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魔道士と整理係  作者: 春隣 豆吉
第6章:思い出も不思議も倉庫の中に
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37.雲の素発見

七生、倉庫整理に着手。の巻

 クロスビー家の倉庫には歴代当主の名前が書かれた茶色の箱とラベルが貼られた緑色の瓶、鍵のかかった書類箱が置いてあり、片隅には何もはいっていない茶色の箱が積まれている。

 歴代当主の名前が書かれた箱も気になるけど、さすがに勝手に開けるわけにいかないので後回しにする。まずは緑色の瓶から整理と目録作成に入ることにした。

 瓶類は空いている箱に詰めていくことに決めて、手に取った。

「・・・・花火の素:ばらまくとはじけて危険・・・・アダルバード・クロスビー作成」

 これって、「人騒がせな性格(byデルレイ)」なデルレイの曽祖父アダルさんが作ったのか。もしかして錬金術にはまった成果?

 ばらまくとはじけて危険って。花火の素って書いてあるけど、爆竹っぽいのかしら。

「飲んだら大変な惚れ薬」大変って、いったいどうなるんだ。

「飲んだら姿が消えるかもしれない薬」・・・・これはちょっと興味がある。しかし、100年以上前の薬を飲む勇気は私にはないわー。“かもしれない”というのがまた・・・・。

 そういえば、デルレイは前にアダルさんは空飛ぶ雲を作ったって言ってたけど・・・雲をどうやって作ったのかなあ。


 最初はラベルをみて驚いていた私だったけれど、整理をしていくうちに気にしなくなった。というのも、アダルさんが作った瓶のラベルを見てると驚くのがバカらしくなるくらい、うさんくさいもののオンパレードだからだ。アダルさんの錬金術の最大の成果は壁が異世界とつながったことかも・・・・扉がなかったらデルレイに出会わなかった。

 私は次の瓶を手にとり、目録に記録するためラベルを見て目を見張った。

 そこには「雲の素:振りかけたものが浮く」と書いてあった。


 夕食時に、私はデルレイに雲の素のことを報告した。

「は?雲の素だって?」デルレイは、何言ってんだコイツと言う目で私を見る。

「だからー、アダルさんが作った雲の素っていう粉末が出てきたんだよ。振りかけたものが浮くんだって」

「ナナオ・・・まさか、本当にそれを振りかけると浮くなんて信じてるなんていうことはないよな?」

「うーん、半信半疑?」

「・・・半分も信じてるのか。まじ?」

「え。デルレイ、今“まじ”って言った?うわー、なんか懐かしい~」

「ランス様が、叔父に教わったそうだ。ナナオの世界の若者言葉だそうだな」

「そうだね。まさか王国で聞けるなんて。」

「そうか?」なぜか、デルレイは私に対して“まじ”を使えたことが楽しそうだ。

「なんか楽しそうだね。デルレイ」

「ランス様が今度ナナオに会ったら“まじ”を使うと言っていたのでな。俺が先に使ってランス様を出し抜いたのがうれしい。」

 ランス様とデルレイは・・・・子供か!!

 私は少し呆れつつも、そんなデルレイをかわいいと思ってしまった。


読了ありがとうございました。

誤字脱字、言葉使いの間違いなどがありましたら、お知らせください。

ちょっと感想でも書いちゃおうかなと思ったら、ぜひ書いていただけるとうれしいです!!


七生が倉庫で最初に見つけたものは魔法のハウツー本よりも、

うさんくさい物体でした。


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