世界物の定番(?)ヒロインにつくメイドさん!!

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