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魔道士と整理係  作者: 春隣 豆吉
第5章:整理係と王国の人々。
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31.整理係と魔道士長

七生、デルレイの上司と遭遇する。の巻

 市場でデルレイに手をとられたとき、もうちょっと暴れれば離してくれたかもしれないのに、どうして私そのまま手をつないでしまったんだろう・・・。

“ナナオ、またてをみてる~。”アマロがからかう感じで葉っぱをゆらす。

 最近、アマロが喜び、怒りのほかに人をおちょくることを覚えたんだよなあ・・・・。私、何もしてないんだけど。

“なんか~、いちばにいったあとからナナオ、てをずっとみてる~。なにがあったの~?”

“・・・・・デルレイに手をにぎられてね、どうして自分から離さなかったのかなあって考えてた”

“きゃあああ~~。とうしゅ、やるう~”アマロがわさわさする。

“なんか、最近アマロって、いろいろ覚えてない?”

“ナナオのそばにいると、なんかいろいろおぼえるのー”

 それって魔力のせいだろうか。えー、まさかねえ・・・・・。


 次の日、いつものように書庫で仕事をしているとデルレイがやってきた。

「仕事の進みぐあいはどうだ?」

「歴史書の目録作りは終わったよ。今は、その他の本の分類と目録作りが残り半分くらい。もう少しで倉庫のほうに着手できると思うけど。」

「じゃあ・・・その、忙しいよな?」

「まあ、忙しいといえば忙しいわね。デルレイが人の都合を聞くなんて珍しい。どうしたの?」

 デルレイは私の返事を聞くと「そうだよな。忙しいよな。よしよし」と勝手に納得して「ナナオ。邪魔して悪かったな」と書庫から出て行った。

「変なデルレイ。ま、変なのは前からか」そのまま私はデルレイをすっかり忘れて作業に没頭した。

 

 そのうち、書庫で本を追っていて目が疲れたため私は庭園で休憩することにした。王国は常春な気候のせいか、芝生はいつも青々としているし気温はいつも暖かだ。ここの気候に慣れちゃったら日本に戻ったときに夏の暑さと冬の寒さに耐えられるだろうか、私。

「んー、気持ちいいねえ。天気はいいし、仕事は順調。ま、デルレイが変だけどそれはいつものことか」

「ほお、デルレイはいつも変ですか?お嬢さん」誰もいないかと思ってぼやいた独り言に相槌打たれて私は驚いて後ろを見た。

 そこにいたのは、アレンさんと同じ歳くらいの男の人だった。砂色の髪の毛にとび色の瞳でこちらをにこやかに見ている。

「あ・・・こ、こんにちは。」

「初めまして。ランス・アイルズバロウと申します。」

「初めまして。ナナオ・サクラギと申します。あのランスさん・・・もしかしてオーガスタさんのご主人ですか?」

「妻とはウェルズ商会で出会ったそうですね。あれからずっと自慢されてましてね。私も一目お会いしたかったのですが、どーしてもあのバカ・・・失礼。デルレイが了承してくれなくて」

 デルレイをバカ呼ばわり・・・さすが上司。

「今日も、ぜひ紹介してくれとデルレイに頼みに来たのですが、“整理係はただいま仕事で忙しくて書庫にこもりきりですので”と言われ、あきらめて帰る途中だったんですよ。いやあ、運がよかった。休憩中ですか?」

「はい。ちょっと目が疲れたのでリフレッシュしようかなあと」

「なるほど。それでは一緒に散歩でも・・・」とランスさんが言いかけたところに、「ランス様!!」とデルレイが慌てて走ってやってくるのが見えた。


読了ありがとうございました。

誤字脱字、言葉使いの間違いなどがありましたら、お知らせください。

ちょっと感想でも書いちゃおうかなと思ったら、ぜひ書いていただけるとうれしいです!!


魔道士長が登場しました。

わりとお茶目な人・・・のはずです。


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